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受領遅滞

受領遅滞があった場合には、債務者の責任は軽減されると思いますが、 売買契約で、買主の受領遅滞があった場合には575条(果実の帰属 等)上では引渡しはあったと考えるのでしょうか? それとも引渡しはないと考えるのでしょうか?

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回答No.5

#1です。#4のお礼の中の疑問点、に対する回答です。 たしかに、ご指摘の判例はありますね(大連判T13.9.24)。 「その結果」とありましたが、おそらく、その判例と無関係に、解除前の履行遅滞に基づく損害賠償請求を否定する見解が存在するのだと思います。 (たしか、遅滞しているだけで、不能ではないから、損害が無い、という論拠だったと思います…。だから、代金をずっと確保しておくことを避けたければ解除しろ、という説だったと…。) (後述の百選解説によると、履行請求権を重視する見解みたいですね。) ただ、目的物自体のほかにも、損害が生じる余地はあります(一時的に代替物を調達する費用とか)。 また、執行不能に備えた代償請求(填補賠償請求)を肯定するのが判例(最判S30.1.21)・多数説です。[民法判例百選II債権・第四版p28] (但し、これは、既に引渡済とか支払済の場合な点に注意) いずれにせよ、履行遅滞でも、損害が生じていれば、それに応じた賠償請求が可能と考えます(415条を無視して解除を要求するのは債権者に酷だと思います)。 したがって、反対説を採らない限りは、質問者さんの疑問は解消されるのではないでしょうか。

a1b
質問者

お礼

私の物分りの悪さにもかかわらず、お付き合いいただきましてありがと うございます。 民法は色々な説に溺れてしまいそうで、困ってしまいますが、PnyoOn Bly様に投げていただく浮き輪によってなんとか沈まずにおります。 本当にありがとうございました。

その他の回答 (4)

回答No.4

#1です。お礼の中の疑問点、に対する回答です。 確かに、通常ですと、売主が、果実を取得し、買主が、利息を取得し、売主が、保管費用を負担することになる、といえそうですが、 質問者さんの図式は無理があるのではないでしょうか。 なぜなら、(1) 上の「通常ですと…」を要約すると、売主…「果実-保管費用」、買主…「利息」ですが、これを「≒」と結ぶ根拠はないですよね。あくまで、「果実と利息」を同等と擬制するだけだと思います。 (2) おそらく、質問者さんは、(1)を「≒」で結んで、保管費用を移項したと思うのですが、果実を生じない目的物だと、移行前は、「-保管費用≒利息」となり、ちょっとおかしなことになりますよね。確かに、「果実と利息」だけでみても、「0≒利息」となり、変な感じですが、法はその部分は捨象するのでしょう。 (3) 通常の(受領遅滞によらない)「保管費用」は、普通は、売主が代金におり込み済みだと思います。 そうすると、「保管費用」が、果実によって賄われていることにはならない、と思います。 したがって、質問者さんの考えられている、「遅滞中の果実によって少なくとも保管費用は補填されている」ことにはならないので、受領遅滞により生じた増額の費用は、別途請求しても、575条と矛盾しないことになると思います。

a1b
質問者

お礼

いつも論理明快な回答ありがとうございます。 既に20点満点の回答を頂いているのですが、つぎのようなモヤモヤが あります。 575条については引渡が基準になるわけですが、その引渡しがないこ とが当事者の遅滞に基づく場合でも、代金の支払いを受けない以上、売 主はなお果実収取権を有するという判例があるみたいです。 その結果、売主が遅滞に陥っている場合でも、買主は損害賠償を請求で きない。 買主が遅滞に陥っている場合も、売主は遅延利息を請求することが出来 ない。 従って、各当事者はこのような不利益を解除又は代金の供託によって回 避するは他はない。 という解説した本があります。 私が混乱してしまいますのは、端的にいいますと、履行遅滞の場合には 損害賠償を請求できないのに、受領遅滞の場合には増加した弁済費用及 び保管費用を請求できるのかということでした。

回答No.3

>判例は基本的に条文に忠実で、例えば534条はあまりに結論が不当 これも、リーディングケースとされる最判昭和24.5.31は目的物の引渡しが済んでいた事案であり、判例の態度は必ずしも明らかではないとする教科書(世間的には最も売れている教科書)もあります。

a1b
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 参考になりました。

回答No.2

相変らず、ドグマティークですね。 その債務の内容や果実がそもそもどう配分するべきか、そもそも当事者同士がなにを考えているかなどの価値判断をして、適切な解決をしていくのでしょうね。 引渡しは判断要素の一つですが、一つでしかない。あったとしてもなかったとしても、あまり答えには繋がらない、私はそう思います。

a1b
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 なるほど、当事者の個別的な事情を斟酌して、当事者意思を明らかにし た上で黙示の特約を認定して妥当な結論を導くということなのですね。 判例は基本的に条文に忠実で、例えば534条はあまりに結論が不当な ので、黙示の特約等を認定して妥当な結論を図るということを聞いたこ とがありますが、条文解釈でなくて事実認定で妥当な結論を導くという のも有効な方法なのですね。

回答No.1

私見です。 本条の趣旨は、目的物の果実と代金の利息を、同等とみなし、売主・買主各々に帰属させ、差額の考慮を省略してしまうことにあります。 そうすると、受領遅滞とはいえ、買主が果実まで取得すると二重の利得になります。 したがって、引渡は、無いと考えるのではないでしょうか。 仮に、ある、と考えても、2項を適用せざるを得ず、無駄なやりとり(果実と利息の交換)が増えるだけだと思われます。

a1b
質問者

お礼

いつも論理明快な回答ありがとうございます。 575条は履行遅滞がある場合でも適用されるということでしたので、 受領遅滞があった場合も同様に適用しますと、現実の引渡しがない以 上、遅滞中の果実は売主に帰属し、果実≒利子+管理費用という図式が 成り立ちます。 一方受領遅滞がありますと、遅滞により増加した弁済費用及び保管費用 を相手方に請求できることになります(485条)。 しかし、上記のように575条の考え方からしますと、遅滞中の果実に よって少なくとも保管費用は補填されているように思うのです。 この辺の整理が出来なくて困っております。

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