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誘導電動機の負荷特性について、発生動力(出力です)とトルクを測定し、横
誘導電動機の負荷特性について、発生動力(出力です)とトルクを測定し、横軸を滑りにしてグラフを書きました。すると、発生動力は滑りが0.3付近で最大になり、トルクは滑りが0.6付近で最大になりました。 個人的には、トルクが最大のとき、発生動力も最大になると思うのですが、どうして、発生動力とトルクのピークが一致しないにでしょうか? 教えてください。
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誘導電動機の負荷特性をグラフ化します。 横軸(X軸)が回転速度N(0~1,500または1,800[r/min])、極数が4極の場合) 縦軸(Y軸)がトルクT(%または実測した数値) とします。 回転速度は負荷特性を取得した際に計測しているす思いますので、その数値 を使います。 この数値により「回転速度N-トルクT特性」をグラフ線として描きます。 標準誘導電動機の場合「馬の鞍に似た形状」のグラフ線になると思います。 次に誘導電動機の出力について考えます。 誘導電動機の出力P[W]は次により計算できます。 P[W]=ω×T P[W]=2×π×N[r/s]×T[N・m] P[W]=2×π×N/60[r/min]×T[N・m] P[W]=(2π/60)×N[r/min]×T[N・m] この式から 横幅が回転速度Nの値 × 縦(高さ)がトルクT[N・m]の値 とした面積が誘導電動機の出力P[W]に相当することが判ります。 始動後、回転速度が上昇しますと、トルクが大きくなって最大トルクとなります。 さらに回転速度が上昇し、最大トルクを超えるとトルクは右下がりに変化し、 トルクが小さくなっていきます。 回転速度がさらに高くなり、負荷トルクと誘導電動機の出せるトルクと一致した 交点で連続運転に移行します。 即ち、 ・トルクが最大の時、誘導電動機の出力が最大になるのか? ・最大トルクを少し超えて小さくなるが回転速度が上昇するので、誘導電動機出力 としては大きくなるのか? この問題についてはグラフの面積を検討することにより、どの回転速度の時、 誘導電動機出力が最大になるのかが判定できると思います。 この最大出力については、誘導電動機の機種や容量(出力)、極数などの特性により 異なりますが、実用上問題になるようことは殆どないと思います。 なお、各測定値に運転電流も同時に測定します。 運転電流は始動時に、最大(定格電流の5~6倍)で、加速して回転速度が上昇するに つれて減少して行きます。 運転電流もグラフ化しますと判り易くなりますが、負荷トルクが定格トルクの時の 運転電流が定格電流と言うことになります。 また、負荷トルクが定格トルクより大きい時は回転速度の上昇が抑えられ(滑りが 大きい状態)、定格電流より大きな運転電流となります。 逆に負荷トルクが定格トルクより小さい時は回転速度が上昇し(滑りが小さい状態) 定格電流より小さな値になります。 運転電流が定格電流を超える状態では誘導電動機が過熱焼損する恐れがあります ので、短時間運転とするなど、充分な注意が必要です。
お礼
とても、わかりやすい説明をありがとうございます。 おかげさまで、助かりました!!