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光ファイバ、クラッドはなぜ必要?
光ファイバに関する質問です。 もしかするとかなり基本的なことかもしれないのですが、光ファイバになぜクラッドが必要なのか、いまいちわかりません。 空気はクラッドよりも屈折率が低いので、クラッドがなくてもコアと空気の境界で全反射するような気がします。 しかも最近は空孔アシスト型光ファイバなるものもあり、これはわざわざクラッドに穴を空けて空気との屈折率差でNAを上げています。空気で屈折させるのであればそもそもクラッドは何のためにあるのでしょうか? http://times.ansl.ntt.co.jp/gijyutu/2006_04/Topic_01/01.html (できれば専門家の方)よろしくお願いします。
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クラッドがないと 光ファイバーのコア部が丸出しで強度がなく直ぐ折れる、ショックで断線する、劣化しやすい、周辺の状況(被覆や空気中や水漏れに浸ったり、接続部でむき出しになったりとぐろ巻きして隣のファイバー(同じ屈折率)と接触し光が漏洩するなど)の影響を受け均質な光特性が保証できない、接続時の芯線(コア)合わせが正確に出来ない。などの弊害がでます。 クラッドなしだと、隣の光ファイバーと接触すると屈折率が同じなので全反射せず、隣のファイバーに光が移ってしまい混信がおこる。 露結による水滴や水没でクラッドなしファイバーに水滴が付いた時、コアの境界面で全反射が保証されません。 また、光ファイバーの製造工程で、クラッドなし光ファイバーでは数μmの直径になるので、強度がなく、引っ張って細くする過程での破断や、巻き取り時や被覆の装着時に破断・線同士の絡まりが非常に発生しやすいので、不良率が高くなる。取り扱いが困難(非常に細いので蜘蛛の糸を扱うような感じになる。) 通常のクラッドあり光ファイバーだと直径125μm(0.125mm)、コア部だけだとさらに細く6~9μm(0.006~0.009mm)と極めて細いで、コアだけの細いファイバー専用加工治具の製造が困難で精度が要求されるので現場(電柱の上でのファイバー接続作業)で使えなくなる。 参考)髪の毛の太さ;剛毛と繊細な細い毛では太さ(直径に差がある)は0.05~0.15mm。日本人の平均で0.07mmくらいで、クラッドつき光ファイバーで0.125mm、コアだけのファイバーだと髪の毛の平均の1/10位の太さになります。コアは石英ガラスで非常に硬いのでちょっとしたショックや折り曲げで破断しますので、髪の毛のように折り曲げが出来ません。 また、クラッド付き光ファイバーなら加工時に先端を特殊ピンセットで掴みやすいですが、クラッドなしファイバーだと、電柱上などの足場が不安定で風が吹く現場作業で先端をピンセットで摘んで融着治具にセットしたり先端にコネクタをつける作業が極めて困難になります(現場では100本~1000本規模のファイバーの接続作業が行われ、断線の発生とファイバーの選別して摘む作業効率の悪さがクラッドなし光ファイバーには付きまといます)。 など色々な理由で実用にならないということです。
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- angkor_h
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光ファイバのクラッドは、光をファイバ内で中心方向に戻し、その経路と中心直進波経路との道のり差を短縮(分散防止)し、また臨界角~それ以下に依る光損失の防止もしています。 従来クラッドは、ファイバーの中心より周囲で屈折率を低くする(中心の屈折率を高くする)方法でしたが、新技術はそれを、ファイバ内周囲に空間を設けてより大きな屈折率の差を確保した、という、同じ目的です。 >(できれば専門家の方)よろしくお願いします。 であれば、直接先生に(教授を捕まえて)聞いてください。
お礼
回答ありがとうございました。
お礼
回答ありがとうございました。強度的なことや、他のファイバとの干渉などの実用的なことで問題があるのですね。 非常に参考になりました。