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DACとサンプリング定理
不勉強なのでしょうが、サンプリング定理でいわゆるサンプリング周波数の半分までの原信号を復元できる、というのが数学的に証明されているのはよいのですが、 現実のDACにおいて、それがどのように実装されているのかが良く分かりません。 単にデジタル化された数値の電圧を次々に出力しているだけのように思えます。(よくある階段状の出力波のイメージのやつです。) また原信号の復元イメージを描いた図などでは、ある時点のサンプリングされた点の波形を再現するには、次の(未来の)点、さらに次の(未来の)点・・と、寄与は少なくなるものの、完全に原信号を再現するには、すべての量子化された点の情報が必要になるように思えます。 結局、サンプリング定理によれば原信号を再現できるが、現実には再現していないのではないか、と思えてなりません。 分かりやすい説明(イメージ的なものでもよいです)をしていただけると嬉しいです。
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- adenak
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元信号の2倍以上の周期でサンプリングされたPAM波をそのままLPFを通せば元の信号は復元出来るが、そのPAM波のレベルを16ビットあるいはそれ以上に変換する段階で必ず元のレベルとの誤差が生じるため復号化したPAM波は元のPAM波とは違ってしまいます。
- MrCandy
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No6です 質問者さんの引用されたサイト http://www.yobology.info/text/sampling_theorem/sampling_theorem.htm の標本化定理の式をそのままソフトウエア(ロジック回路でも可)で実行すれば、復元できるように思いますね。 引用サイトに書いてあるような、ローパスフイルタを使う、と言うような考えでは無理だと思います。 各サンプルリングデータを標本化関数(一種のSinc関数)に置き換えて、それをすべての標本点についてメモリにしまっておいて。全てのメモリの値を時間軸方向にずらしながらたしこんでい行く、と言う畳み込み積分を実行すれば実現出来るのではないでしょうか。 サンプリングデータを標本化関数に置き換えた時点で、各データは1/2Wに帯域制限されます。サンプリングデータで重みづけされた標本化関数を足し込めば元のデータが復元されるように思います。 例えば、前後1024(計2048)サンプリングデータを使って復元計算をする場合。4倍オーバーサンプルリングするとして、4倍の4096(計8192)の値を持つ標本化関数を計算しておいて。サンプルングデータ間の3つのデータを補完する場合、各点についてメモリの値をずらしなが常に重みづけされた8192個の標本化関数の補完点の値を足し込んでいくわけです。 そおすれば補完する3つのデータが復元できると思います。 こおいうやり方で波形の復元処理をしているCDプレーヤやDACがあるかどうは私には知識がありません、なにか問題があるのかも知れません。 いまあるCPUや画像処理プロイセッサーを使えばリアルタイムで問題なく計算できるような気がします。 いかがでしょう。
- MrCandy
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No6です まだ話の筋道が混乱しているようですが。 >こまりました。まず前回のお礼に書いたリンク先を読んでください。それで下から4つめのグラフ、青いたくさんの線と赤い1本の線のやつですが、これが正しく復元される信号の図(あるいはイメージ図)です。 この図の説明が正しいとして。この図には条件が付いています。下から4番目の図の上に >によって復元される連続信号は、W Hz 未満に帯域(幅)制限されており、一意的に元信号 を与える。 と書かれています。 実際の標本化されたデーターは前にも書いたように、無限の高調波(帯域)を持っています。数学的に言うと、違うものの図ではないでしょうか。 FIR型フイルタの作るプレノイズの説明は質問者さんのおっしゃるとおりだと思います。 この問題について最初の具体的な解決策を提案したのは、アメリカのオーデオ用DACメーカのWADIA社だったと思います。このDACと他のCDプレーヤとの波形比較データをステレオサウンドと言うオーデオ雑誌が掲載して、日本でFIRフイルタの持つ問題点が一般的に広まったと思います。25年近く前のことでしょうか。その後各種改良型フイルタが提案され、実用化されています。 どの方式も、フルタの肩特性をなだらかにして、プレノイズを小さくするが、折り返し歪の発生はある程度認める、というものだったと思います。 このFIRフルタの持つ欠点と、質問者さんが以前お書きのなった >もう1つは、各標本点からの寄与を足し合わせると、各標本点間の元信号の波形が再現される、ということ。 相容れないもののように思いますが、何か統一的な解決策とか説明、証明、などがあるのでしょうか。 一番現実的な解決策は、サンプリングレートを上げるこだと思いますが、いかがでしょう。
- MrCandy
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No6です No20のお礼について 話が混乱しているようですが。 >また言われているような現象は、プレノイズとして知られているようです。 これは昔、テープ式磁器録音やLPレコードの時代に話題になった問題で。テープをリールに巻いているので、テープの無音の所に隣のテープの音が転写されて聞こえてしまう、またLPレコードの場合隣の溝の音が聞こえてしまう(もしかするとテープの転写かもしれない)という現象でした。私が書いた疑問「今聞いているフルートの音が、1-2秒後に鳴るかもしれない(鳴らないかもしれない)、トライアングルの音やカスタネットの音の影響を受けて変化する。」とはまったく別の話ですね。 >CDの場合は未来の標本点の寄与が、すべて足せば無音になるものが、実際は有限個で演算を打ち切るために出てくるモノだったはずです。 これは何の話でしょうか?理解できません。そおいう話は聞いたこともないですし。
お礼
こまりました。まず前回のお礼に書いたリンク先を読んでください。それで下から4つめのグラフ、青いたくさんの線と赤い1本の線のやつですが、これが正しく復元される信号の図(あるいはイメージ図)です。青い線は、各データ値からの寄与で、その足し合わせたものが赤い線。各データ値は、1曲の全部のデータ値ですから、それらの寄与を全部足し合わせて、元信号を正しく再現できるということになります。 しかし実際のDACでアップサンプリングされる際、1曲すべてのデータ値からの寄与を計算などしていなくて、たいてい前後200個程度(これはFIRフィルタの次数で表されている値ですね)、CHORDのものでも前後1024程度の計算に留まっています。 それで、曲の頭の無音部分から曲の始まる部分を考えると、本来は曲が始まるまでは無音な訳ですが、上記のように200程度の寄与の計算だと、それ以外の部分で打ち消されるはずのものが残って音が出てしまう現象が起きます。 とはいえ時間にして1/400秒とか1/100秒程度の短い時間なので、本当に認識できているのかやや疑問な感じもしますが、世の中には”分かる”という人がいるわけです。 で、これをプレノイズと呼びます。 プレノイズというもの自体には、本来の音がする前に何らかの音がするという意味で、その原因は言葉としては問わないものでしょう。ですからマスターテープの電磁転写によるものだとか、レコードの隣の溝の歪みだとか、プレノイズの原因は多岐に渡ります。上記のDACによるプレノイズも、それらプレノイズの内の1つです。
- MrCandy
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No6です No19のお礼を読んでいて気になったのですが。 >もう1つは、各標本点からの寄与を足し合わせると、各標本点間の元信号の波形が再現される、ということ。 これは、標本化定理で説明されたり証明されたりしているのでしょうか? 現実的に考えて、CDで音楽を聴いているとき。 今聞いているフルートの音が、1-2秒後に鳴るかもしれない(鳴らないかもしれない)、トライアングルの音やカスタネットの音の影響を受けて変化する。と言うのは理解しがたい感じがします。 何か別の意味でしょうか?
お礼
実はちゃんと数式を追って定理を理解していないので、間違えているかもしれませんが、 何度も書かせて貰っている以下のサイト http://www.yobology.info/text/sampling_theorem/sampling_theorem.htm の説明からです。下から4つ目のグラフの、青いたくさんの線と赤い線のやつの説明です。 これの説明は、FIRフィルタの動作と一致しますので、オーバーサンプリングは標本点が無限ではなく有限個の寄与ですが、その程度で正しいと考えています。 また言われているような現象は、プレノイズとして知られているようです。本来無音部分の、演奏が始まるほんの少し前に音が聞こえる現象です。レコードのそれとCDのは原因が別なのですが、CDの場合は未来の標本点の寄与が、すべて足せば無音になるものが、実際は有限個で演算を打ち切るために出てくるモノだったはずです。未来の音が聞こえるというのはおかしな現象なのですが、そういうことのようです。
- MrCandy
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No6です >いまのDACの、隣り合うデータ点を階段状の波形で表してローパスフィルタを通せば「元の波形が再現される」というのは、サンプリング定理もそのような事を言っていない大嘘です。 これは標本化定理の説明するところから言って嘘と言うわけではないですよ。 標本化定理では「各標本点の値は元信号の情報を完全に持ている。」と説明しています。 時間軸上の各標本点のDACの出力信号は完全な元信号の情報を持っているわけです、CDの場合は16ビット精度の情報です。電気的に考えて何が問題かと言うと高調波成分も同時に含んでいる、と言う所が問題になります。 普通のDACの出力信号は各標本点の信号をサンプリング周期分だけ保持した形になっています。この場合、階段状のガタガタが高調波成分になります。このガタガタの中に元信号が混じっているわけです。 周波数特性的に考えてどうなるかと言うと、階段を作っている矩形をフーリエ変換して出来てくる、一種のローパス特性のフィルタになっています、形は周波数軸上みてSINC関数になります。 普通のDACの出力は元信号の情報をほぼ完全に持っているけれども、高調波成分もある程度持っている、と言う状態だと思います。 オーデオ的に考えれば、もし20KHz以上の信号に反応しないスピーカ(シングルコーンのフルレンジスピーカとか)があれば、完全に元信号を復元した音を聞けるのではないかと思います。 想像ですが、 192KHzサンプルリングのデジタルデータなら、高調波成分は192kHzの周辺およびより高い周波数の所にあるので。また、DACの階段波形特性により高調波はかなり減衰しているはずなので。トランス出力式の真空管アンプに直接DACの出力を入れてスピーカを駆動すればほぼ元信号を復元した音を聞けそうな気がします。 もちろん、この想像、アンプやスピーカの歪については考慮していませんが。
お礼
いつもありがとうございます。 「各標本点の値は元信号の情報を完全に持っている。」というのは、次の2つの意味で正しいです。 1つは、元音声の波形は必ず各標本点を通る、ということ。(帯域制限された、とか量子化誤差は置いて) もう1つは、各標本点からの寄与を足し合わせると、各標本点間の元信号の波形が再現される、ということ。 この2つは、似ていて少しことなることは分かると思います。 これを混同してしまうと、2点の値から2点間の元信号の波形が再現される、という間違えた認識が生まれてしまいます。「各標本点の値は元信号の情報を完全に持っている。」というのは、このような意味ではないですし、標本化定理も「2点の値から2点間の元信号の波形が再現される」などということは言っていないのです。 簡単な思考実験をすれば、同じ値の2つの標本点があれば、今のDACでは真横に平らな波形を出力します。しかし、その同じ値の2つの点の、次の標本点が、2つの同じ値より上か下かで、3点を通る元信号は変わります。2つの同じ値の間の波形も、次の標本点の寄与で山になったり谷になったりすることが分かると思います。つまり今のDACが出力する真横に平らな波形は、元の波形とは全く異なるものなのです。 もちろん、今のオーバーサンプリングは、前後の寄与からある程度元の波形に近いデータ点を算出していますので、全く異なるというのは言いすぎかもしれません。また、言われるように元データのサンプリングレートが高くなればそれだけ(20kHz以下の)元の波形の再現は容易になりますね。 ローパスフィルタも、言われるように原理的・物理的なものを使うのも良いかもしれませんね。スピーカー(ツィーター)も振動版という物理的な運動の制限によるローパスフィルタになるでしょう。アパーチャ効果などもありますね。なにより人間の耳が20kHzより上が聞こえないので、出ていても問題ない(影響ない)とも言えます(私は最近こう思っています)。 しかし、CD=DACが生まれてから30年。いい加減、技術的に成熟してもいいようなものですね。PCなんかどれだけ変わったことか・・
- MrCandy
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No6です、 質問者さんが引用されたサイトに復元できない理由が既に書いてありますね。 http://www.yobology.info/text/sampling_theorem/sampling_theorem.htm 下のほう、 >によって復元される連続信号は、W Hz 未満に帯域(幅)制限されており、一意的に元信号 を与える。 実際の標本化された信号は物理的と言いますか電気的に言うと幅のない信号(デルタ関数)なので無限の高調波(無限の帯域)を持っています。 http://www.gem.hi-ho.ne.jp/katsu-san/audio/next_gen/alias/aliasing.html 質問者さんの引用サイトで下の方に書かれて事柄は、これまで試行錯誤的に実用化されてきた、なだらかな減衰周波数特性を持つFIRフイルタの一種と思われます。黄色いグラフもある特定の条件の信号を大まかに復元して見せたものにすぎません。CDの精度16ビットで完全に復元しているかどうかは不明です。折り返し歪みについては何も触れていませんし。 このなだらかなFIRフイルタは高調波を分離出来ないので、たとえば連続正弦波信号を復元しようとした場合、元の波形とは違った信号が復元されてしまいます。この現象は私の引用したサイトの5図、6図に描かれています。30年近く前から議論百出だった出来事です。 完全に近く復元するためには、信号の帯域とサンプリングレートの比を大きくすれば良い話なので、ハードウエアの性能が向上している現在。96KHzとか192kHzでのデジタルレコーディングとか、2.8224MHzサンプル値のSACDで実用上は一件落着というところではないでしょうか。私には44.1KHzの普通のCDでも十分良い音に聞こえます。
お礼
いつもありがとうございます。 波形の復元については、計算量の問題で多少時間が掛かってもよいのなら、サンプリング定理に従った計算によりかなり精度のよい復元波形を算出できるのだろうと思います。又々CHORDで申し訳ありませんが、これが1024のデータ点から2^10のオーバーサンプリングをしていて、これで2データ点間を1000以上の点々で表すことになるので、これはサンプリング定理にある程度従ったそこそこ良い再現になっているはずです。 また言われるように、元の音源のデータ量を増やせばそれだけ元波形の再現率は高くなるでしょう。もっとも規格が普及するかどうかのほうが問題ですが。 何度もオーム返しになってしまいますが、いまのDACの、隣り合うデータ点を階段状の波形で表してローパスフィルタを通せば「元の波形が再現される」というのは、サンプリング定理もそのような事を言っていない大嘘です。しかしこれを信じている人が多いように思います。 実際はどんな波形といえるのでしょう・・階段状の波形の角を丸くしたような、くねくねした階段状の波形が出力されるのでしょうか?・・もう少し違う形になるような気がしますがw 話は変わりますが、元の波形は帯域制限により隣り合うデータ点の間に変曲点は1つ以下しかないということから、ベジェ曲線のような感じで、未来の20~30個(もちろん200個程度でもよい、これは今のFIRフィルタ程度の数ですね)のデータ点から、ある程度再現性の高い元波形が算出できるだろうと思うのですが、どこもやりませんね。 もしかしたら私が知らないだけで、IIRフィルタなどがそのような動作になっていたりするものがあるのでしょうか・・。
- MrCandy
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No6です、 ずいぶん長い期間のRESになっていますが。 サンプリング定理では、連続したアナログ信号をサンプリング(標本化)するとき、元信号の情報を全て取り込める条件しか説明していないのに。 なぜかそこから、「原信号を再現できる」と言うことまで保証されているかのように、「サンプリング定理」と言う言葉が使われてしまっていることが問題ではないでしょうか。
お礼
回答ありがとうございます。 ひとつ訂正させていただきたいのですが、サンプリング定理は数学です。これは原信号が再現できることまで保証されています。数学というのは、信じられないかもしれませんが、絶対に正しいことしか正しいと言わない学問なのです。そこは間違わないようにお願いします。 私が最初のころに参考にしたサイト http://www.yobology.info/text/sampling_theorem/sampling_theorem.htm の下のほうに「赤色のカーブは元信号でもあり、青色のパルスを重畳した復元信号でもあります。 両者はぴったり一致します。」という説明が図とともにあります。ここだけではどのように復元信号を再現したのか分からないのですが、その方法自体は確立されているように読めます。一番下のも「実際に復元した結果を下に示します。」「赤い細線は元信号、黄色の太線はロールオフフィルターで復元した結果です。」と復元しているように書いてあります。 これから考えるに、私やNo.6さんや他の方が知らないだけで、信号の復元の方法は確立されているのではないでしょうかね? というかこのサイトの方に聞くべきような内容ですね、すみません。 結局のところ、私の理解は「DACが定理に従った再現をしていない」というところで止まっていますが、違いますでしょうかね?
- caudchy
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No.13です。 しつこいようですが, 再度説明します。 まず, 数学の定理というのはどんな簡単なものであっても厳密に仮定を必要とし, その仮定に合わせて証明がなされます。同じ名称の定理でも仮定によって結論 (というか定理自体) が異なる場合がありますので適用には注意が必要です。 そして, 仮定が満たされる限り必ず定理の結果が従います。 サンプリング定理 (ここでは Wikipedia で示されているものを考えます。) については, 命題自体の, フーリエ変換後のスペクトルという部分はおそらく外せない仮定です。 これにより, 定理は x = 0 におけるスペクトルの族に関するものでありこれが時間とともに変化するというのは意味を持たない, ということが導かれると思います。 (更に, フーリエ級数を用いて証明できる定理は当然フーリエ級数に要求される仮定を満たす必要があります。) ひょっとしたらフーリエ級数と関わらない表現のもあるのかもしれませんが, その場合でも, 音楽信号をフーリエ変換しスペクトルに分解できるという前提が無ければAD・DA変換と結び付かないので, この場合も音は変わらないと仮定して良いことになります。 次に, 「 t = T のときと t = T + α (上記では t ではなく x ) のときに…… 」と いう部分は数学以外の方にはわかりにくいのかもしれません。 要するに, あるファイルが時刻 T のときに定理を適用でき元のスペクトルを再現しているとしても, 時刻 T の次の点で元のスペクトルを再現しているとは限らない, ということです。 直感的な説明: 時刻 T でのスペクトルを再現するのに n + 1 個のデーター ( t = T , T + 1 , … , T + n における値) が必要だったとすると, 時刻 T の次の点では n 個のデーター ( t = T + 1 , … , T + n における値) は既に定まっているので, これによりスペクトルの一部が制限されてしまいます。 定理からの説明: 証明では時刻 0 におけるスペクトル再現のために, 点 n について -∞ から ∞ までの総和 (Σ) をとっています。ということは, ±∞ + T = ±∞ + T + α = ±∞ なので, 同じデーター (ファイル) を使う限り 時刻 T でも 時刻 T + α でも同じスペクトルしか得られません。(要するに音が途中で変ると定理が成り立たないわけです。) 尚, 冒頭に述べたとおり, サンプリング定理の仮定が成り立っているのに現実に再現しないということはあり得ません。現実に再現しないのであれば仮定が満たされていないということです。 最後のアップサンプリングについてですが, サンプリング定理とは基本的には関係ありません。フィルターさえ理想的であれば, (サンプリング定理の仮定を満たしている限り) アップサンプリングなしでも元信号が再現されます。 一方, τ秒先読みして元信号を計算により求めたとすると, τ秒先の音の変化に影響されてしまうこととなりますし, そもそも, 有限個のデーターで一部にせよスペクトルが再現できる保証はありません ( Wikipedia で示されている定理を見る限り)。 尚, 2倍アップサンプリングだからといって2点の中間点の値とは限りません。推定にせよ元信号計算にせよ, 参照する点が4つ以上であれば, 2点の上下にはみ出すことは充分にあり得ます。(たとえば / \の真中。) 学部生だったのは昭和末期で, 以来数学とは離れてしまっているのでうまく説明できませんが, 工学部や物理学科ではなく数学科の出身者にお聞きになることをおすすめします。
お礼
お返事ありがとうございます。 仮定というのは、例えば数学の背理法で証明したい命題に反することを”仮定”しておき、これから矛盾を導くことにより仮定を否定し命題を証明するのに使うものです。おそらく仮定ではなく前提や条件といった言葉がふさわしい意味で使用されているのだと思いますが、言葉の使い方が非常にあいまいで数学を語るにふさわしいか判断に迷います。 サンプリング定理はフーリエ変換なしに成り立ちます。フーリエ変換もサンプリング定理なしに成り立ちます。この2つは関連しません。数学の証明に「おそらく」などありません。 t = T + α の話は正直不明ですが、結論の「要するに音が途中で変ると定理が成り立たないわけです。」をみるに、サンプリング定理が定常波でしか成り立たないものであるとの誤解に基づいた話をされているようにしか見えませんが、違いますでしょうか。 最後にアップサンプリングの話ですが、「フィルターさえ理想的であれば元信号が再現されます」というのは私が前の書き込みで指摘した通りオーディオ業界のエセ科学理論です。これはサンプリング定理とは似て非なる話です。サンプリング定理ではアップサンプリングなどなくても元信号は再現されます。しかしフィルター(という帯域制限)をかければ元信号が再現されるという魔法のような話は、何度も書きますがオーディオ業界が吹き込んだでたらめです。 あと「2点の中間点の値とは限りません。」というのはFIRフィルタによるアップサンプリングを少し理解してから書き込んでください。データ値をその2つの中間値とすると言っているのではありません。時間軸上の中間点に値を入れるという話で、その値を決めるのに前後100なり500なりのデータからの寄与を算出して決定しているのです。その寄与の計算はサンプリング定理の元信号を再現する計算と同じロジックです。ただし完全な再現には前後無限大の数のデータの寄与を計算する必要があるのを100とか500とかで済ましているので、当然その分の誤差がでるという話です。 数学の理論を工学の実物で再現するにはそこに様々なギャップが生じます。私が最初から言っている、DACがサンプリング定理に従っていないのではないかという疑問はここに行き着きますが、数学者は実際のDACがどのような動作をしているかなど興味がないものです。
- caudchy
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No.13です。 先程の投稿時見落としてましたので追加します。 アップサンプリングについて, 誤解があるのではないかと思います。 アップサンプリングは直接はサンプリング定理と関係無いと思います。 アップサンプリング時に先読みすることからそう思われたのかもしれませんが, この先読みは原波形を推定するための手段であり, 値の単純な n 等分で直線的に補間するのではなく, なめらかに補間しようというものです。 ですから, 推定方法により出力波形は異なります。(いわゆる「○○向きの音」という原因になります。) サンプリング定理が成り立っている時, DACが先読みするのではなく, 再生の結果元の音が認識されるのは事後になります [No.13 ii)] 。
お礼
お返事ありがとうございます。学部生さんなのですね、おそらく工学部でしょうか。ΔΣ変調は学生時分に創られたと聞きました、頑張ってください。 何点か根本的な誤解を指摘しなければなりませんが、気を悪くしないでください。 まずフーリエ変換ですが、これはサンプリング定理とはまったく関係ないものですので、 「t= 0 の近傍でしか成り立たない」とか「一定区間で同じ音が続く」などという話とは無縁に成り立ちます。 「標本化定理の証明」の12~13行目で,」と書かれていますが、これは「フーリエ級数を用いて簡単に証明する」ためのもので、標本化定理そのものの証明に必要不可欠なものではありません。 「定理では, t = T のときと t = T + α のときに同時に (同じサンプリングデーターで両方のときに) 入力信号を再現できるとは保証していません。」 書かれている内容が不明ですが、サンプリング定理は再現を保障するものです。現実に再現されているかは別ですが。 # サンプリング定理を疑うのでしたら、数学関係に詳しい方と話されるのがよろしいと思います。指導教官などに話してみられると喜ばれると思いますよ♪ 「アップサンプリング時に先読みすることからそう思われたのかもしれませんが, この先読みは原波形を推定するための手段であり(ry」 アップサンプリングは、前にも書きましたがサンプリング定理に従っていないと何を復元しているのか不明になってしまいます。サンプリング定理が前後無限長のデータ点から元波形を再現できるのに対して、高だか0.1秒程度のデータ点からの再現になるので精度は高くないかもしれませんが。(さらに量子化誤差の問題も再現にはからみますが、これは別問題。) さらに2倍のアップサンプリングではデータ点の中間点の値のみを求めることになるので、データ点間の波形を再現するサンプリング定理のそれとは別物に感じるかもしれませんが、2倍のアップサンプリングでやってることはサンプリング定理で求まる元波形の中間点の値のみを求めることに他なりませんから、サンプリング定理に従っていると言えるでしょう。
お礼
お返事ありがとうございます、まとめて返答させていただきます。 >>実際の標本化されたデーターは前にも書いたように、無限の高調波(帯域)を持っています。 この辺りが認識が違うのでしょうか。 1、標本化定理からは、標本化されたデータと帯域制限により元信号が得られる。これは具体的には、標本化された各データからsinc関数による寄与を足し合わせることによって算出される。(このとき無限の高調波は出てこない。) 2、DACの出力は(標本化定理とは関係なく)標本化されたデータから階段状の信号が出力される。これには無限の高調波が含まれるが、そもそもこの出力波形は標本化定理に従っているものではない。 私はこのような理解をしていますが、どこか間違えているでしょうか。 >>相容れないもののように思いますが、何か統一的な解決策とか説明、証明、などがあるのでしょうか。 相容れないもののように思われているところがどこなのか、ちょっとわかりません。すみません。 最後にこの回答についてですが、私はあまり現実的にそれをどのように実現しているかという部分には関心を寄せていませんでして、原理的な部分が正しいかどうかを知りたいと思っています。