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フィードバック制御系の安定性(位相余有)
フィードバック制御系の安定性判別に用いられる位相余有について,質問があります. 開ループ伝達関数のゲインクロス周波数(ゲインが0dbとなる周波数)において,位相が-180度以上だと,負帰還フィードバック系が安定化します. 逆に,ゲインが0dbの周波数で,位相が-180度だと,ポジティブフィードバックとなってしまい,系が発散する. というのは,理解しています.しかしながら, ・ゲインクロス周波数より低い周波数領域で,位相が-180度かそれ以下 →ゲインクロス周波数近傍では位相が-180度以上 →それ以上の周波数で再び位相が-180度以下になる のような系でも,負帰還フィードバック系にすると,安定化する場合があります.例えば,GH = 0.1*(4s+1)/s^2/(0.1s+1)/(0.2s+1)のような一巡伝達関数が挙げられるかと思います. しかし,上記伝達関数では,ゲインクロス周波数より低い帯域では,ゲインが0dB以上にもかかわらず,位相が約-180度の領域が存在します.この領域では,ポジティブフィードバックになってしまい,系が発散してしまうと思うのですが,なぜ,安定化するのでしょうか? ナイキストの安定判別法などは一通り理解しておりますが,感覚的にわかるように教えていただけるでしょうか? よろしくお願いします. なお,似たような質問を見つけましたが,納得のいく回答が見つかりませんでした. http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3024501.html http://oshiete1.goo.ne.jp/qa2764801.html
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>負帰還の「パラドクス」ですか…。 今ごろ、ご質問の核心が見えてきました。 閉ループに制御機能が無ければ、単なる演算器なので、ループ信号は発散してしまいますね。 オペアンプなどを使って制御機能をもたせないと、たとえば -A(x+Ay) = y を満たすループは実現できない、ということなのでしょう。
>たとえば,ω=1のとき,利得が20dB,位相が-180度の一巡伝達関数があったと仮定して,これを負帰還する場合を考えます. >入力信号の大きさが+1だと,出力信号は-10,これを負帰還すると,(+1 +10)=+11の信号がシステムに入力されるので,出力は-110,...以後発散となる気がします. 負帰還の「パラドクス」ですか…。 単純に、一巡伝達関数を -A (実数) として閉ループ伝達関数を見ると、 減算出力では、1/(1-A) 減算出力では、A/(A-1) だから、発散するのは A = 1 のときだけ。 たぶん、1/(1-A) = (1+A+A^2+ .... +A^n)/{1-A^(n+1)} が、A≠1 のときのループ循環なのでしょうね。
当方、「ナイキストの安定判別」をグラフ化できる環境じゃありません。(使わないので) ので GH の Bode 線図から Nyquist 線図をイメージしてみましょうか。 まず Bode 線図。 ωを +0→+∞と増やした場合、 dB カーブは、-20 dB/decade の右下がりで、途中に 2 つの極で踊場があり、また右下がり。 deg カーブは、-180 度から、一旦 -120 度まで増えてから右下がりに転じ、-270 度へ達してフラットになる。 Nyquist 線図のイメージ。 複素平面の第三象限 -180 度の無限遠点から第二象限の -120 度まで行き、ふたたび第三象限へ戻って原点に到達。 その間、-1 の点は Nyquist 線の下になる。 ω -∞→-0 の Nyquist 線は、実軸に対し +0→+∞のものと上下対称なカーブ。(complex conjugate) ↓ 難問は s=0 (原点)の近傍で、原点を避け近傍半円を半周たどるのが定石。 ↓ 参照ページ http://mop.fya.jp/class/nyquist/nyquist.pdf >虚軸上にF(s) の極および零点がある場合(図6) / 定理2 (Nyquist の安定判別法) 結局、Nyquist 線図は -1 の点を 2 回時計回りします。 この回数が原点極の重複度と一致してるので「負帰還閉路は安定」というのが「Nyquist の安定判別法」による結論ですね。
フィードバック系の安定性を決めるのは閉ループ伝達関数の極ですから、直接 1+GH の極を求めてしまうのが実戦的ではあります。 開ループ伝達関数の段階で安定性を検討するには、まずそれが s = -1 を通らないことを確かめるのがふつう。 GH (jω) のゲイン 0dB 、位相 -180度のポイントですね。 Nyquist 流だと、「そこを通らなくとも時計周りにぐるりと回ると不安定」なので、チェックが面倒。 理論的には 1+GH の極を直接求めるのと等価なので、余計な詮索をせずに直接 1+GH の極を求めてしまいがちなのです。
失礼。ランチ・ブレークにコソソコソやるもんで、案の定の入力。 おっしゃるとおり、閉ループ伝達関数の分母は、 (s + 10.35)(s + 4.229)(s^2 + 0.4188*s + 0.1142) 確かに、Hurwitz 多項式。 「安定性チェック」はこれくらいしか手馴れてません。 それすらデータミスしちゃ、役立たずでした。
お礼
いえいえ,とんでもございません. お昼休憩のお時間を割いていただき,ありがとうございます.
そもそも、例挙された一巡伝達関数 GH は「安定化する」のでしょうか? GH を、 0.1*(4s+1) ---------------- s^2(0.1s+1)(0.2s+1) だとして 1±GH の零点を試算してみると、複号のどちらでも s の右半平面にも現れます。 当方が、何か錯誤しているのでしょうか?
お礼
ご回答ありがとうございます. 質問分で挙げたGHは,178tall様のもので間違いありません. 私が計算すると,1+GHの零点は -10.4 -4.23 -0.209 +/- 0.265i となり,全て左半平面ですが,いかがでしょうか?(3桁以下,四捨五入) ナイキストの安定判別も安定条件を満たしますし,実際に(シミュレーションですが,)負帰還フィードバックをした状態でのステップ応答は,収束しました. 質問について,もし何かわかりましたら,よろしくお願いします.
補足
この場をお借りしますが,以後,簡単にするため,H=1として考えさせていただきます.
お礼
しばらく不在にしていたため,お返事が遅くなり,大変申し訳ありません. ナイキストの安定判別法から,上記の一巡伝達関数が負帰還で安定化することはわかるのですが,ご指摘いただいたように, >ωを +0→+∞と増やした場合 >dB カーブは、-20 dB/decade の右下がりで、途中に 2 つの極で踊場があり、また右下がり。 >deg カーブは、-180 度から、一旦 -120 度まで増えてから右下がりに転じ、-270 度へ達してフラットになる。 において,ω=0近傍では,dBが0以上なのに,degは約-180度ですよね.この周波数領域は,負帰還すると,感覚的には発散してしまうと思うのですが,なぜ,安定化するのか?というのが,質問です.(わかりにくくて申し訳ありません) たとえば,ω=1のとき,利得が20dB,位相が-180度の一巡伝達関数があったと仮定して,これを負帰還する場合を考えます. 入力信号の大きさが+1だと,出力信号は-10,これを負帰還すると,(+1 +10)=+11の信号がシステムに入力されるので,出力は-110,...以後発散 となる気がします.しかし,実際はナイキスト判別法然り,質問分のシステムの場合は安定化してしまうのが,どうも腑に落ちないのです.