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原子力発電所に飛行機が突っ込んだら大事故になりますか?
原子力発電所に事故やテロなどで大型の飛行機が墜落した場合を想定しています。 そのときに原子炉は爆発する可能性がありますか? テレビでだれかがそういっていましたが、知人は爆発しないと言っています。 理由はウランの濃度が薄いからだそうです。 どちらが正しいでしょうか? また、原子炉が破壊されて放射能が外部に広がった場合、周囲や環境へどのような影響がありますか? 放射能を封じ込める方法はありますか? よろしくおねがいします。
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こんにちは。 >そのときに原子炉は爆発する可能性がありますか? テレビでだれかがそういっていましたが、知人は爆発しないと言っています。 テレビでは何と言っていたのでしょう? お友達が言っておられるのは「核爆発は起きない」ということですよね。 ウランには大雑把に燃えるウランU235と、燃えないウランU238があります。天然ウランに含まれる燃える235の割合は0.7%ほどです。これを原発の燃料として使えるように3~5%まで濃縮したものが「低濃縮」ウランです。 ウランは中性子が衝突することによって核分裂のエネルギーを発生させると共に、自らも中性子をばら撒いて次ぎの核分裂を起こします。原発では制御棒でこの中性子を遮断したり解放したりして原子炉を制御します。 これに比べ、原子爆弾を作るためには濃縮率90%以上というウランが必要です。 更に、急激な核分裂の連鎖反応(いわゆる核爆発)を起こしてやるためには、これを狭い場所、もしくは大変圧力の高い空間に閉じ込めてやらなければなりません。中性子がウランに衝突しやすくするためです。これによって初めて核爆発が起こります。 ですから、例えばジェット機自爆テロということですが、どのような事態が発生しようとも、原発が核爆発を起こすことはあり得ない、というのが一般的な常識でなくてはならないと思います。 テレビではその辺りのことを何と言っていたのでしょうか、大変興味があります。 とはいえ、原発が安全であるとは、私は言いません。 チェルノブイリの事例(URL)をご覧下さい。ここでは未だに危険なレベルの残留放射能が検出されます。ひとたび原発の外に漏れ出した放射能を除去する手段はありません。
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- ruehas
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こんにちは、#6です。 回答をお読み頂きありがとうございます。 補足に就いて調べました。 >では、JOCの臨界事故がありましたけども、あれはウランを濃縮したから発生した事故だと認識していました。 >だから簡単に核爆発は起るものを思っていました。 >ウランを濃縮して臨界は起っても爆発はしないということですか? >それともJOCの事故はぜんぜん関係のない現象なのでしょうか? そう言われてみると、少々説明不足であったように思います。大変申し訳ないことです。 JOCの事故は材料の調合を手作業で行っている内に臨界に達してあのような惨事になったということですよね。「臨界」というのは、核分裂が連鎖反応を起こす境界です。 中性子の衝突によって核反応を起こしたウランは、分裂するときにふたつ以上の中性子を放出します。この中性子が別のウランに衝突すれば次々と核反応が起きますので、そこからエネルギーを取り出すことができるようになります。 話を単純にすると、100個発生した中性子が50個衝突すれば、次ぎに発生する中性子は100個ですので、臨界に達したまま安定した連鎖反応を維持することができます。衝突が上手く行かなければ発生する中性子の数が減り、反応は収束しますが、100個全部が命中すれば次ぎは200個が飛び出して来ますので、燃料が無くならない限り反応は倍々で加速することになります。 原子炉は制御棒でこの中性子の衝突を制御しています。そして、発生したエネルギーは冷却水を使って順次熱として取り出されます。もし冷却水によって熱交換をしなければ、原子炉の中にはエネルギーが溜まる一方ですから、密閉されていれば大概のものは「爆発」します。原子炉はその前に燃料棒が溶け始めると思います。 JOCではどういうわけか、偶然にも10時間の安定した状態が続いたそうです。そんなことですから、燃料が容器のバケツから噴き出すなり、フタがしてあればそれを突き破って爆発したりしても決して不思議ではなかったと専門家は言います。ですが、それでひとたび燃料が飛散すれば、上記の理由により反応は収束します。 原子の世界は、言わば宇宙空間のようにスカスカですから、原子や素粒子同士の衝突はそう簡単には起きません。ですから、臨界に達するためにはまずウランを濃縮しなければなりません。それだけでも簡単には反応は起きませんので、原子炉では最初の中性子の発生源は別に用意しておきます。 更に濃度を高くしたウランをひと纏め(臨界容積)にし、発生した中性子が何処かに飛んで行ってしまわないように狭い場所に閉じ込めます(遮蔽)。すると、その中ではたくさんの中性子が跳ね返り、飛び回りますので、これによって衝突の確立はぐっと高くなります。火薬の爆発力などを使い、このような高圧の空間に密度の高いウランとたくさんの中性子をタイミング良く閉じ込めてやることによって、一気に急激な核分裂の連鎖反応を起こしてやろうというのが原子爆弾です。 JOCで扱っていたウランの濃度は約20%に達していたそうです。濃度20%に於ける臨界容積は、遮蔽材の中で250kgということになっているらしいですが、実際にそのような条件が整ったのかどうかまでは調べが付きませんでした。 ということですが、補足の説明になりましたでしょうか?
お礼
とてもていねいな説明、ありがとうございます。 核反応についておぼろげながら理解できた気がします。 >原子の世界は、言わば宇宙空間のようにスカスカ すばらしい例えです。イメージが湧きました。 >JOCで扱っていたウランの濃度は約20% そんなに濃縮していたとは知りませんでした。遮蔽も関係あるわけですから、JOCの事件ではかなり偶然が重なったわけですね。 調べてみると原子炉ではペレットを使用するとありました。液体からペレットを作ろうとしたのでしょうか。
- inoue
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まずチェルノブイリと日本の原発は構造が全く異なります。日本の原発は軽水炉といって減速材に水を使っています。 水を投入しても反応は弱まり、水が干からびても反応が遅くなる原発です。 ですので軽水炉で原子炉をオーバーロードさせるのはまず無理です。 チェルノブイリは黒鉛を制御棒につかうとても危険な方式で、最終的には黒鉛の制御棒が燃え上がり大気中に煙突のように汚染物質を間散らしてしまいました。 ですので日本の原発に飛行機が突っ込んでも周辺の限られた地域が汚染されるだけで心配は要りません。 チェルノブイリの場合、放射能漏れが問題なのではなく、黒鉛の炎症が上昇気流を伴った空気の煙突を作り、それが大気圏上層部まで達してしまった為に汚染が広範囲に広がりました。 飛行機が墜落して成層圏まで煙が昇りますか? 放射性物質を撒き散らす作用がないので汚染は小規模にとどまります。 なお核分裂反応は熱エネルギーだけでなく、それを高密度の空間に閉じ込めておく必要があります。 通常原爆を起爆させるには、高性能爆薬でウランを包み、高度に計算されたタイミングで爆縮してやる必要があります。 それでもなお臨界まで持っていくには高度な技術が必要です。 核保有国が核実験を繰り返すのはこのためです。 ウラン濃度が極端に低い原発で臨界反応を起こすのは100%無理です。 ちなみに水爆は起爆剤に原爆を使用します。 そのくらいの強烈なパンチがないとあのようなエネルギーは引き出せません。
お礼
ありがとうございます。 チェルノブイリは黒煙の上昇気流が汚染を広げてしまったわけですね。 >水爆は起爆剤に原爆を使用します。 これは初耳です。勉強になりました。
- cse_ri2
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政府公式見解(?)の資料を紹介します。 『原子力のページ』 http://www.atom.meti.go.jp/ 上記のトップページから、 『Q&A』-『原子力発電の安全性』- 『原子力発電所がミサイル攻撃を受けたらどうなりますか。』 を参照してください。 私もみて驚いたのですが、建設途中ではありますがミサイル 攻撃された事例があるんですね。 いちおう、対戦車ミサイルレベルでは大丈夫みたいです。 また、『原子力発電所に飛行機が墜落しても大丈夫ですか。 』 を見ると、大丈夫とは書かれていますが、飛行機を操縦する パイロットが必至になって回避することが前提となっています。 狙って突っ込まれたら、アウトということですね。 なお質問者の方が心配されているような核爆発は、先ず起きない でしょう。 その代わり、チェルノブイリの事故と同じように、放射性物質 が拡散し、住民に大被害を出すことが予想されます。
- 参考URL:
- http://www.atom.meti.go.jp/,
お礼
ありがとうございます。 ミサイル攻撃された例があったんですね。 おどろきです。 建設中でほんとうによかったです。
核爆発は起こりません。 しかし圧力容器を破損した状態でジェット燃料による火災が起これば、チェルノブイリ並みに放射性物質を撒き散らす効果はあるかもしれません。 また、圧力容器を破損しなかったとしても、炉心の冷却系統が機能しなくなれば炉心溶融を起こし、溶けた燃料が圧力容器や建屋も溶かしながら沈降し、地下水脈に触れたところで水蒸気爆発。 核爆発が起こらなくても最悪の事態は起こります。
以前、雑誌で読んだ記憶では、F4ファントム(原発が建設され始めた当時の最新鋭戦闘機)が突っ込んでも、安全が確保されるような設計をしてあると書いてありました。 しかし、原発に飛行機が墜落(自爆)するというのは、戦争時における想定であって、旅客機のような大型機が激突することは想定していないと思いますし、設計当時無かった兵器で攻撃されたらどうなるのでしょうね?
- disease
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映画なんかでよく言ってますが、核ミサイルを爆破しても核反応はしません。
補足
ありがとうございます。 >核ミサイルを爆破しても核反応はしません。 えっ。これって信じていいんですか? 核ミサイルは核爆発するように設計されているのでは? 安全装置が働いているということですか。
- nioghtowl178
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>9:11のテロのときは、ジェット機の大量の燃料がビルの鉄骨を溶かしました。 >大量のジェット燃料が引火爆発した場合でも、核爆発は起らないのですか? 起きません。ジェット燃料の爆発と核爆発とは全く異なる反応です。 >>異常加熱より水蒸気爆発 > すいません。水蒸気爆発とはどういう現象でしょうか? > 一次冷却水が爆発するということですか。 そうです。炉心が以上に高温になり、沸騰した冷却水が一気に外部に放出される可能性はあります。
- nioghtowl178
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原子炉の設計時に飛行機の衝突、テロ等はどののぐらい考慮されているのかのわからないので、間違い無くとはいえませんが、核爆発の可能性はないと思います。核燃料は原爆用のものと違い、”燃える”ウラン(U235)の割合が約4%で核爆発が起きにくいように調整されています(原爆用は約100%)。また、何らかのトラブルにより、原子炉に異常が起きたときは制御棒を炉心内に挿入し核反応を抑制します。原子炉もコンクリート製の防護壁に何重にも囲まれているため、単に飛行機が墜落したことで、即核爆発ということにはならないと思います。 ただし、爆発が起こるとすれば冷却水が供給されなくなり、制御棒を炉心内に挿入できなかった場合、異常加熱より水蒸気爆発のようなことは考えられます。たとえば、原発をテロ組織が占拠し、原子炉を暴走させた場合、先に述べた爆発が起こるかもしれません。 原子炉が仮に破壊されて周辺に放射能が外部に広がった場合、考えられる影響は以下のとおりです。 ・一次冷却水による周辺環境水の放射能汚染 ・放射性ガスによる大気汚染 ・炉心にあった放射性物質による汚染 いずれにせよの場合にせよ、対応策としては破壊された原子炉を中心に半径数キロ(破壊の程度によっては数十キロ)を立ち入り禁止にして、放射性物質濃度が低減するの待つという対応になるでしょう。 放射性廃棄物については、放射能をガラス等で封じこめることが行われていますが、環境中に放出された放射能を封じる方法については現在のところ無いようです。 下記のURLも参考にして下さい。関西電力の原子力発電のページです。
補足
ありがとうございます。 9:11のテロのときは、ジェット機の大量の燃料がビルの鉄骨を溶かしました。 大量のジェット燃料が引火爆発した場合でも、核爆発は起らないのですか? >異常加熱より水蒸気爆発 すいません。水蒸気爆発とはどういう現象でしょうか? 一次冷却水が爆発するということですか。
補足
ありがとうございます。 >原子爆弾を作るためには濃縮率90%以上というウランが必要です。 更に、急激な核分裂の連鎖反応(いわゆる核爆発)を起こしてやるためには、これを狭い場所、もしくは大変圧力の高い空間に閉じ込めてやらなければなりません。 すると濃度90%のウランを作るだけではなく、その他難しいことをしないといけないのですね。 では、JOCの臨界事故がありましたけども、あれはウランを濃縮したから発生した事故だと認識していました。 だから簡単に核爆発は起るものを思っていました。 ウランを濃縮して臨界は起っても爆発はしないということですか? それともJOCの事故はぜんぜん関係のない現象なのでしょうか?