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励起状態への遷移について
レーザー媒質が励起状態から自然放出によって基底状態にもどる原子の様子はexp(-t/τ)の形になりますが、逆に吸収によって励起される場合(励起強度Pをt<0でP=0、t>=0でP=P0とする)、その遷移過程は同じくexpの形になるのですか。
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- nzw
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回答No.1
励起はexpの形になりません。 レーザーの理論を習われた時に、自然放出と誘導放出を習われたかと思います。励起は、誘導放出と密接な関係にあります。二準位系にその準位間隔に一致する電磁波を照射すると、系は基底状態と励起状態の間を周期的に行ったり来たりします。これをラビ振動と呼びます。二準位系の吸収は、たまたま基底状態にあった系が、電磁波により励起状態に行く過程です。系がたまたま励起状態にあれば、同じ電磁波で放出過程が生じます。誘導放出とは、先に励起状態を作り出しておき、そこに電磁波を照射することで生じる放出過程のことです。 このように、単純な二準位系に電磁波を照射しても、励起状態を多数派にすることはできません。このような状態をつくるには、自然放出同様の、散逸過程(不可逆で系がより安定な方向に向かうような過程)が必要になります。光ポンプによるレーザー発振には、必ず3つ以上の準位が必要であると学習されたのではないかと思います。これは、励起状態を多数派にする(いわゆる反転分布をつくる)には、基底状態から準安定状態へ遷移させ、準安定から励起状態への散逸過程による遷移が必要だからです。
補足
nzw様 早速のご回答ありがとうございます。 ご説明いただいた用語を用いれば、三準位レーザーにおいて励起状態にある原子はほうっておけば自然放出寿命で基底状態に落ちますが、基底状態にある原子が(吸収が起こって)準安定状態へ遷移するのに、t=0から励起し続けた場合、準安定状態にある原子数はどのような時間変化をたどるのかを知りたいのですが、それがexpではないという理解でよいでしょうか。 また、それは具体的にはどのような時間変化になるのでしょうか。 ご回答いただければ幸いです。