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ニッケル触媒とカルボニル化について

wilipidiaによるとニッケルカルボニルは室温でニッケルと一酸化炭素との反応により合成すると書いてありますが、触媒分野ではニッケル金属に対しては一酸化炭素は解離吸着することが知られています。 これがどうしても解せません。 金属表面上に解離吸着しているのになぜカルボニル化が起こるのか疑問です。 触媒活性となる温度によってどこが律速段階となるかが変わってくるからこのようになるのでしょうか。 教えてください。

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  • jamf0421
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回答No.4

> 私が読んだ触媒の教科書には、 > COはFe,Co,Ru,Ni,W,Mo表面上でCとOに解離する > 水素原子が近くにあるとOはH2Oになり、CはCH、CH2を経由して炭化水素を生成する これは要するにFT反応についての説明ですね。 蛇足ですがCO吸着だけの話ならCOは Linear;M-C≡Oの形で1:1につく。 Bridge;MとMの間にC=Oがケトンのように橋掛け吸着。 Twin;二つのCOが一つのMに吸着する。 などが普通に考えられる吸着種です。linearとかbridgeとかstoichiometryが決まっているものについては吸着量により表面原子数を評価できます。Ptですとlinearが主流、PdですとBridgeが主流です。ただし少なくもPtは担体によってlinearとbridgeが混じってきます。Ruはsurface carbonylができてstoichiometryがはっきりしないです。RhはCOによりRh-carbonylでばらばらになり、COを脱離させてRh粒子にもどるという現象が起こることがあります。

linzylinter
質問者

お礼

お礼が遅れてしまい申し訳ありません。 想像していたよりも奥が深くて驚いています。 専門ではないですが論文など読んで勉強したいと思います。 ありがとうございました。

その他の回答 (3)

  • jamf0421
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回答No.3

> 結果として解離吸着と言われているだけで実際は分からないということですか。 少し誤解があるようですので整理してみます。 1.ガス吸着種は温度、共存ガスの影響を受ける。 2.Niは573 K-673 Kで数気圧でFT反応が行く。この時、系にはCOとH2が導入され、反応が進行している状態である。 3.一般にFT反応はCOが解離あるいはそれに近い状態で吸着し、さらに水素の影響で表面炭化物および表面酸化物になる。さらに表面酸化物は、水素により水となり、表面炭化物は水素化されてメタンになるが、一部はCH2の挿入によりアルキル基が成長。 ということです。回答している私はNi上でのFTのメカニズム解析の論文を読んだことはありません。FT反応中のNi表面でNi-C、Ni-Oはなんらかの方法で確認されているのかも知れません。(本当は確認されていないかもしれません。)しかし、仮に確認されているにせよこの吸着型は水素が共存しなかったら、つまりこの温度で純COをいれたらNi-CやNi-Oが出る保証はありません。 ということで歯切れが悪いですが、Niカルボニルができる、ということとFT反応でNi-C, Ni-Oができるという話は両立して不思議はない話と思います。

linzylinter
質問者

お礼

なるほど。 私が読んだ触媒の教科書には、 COはFe,Co,Ru,Ni,W,Mo表面上でCとOに解離する 水素原子が近くにあるとOはH2Oになり、CはCH、CH2を経由して炭化水素を生成する と書かれているため COが解離吸着するかどうかは金属との関係のみであって、共存ガスや温度・圧力に関わらず 解離吸着する分子は全て解離吸着するのだろうという認識でした。 ならばなぜニッケルカルボニルといったものが生成されるのか疑問でした。 3回も答えて下さりありがとうございました。 感謝します。

  • jamf0421
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回答No.2

吸着は共存ガスや温度で大きな影響を受けます。Niは工業的に使われているかどうかは知りませんがFTは進行します。圧は比較的低くて1 atmから数 atmで済みますが、温度は573 K-673 Kくらいは必要ではないですか。Niカルボニルなら分解してNiになる領域です。 この場合はたしかに反応機構の推定からCとOが解離した吸着と言われています。しかしこれとても水素が共存してFTが行くときの中間体としてそうだ、と言われているだけで、温度を上げて単にCOを入れたらNiCとNiOが出来てくるかどうかは判りません。

linzylinter
質問者

お礼

結果として解離吸着と言われているだけで実際は分からないということですか。 ありがとうございました。

  • jamf0421
  • ベストアンサー率63% (448/702)
回答No.1

Ni触媒上に純粋のCOを入れたとき 2Ni+CO→NiC+NiO という解離吸着する、という方が寡聞にして知りません。 むしろたとえば1 atmの純粋のCOをNi触媒上に流したら350-370 Kでニッケルカルボニルが生成してくると思います。

linzylinter
質問者

お礼

解答ありがとうございます。 舌足らずですみません。 FT触媒としてNiを用いると、COとH2によって (2n + 1) H2 + n CO → CnH2n+2 + n H2O という風に反応が起き、解離吸着したCとOがそれぞれ水素化されると思います。 にもかかわらず、純粋なCOになるとニッケルカルボニルが生成するということが分かりません。 COが解離吸着か非解離吸着かは水素の存在に依存しているということですか? 私が何か根本的なところで勘違いをしているのだと思いますが、教えていただければ幸いです。

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