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蒸気発電の臨界超えがなぜ必要か、また蒸発熱は回収されているか
蒸気発電で臨界温度(220気圧以上374℃)を超えると効率が大きくなるという説明をよく読むのですが、この理由がわかりません。 高温高圧がいいのはわかるが、なぜ臨界点なのか。 水蒸気表を見ると、20から50気圧で210から270℃の付近が最大エンタルピーとなり、臨界点はかなり低いエンタルピーにあります。 臨海を越えて気化し膨張させたところで、そのエンタルピーが低いので、膨張したとたんに液体に戻りそうです。 その凝縮熱が残りの蒸気に伝えられて、より低い温度・圧力で膨張し続けると考えても、そのより低い温度・圧力位置から始めることと大差があるようにおもえません。 それと、わたしの計算では、240気圧から1気圧まで膨張する体積仕事は、近似計算で670J/g足らずで実際はこれより低いでしょう。 一方100℃で水の持つ蒸発熱は2300J/gなので、膨張して100℃に下がった時点で約80%のエネルギーが残っているはず。 これでは、蒸気発電の効率の40から45%は出るはずがありません。(わたしの計算間違いでなければ) これから考えると、タービンの始めの方の高温高圧部で発生した運動エネルギーが出力の大きな比重を占め、その後多くが液化して蒸発熱をキャンセルする、と想像します。 しかしまた、実際の蒸気発電は240気圧・600℃近い温度で運転されているはずで、これからすると、100℃までの温度差500℃×水蒸気比熱約0.25×約4=500J/gぐらいのエネルギーを余分に水蒸気がもっていることになります。 水蒸気表で見ても、その条件だと100℃のときのエンタルピーに対して7から800J/g余分にもっています。 これだと、仕事量がエンタルピーを減らしても液化が起きないことになり、蒸発熱2300J/gは不使用のまま残ります。 どっかで知識が混乱しているのかもしれません。 大ざっぱに言って、 エンタルピー変化=(定圧の)内部エネルギー変化=温度エネルギー-外に出した体積仕事エネルギー、だと思っているのですが。(この理解と膨張仕事量計算が共に間違っているのか、という気になってしまいます。) はたして、どうなのでしょうか?
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- ohkinu1972
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蒸気タービンサイクルは普通は臨界点で設計せず、過熱状態で設計します。 私の認識では、超臨界圧とは、高圧を求めた結果に過ぎず、 超臨界で効率が上がるわけでは無いと思っています。 また、水蒸気表で20から50気圧で210から270℃の付近が最大エンタルピーとは、 飽和蒸気の場合かと思います。 過熱蒸気の場合はその付近で最大ということはありません。 タービン内ではおっしゃるとおり蒸気はどんどん凝縮し、 湿り度が上がって行きますが、 基本的には、気化潜熱は復水器で捨てられます。 実際の機械ではそれはもったいないということで、再生や再熱を取り入れて効率を改善しており、 再熱なしでは40~45%は難しいと思います。 エンタルピ落差の考え方はおっしゃるとおりでいいと思いますが、 実際のランキンサイクルに対する理解が不足している様に思われます。 熱力学の教科書などで確認されることをお勧めします。