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SEM(走査型電子顕微鏡)の電子線断面形状について。
SEM(走査型電子顕微鏡)の電子線断面形状について。 SEMの電子線断面形状は、円形と思っていたのですが、コンタミネーション などによる損傷が起きた時に、その損傷形状が四角になることがあります。 これは、電子線の断面形状が四角(円形ではない)ということなのでしょうか? 宜しくお願い致します。
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(質問内容を把握しきれていませんが(ちょっと大凡にですが)答えます) >SEMの電子線断面形状は、円形と思っていたのですが 「電子線断面形状」というのは画面で見たときの映像ですか? (因みに,SEMの場合は断面を見ているわけではなく表面上数nmの領域をみています) 矩形(四角)です.これを一般にナイフエッジといいます. SEMの日本語から分かるように走査型というのは,ある「形状をなぞっていく部類のもの」です.(良い例が思いつきませんが,たとえば)ジグソーパズルをきれいに右上とかから順番に作っていき一つの画にするような感覚です.それを高速に行なえば,動画も見れます. 電子線なので磁界レンズと電界レンズを用いており,それぞれの比率で電子を誘導し,形状を矩形にしているのです. おそらくウォブラ,とかスチグマ(スティグマ)とかいう操作があれば,それはレンズ同士を同期(通常のレンズであれば焦点を合わせる感覚)させるものです.(古いと手動のもありますが) >コンタミネーションなどによる損傷 これはおそらく倍率を下げたときに起こる「焼き付き」の現象のことをいっておられるのかと思いますが,実際にはコンタミネーションとは異なります(コンタミネーションは洗浄が不十分な場合などしか存在しません.倍率により急に出現したり,消失したりということはありません) 実際見る材料にもよりますが,表面が高倍率にするほどフィラメントからの電子線と倍率による表面の面積比により電流密度が増加します.そのため,どんなに導電性のよい物でも(金属は物や表面状態によりますが)たいていは材料表面に電荷がたまってしまい,過充電のような状態になり二次電子という物体が異常に放たれます(実際にはこれをSEMが検出,処理を施し画像化します). ですがあまり,電荷が多すぎると(高電流密度なため)高いエネルギー状態となり材料表面に焼き付きのような現象を起こします(エネルギー的には何万度か数千度という物になるかと思います).それにより,倍率を下げた場合,二次電子はなくなったも,熱電子という物が二次電子と併せて別に放たれてきます. 実際,SEMは通常(高)真空中で扱うためコンタミネーションはあまり考えられません.
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早速のご回答ありがとうございます。 >「電子線断面形状」というのは画面で見たときの映像ですか? その通りです。 なるほど、形状は四角だったのですね。 調べた書物には、電子線断面形状のことは記載がありませんでした。 非点収差の説明の項目などで、電子線の断面形状が楕円や円形で起債 されていたので、てっきり断面は円形なのかと思っていました。 (説明しやすくするために、円形を用いてた?) 謎が解けてすっきりしました、ありがとうございました。