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法と経済学・・・過失責任・無過失責任

法と経済学に関する質問ですが、過失責任と無過失責任のメリット・デメリットは何でしょうか?どなたか教えてください。ちなみに、過失責任主義とは「他人に損害を与えても、故意か過失がない限り、賠償責任を負わないとする立場」です。無過失責任はその逆です。お願いします。

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  • pippy
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回答No.1

題名に「法と経済学」とありますから、経済規制法分野に焦点をあてて説明します。 過失責任主義は、故意または過失が無い限り責任を負わせないとする立場ですから、自由主義経済と親和性が高いと言えるでしょう。 メリットは個人責任を明確にし、自由な経済活動を促進するという点です。 一方で無過失責任主義は、故意・過失がなくても責任ありとする点で、社会主義経済と親和性が高いと言えるでしょう。 メリットは自由な経済活動において、どのような注意義務をつくしても不可避とされる損害が生じた場合にも、これを補償させて被害者の救済に役立つという点です。 無過失責任主義は一見、故意・過失がなくても責任を課すという点で萎縮効果を生み出し、経済活動を阻害するかのように見えます。しかしながら高度な危険性を伴う経済活動は無過失責任を課すことで初めて社会のコンセンサスが得られて実行可能になるということもあります。この点で経済活動を促進するという一面もあります。 現在我が国では原発事故から生じた損害には無過失責任に近い原則がとられております(原子力損害の賠償に関する法律)。過失責任主義のもとでは原子力開発は到底推進することが出来なかったでしょう。 経済学の分野で純粋な自由主義や社会主義が否定され、修正資本主義が優勢をしめているのと同様に、法学の分野でも過失責任論と無過失責任論とが相互に補完しあって現在の経済活動を支えていると言うことができるでしょう。

参考URL:
http://www.normanet.ne.jp/~hourei/h147gR/s360617h147.htm
kairin1756
質問者

お礼

こんにちは。とても早く、丁寧に、わかりやすく教えてくださってどうもありがとうございました。おかげで大変助かりました。

その他の回答 (3)

  • Keronpa
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回答No.4

答えを書くのに自由主義云々は書く必要ないでしょ。 被害者=個人、加害者=企業っていう構図は マル経くさいというか、 必ずしも本筋と関係ないです。 加害者=企業というのも安直です。 無過失責任主義のデメリットはとりあえず 被害者側の過失が問われなくなることです。 交通事故で考えれば分かると思います。 まとにかくこのサイトに頼るよりも テキストを読んだ方がいいですよ。

参考URL:
http://www.nber.org/papers/w6960
  • daytoday
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回答No.3

 古典的な自由主義・資本主義経済を支える原理に契約自由の原則,所有権絶対の原則があげられます。  自らの持てる財を自由に使用,利用,加工などできることと,これを踏まえて他人に財を売却,貸借したり,サービスを提供することなどで経済活動が増大します。上述の2つはこの積極的な保証機能ということになります。  一方で,経済活動を行う上で一般的に必要な注意を払っていれば責任を問われることが無いという消極的な側面での保証がなければ,思わぬところで足をすくわれてしまいます。必要な注意を払っていたのに,損害を賠償しなければならないとなると活動を萎縮せざるを得ないことにもなります。  このように「過失責任の原則」のメリットは経済的自由競争の消極的保証機能です。逆に「無過失責任」は,この場合のデメリットと言い得ます。  しかし,近現代の経済活動は企業を中心としたものとに変貌し,財やサービスの提供は単純に1個人や1企業だけで賄われるものではなくなり,発生する損害は重畳的な責任が相まって生じることも希ではなくなりました。  このような場合に過失主義の原則を貫き通すと,被害者(個人であることが多い)が過失を立証することが極めて困難になり救済の途が狭くなり過ぎることにも繋がり,一方,企業側では損害への対応を経費で賄うことや財やサービスの提供を行うに際し,薄く価格転嫁することも可能であることなどから,利益あるところに損失も帰するべきという考え方が認知されるようになってきました。  これを全く認めない純粋な過失責任主義を採るとすれば,被害者救済上の上での大いなるデメリットと言えますし,逆に無過失責任であればこれに際してのメリットと言えます。  ただし,無限定に無過失責任へと拡大してしまえば,たとえ企業であっても防御の術を見失いかねないので(結果的に消費者全体が価格転嫁などの故に損害を被っている事態となったり,倒産などに繋がればかえって経済活動のマイナスとなってしまう),危険責任主義や報償責任主義の原理の下での立法措置を図ることが基本的に必要となります。

参考URL:
http://www.ne.jp/asahi/onuki/hiroba/bknumber/92kmkiyo.html
  • Keronpa
  • ベストアンサー率50% (5/10)
回答No.2

過失責任と無過失責任の比較って 不法行為の基本だったから本を読めば 書いてそうなものですが、うろ覚えで答えると、 (1)被害者にも加害者にも過失がない場合 (2)加害者にだけ過失がある場合 (3)被害者にだけ過失がある場合 (4)被害者にも加害者にも過失がある場合 で場合分けしてどちらの制度が効率的(動機適合的)か いえばいいんじゃないでしょうか。

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