この場合,Cauchy列が有界となる理由は?
宜しくお願い致します。 最下の命題の証明でCauchy列が有界となる理由がわかりません。
[定義-3]順序集合(A,≦')の部分集合Bに於いて、{b∈B ;∀x∈B,b≦'x}≠φの時、
{b∈B;∀x∈B,b≦'x}:単集合となる{b∈B ;∀x∈B,b≦'x}のただ一つの元bをminBと表記し、(A,≦')に於けるBの最小元と言う。
[定義-2]順序集合(A,≦')の部分集合Bに於いて、{a∈A ;∀x∈B,x≦'a}≠φの時、
{a∈A ;x∈B⇒x≦'a}の元を(A,≦')に於けるBの上界と言う。
[定義-1] 順序集合(A,≦')に於いて、Aの部分集合Bに於ける上界が存在する時、Bは(A,≦')の中で上に有界であると言う。
[定義0] 順序集合(A,≦')に於いて、Aの部分集合Bに於ける上界が存在する時、その上界の集合の最小限をBの上限といい,supBと書く。
[定義1] 数列{a_n}のある部分列がaに収束する時,このaを数列{a_n}の集積値という。
[定義2] 順序集合(A,≦')が完備
⇔
(i) (A⊃)Bが上に有界ならば∃supB∈A
(ii) (A⊃)Bが下に有界ならば∃infB∈A
[命題1](Weierstrassの定理) 有界な数列には少なくとも1つの集積値が存在する。
[命題2] 数列{a_n}が収束する
⇔
(i) {a_n}が有界
(ii) {a_n}の集積値は唯一つ
[命題3] 順序集合(A,≦')を距離空間(その距離をdとする)とする。Aが完備ならばAの任意のCauchy列{c_n}はlim[n→∞]c_n∈A.
を示しています。
[証]
Cauchy列の定義から0<∀ε∈R,∃M∈N;M<m,n∈N⇒d(c_m,c_n)<ε
{c_n}は有界(∵?)。
従って,sup{c_n}∈A,inf{c_n}∈A(∵定義2)
これから{c_n}は有界と言えるから,{c_n}は収束する
(∵唯1つの集積値が存在する
(∵{c_n}には少なくとも1つの集積値が存在するから(命題1),
{c_n}の集積値が2つあったと仮定し,その集積値をa,bとする。
{c_n}の部分列{a_n}がaに収束,部分列{b_n}がbに収束。
収束の定義から夫々
0<ε'∈R,∃M'∈N;M'<k⇒|a_k-a|<ε'
0<ε'∈R,∃M"∈N;M"<h⇒|b_h-b|<ε'
ところが
|a-b|=|(a-a_k)-(b-b_h)+(a_k-b_h)|
≦|a-a_k|+|b-b_h|+|a_k-b_h|<2ε'+|a_k-b_h|
∴ |a_k-b_h|>|a-b|-2ε'
これはmax{M',M"}<∀k,h∈Nに対しても|a_k-b_h|>|a-b|-2ε'となってしまう事を意味しているので
ここでε':=|a-b|/4と採ってしまうと,
∃M∈N;M<k,h∈N⇒|a_k-b_h|>|a-b|/2 となり,Cauchy列の定義に反する)
よって命題2)
そして,{c_n}の収束値をcとするとc∈A
(∵c∈A^cだと仮定してみると今,lim[n→∞]c_n=cなので
0<∀ε∈R,∃M∈N;M<m∈N⇒d(c_m,c)<εと書ける筈だが書けない(∵dはAでしか定義されてない))
、、、と示せると思うのですが2行目「{c_n}が有界」の理由がわかりません。
d(c_m,c_n)<εからどうすれば{c_n}が有界である事が言えますでしょうか?