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断層について

論文を読んでいてちょっとわからなかったのですが 「断層幅が上限に達している」 ってどういう状態ですか? 上限に達している場合と達していない場合の違いってどんなことでしょう?? どなたか教えてください。

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  • kabo-cha
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回答No.1

地球は内部にいくほど温度が高くなるということはご存知でしょうか?世の中のものは基本的に熱いものほど柔らかくなります。ということは、地表面では堅い岩も、地下深くでは柔らかいのです(地学的時間スケールで考えた場合。人間的感覚では地下深くの岩も堅い)。 堅いものを圧縮したり引っ張ったりすると、バキッと割れたり折れたりしますが、柔らかいものはいくら圧縮してもぬるぬる~としか変形しません。これを地球に当てはめると、地表近くでは断層が生じるが、地下深くでは断層は生じ得ないということになります。 一般に、内陸部(沈み込むプレート以外の場所)では、断層ができるかできないかの境目は深さ20km程度と言われています。深さ30kmの直下型地震というのは極めて稀です。 そしてプレート内や地殻内の断層は、特殊な衝上断層を除けば、角度(dip角)はほとんど45~60°内外です。横に寝たような断層はほとんどありません。 以上のことから、内陸の地殻内での断層幅は、せいぜい20÷cos45°、すなわち30kmに満たないくらいに制限されることになります。 中央構造線や糸魚川-静岡構造線、スマトラ断層、北アナトリア断層といった世界に名だたる断層でも、20km以深では温度が高すぎて断層たり得ない(剛性的に振舞えない)ので、断層幅もせいぜい20~30km程度になっていると考えられています。 モーメントマグニチュード(Mw)7.0クラス以上の直下型地震ならば、地震断層は幅方向の上限に達し、もう長さを長くするしか広がりようのない規模になってきます。これが断層幅が上限に達したと推定される状態です。 要するに剛性的に振舞う地殻を断層で完全に断ち切ることになるので、地震後の地殻変動(余効変動)を詳細に観測することで、断層幅が上限に達したかの判断も可能です。

k8020f6891
質問者

お礼

大変詳しい回答をありがとうございます。 すごくわかりやすくて参考になりました。 どうもありがとうございました。

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