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ネルンストの式について教えて下さい。
ネルンストの式は溶液中に存在する酸化還元種の濃度によって、不活性電極の電位がその標準酸化還元電位からずれる、ということを表す式ですが、これについて教えて下さい。 例えばFe(CN)6などの酸化還元種が溶液に溶けている場合にはその濃度比によって電位が変化することは理解出来ます。 これらの酸化還元種が溶けていない場合でも純水中であれば、OH-とH+を酸化還元種と見なすことで、つまりpHによって電位が変化することは分かります。 ではKClやNaClなどの電解質が溶けた溶液ではどのように電極電位は決まるのでしょうか? 強電解質であってもpHだけで電極電位は決まるのでしょうか?
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> これらの酸化還元種が溶けていない場合でも純水中であれば、OH-とH+を酸化還元種と見なすことで、つまりpHによって電位が変化することは分かります。 H+ と OH- は酸化還元ついではありません. H+ と対になるのは H2 ですが,これは事実上存在しませんから,電位決定には寄与しません. OH- と対になるのは O2 で,これは空気があれば存在していますが,そもそもこの酸化還元対の間の電子交換は遅いので,きちんとした熱力学的電位を与えるような電極はそうそうはありません.また濃度も低いので,電位を支配する力も弱いということもいえます. > 強電解質であってもpHだけで電極電位は決まるのでしょうか? やってみればわかりますが,白金とかを使っても電位の測定値は非常に不安定です.このときみかけの電位を支配しているのは上記の酸素レドックスのほか,電極表面の汚れ,そしてもっとやっかいなのは電位測定のための電位差計からの電気的な影響です.このような系の電位は実測する意味がほとんどありません.
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- c80s3xxx
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> PtのCVをとると、その酸化還元に起因するピークがいくつか出ますよね? 出ますが,PtO2 とかは今の場合表面にありませんから,対を作っていません.たとえば PtO2 がついている条件では,Pt/PtO2 で決まるなにがしかの電位で安定します.Ag/AgCl と何も変わりません. 断っておきますが,この手の表面酸化物や,吸着水素などはすべて「コンタミ」と同等ですよ,今の議論上は. だいたい,最初に「不活性電極」といって話を振っておきながら,こんどは表面レドックスって,話がぜんぜん違う方向になってるんじゃないんですか? > この酸化還元電位が出てこないのはなぜなのですか? Pt2+ が溶けてないからです.
- c80s3xxx
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> ネルンストの式にもあるように第1項は標準酸化還元電位でその補正としてレドックス種の濃度による補正項があるわけなので、 > レドックス種、つまりはコンタミがなくとも、というか、ない方が電極の電位は一意に決まるのはないのでしょうか? ネルンストの式を引き合いに出す限り,酸化還元対が存在しなければ標準酸化還元電位の出る幕はありませんが. > 先ほどのフロートな状態にある直径10nm の白金球に関してもそうですが、これは白金の標準酸化還元電位で決まる電気二重層が形成されるのではないのでしょうか? 白金の標準酸化還元電位って何ですか? 電気二重層はだまっていてもできますが,イオンの特異吸着とかがおこるからです.ただし,他に電位を支配する要素がないという条件で,この吸着の密度のごくわずかな変化が,いったい電位にどのくらい影響するか,電磁気学的な見積もりをやってみるべきでしょう. 電気二重層容量を 10^-5 F/cm2 とすれば,これは 10^-19 F/nm2 です.1nm 角に1個,1価イオンが増減するとしましょう.計算が面倒なので,これを 10^-19 C/nm2 の変化がおこるとすれば,これによる電位変化は 1 V 相当です.このくらい簡単に揺動するのに,状況をどう推定すればいいのですか?
お礼
ありがとうございます。 PtのCVをとると、その酸化還元に起因するピークがいくつか出ますよね? ということはPt自身も酸化還元対をもっているということではないのでしょうか? 便覧をみても Pt^2+ + 2e^- = Pt +1.188V vs SHE という値も載っていますが、この酸化還元電位が出てこないのはなぜなのですか?
- c80s3xxx
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> ナノ電極で電位は決まらないのはなぜなのでしょうか? あの...そちらの指定した条件が,直径10nm の白金球が云々なんですよ?どこにもつながってないし,コンタミとかはないって条件の話じゃないんですか?コンタミとか接続とかがあれば,その意味はわかりませんが,なんらかの電位に落ち着きはしますよ,当然. > では、わざとレドックス活性種を溶液に少量溶かしておけば、白金の電位が固定されて、参照電極として用いることが可能になるということなのでしょうか? 当然ですが,なんで少量なんですか? 電位を安定させるにはそれなりの濃度があった方がコンタミ等の影響も受けにくく,合理的なのは議論の余地はないでしょう. 十分量の酸化還元対を溶かした中に白金線をつっこんで,参照極にするのはまったく妥当な方法です.というか,標準水素電極自体がまさにそういうものです.
お礼
かなり理解が深まりました。 ありがとうございます。 恐らくこれが最後の質問になると思いますので、後一つ質問させて下さい。 コンタミや電気的な影響がなければ、白金電極の電位は決まらない、という話なのですが、これはおかしくないでしょうか? ネルンストの式にもあるように第1項は標準酸化還元電位でその補正としてレドックス種の濃度による補正項があるわけなので、 レドックス種、つまりはコンタミがなくとも、というか、ない方が電極の電位は一意に決まるのはないのでしょうか? 先ほどのフロートな状態にある直径10nm の白金球に関してもそうですが、これは白金の標準酸化還元電位で決まる電気二重層が形成されるのではないのでしょうか?
- c80s3xxx
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> 計算というのはどの式を使ってどのように計算するというのでしょうか? 通常の電磁気学に従って計算することになるんでしょうね. 電気化学の出る幕はありません. 本来はナノ電極の電位は決まりません.決める要素がないので.ただし,電気的環境としては,電場が余分にかかった分,電位シフトはおこるはず,というだけのことです. > ・つまり白金電極の自然電位はコンタミによる酸化還元(コンタミ自体の酸化還元でしょうか?)によるものということなのでしょうか? だって,ほかに電位を決定するものがないという条件ですから. > 質問がしつこくなってしまいますが、では測定系自体の電気的干渉というのは具体的に何のことを指しているのでしょうか? エレクトロメータというのは,必ず入力端子から測定対象に電気が漏れます.電気回路の宿命です. > それと、仮定を前回と変更してコンタミの影響がある白金電極を > pH0で脱気したNaCl溶液、pH0で脱気していないNaCl溶液、pH14で脱気したNaCl溶液、pH14で脱気していないNaCl溶液、 > につっこんだ場合、コンタミのによる酸化還元電位がpHの影響を受けるようなものであれば、影響を受けるが、影響を受けないものであれば、 > 影響を受けないということなのでしょうか? コンタミで決まる電位であれば,コンタミのレドックスが pH の影響を受けるかどうかだけの問題になりますね. > 白金電極など一般的な電極の場合にはどちらなのでしょうか? 電極の問題ではありませんので.
お礼
しつこいついでに、もう少しお聞かせ下さい。 ・> 本来はナノ電極の電位は決まりません. ナノ電極に限定する理由は何なのでしょうか? マクロ電極であれば、何度も仰っているようにコンタミや エレクトロメータによって電位は決まるのですよね? ナノ電極で電位は決まらないのはなぜなのでしょうか? ・白金電極を参照電極として用いた場合、電位が動いてしまうのはコンタミの状態が変化するためだと思うのですが、 では、わざとレドックス活性種を溶液に少量溶かしておけば、白金の電位が固定されて、参照電極として用いることが可能になるということなのでしょうか?
- c80s3xxx
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> 実際には後者のナノメートルオーダーの小さな面積だけが露出した電極も電気二重層を持っているので、 > その電気二重層によって前者の電位が制御された側の電極近傍の電位分布も変化しそうな気がするのですが、 > これはどの程度影響してくるでしょうか? 影響はするかもしれませんが,それは「露出」の状況にもよるでしょう.電気二重層はべつに電極の上にしかできないわけではなく,絶縁体の上にだってできます.ナノ電極の周囲がどうなっているかによっては...とかありますし,そもそもナノな電極を近づけるということも,現実的ではありませんから,その状況を確認することもできません.仮想的に考えれば影響はあるでしょうが,それがどの程度かは定量的な計算をしてみなくてはわかりません.してみる気力はありませんが (^^; > ・pH0で脱気したNaCl溶液、pH0で脱気していないNaCl溶液、pH14で脱気したNaCl溶液、pH14で脱気していないNaCl溶液、 > を用意してそれぞれに汚れなどの影響が全くない白金電極をつっこんで自然電位を計測したとしても、 > 自然電位は全く同じになるということで良いのでしょうか? なるというか,この状況はなにも酸化還元対がない状態を意味しているので,電位が決まるべき理由がないってことですけどね. > pHによって電位が影響を受けるのは、pHメーターで使われているような、 > 塩橋などでつながった2液間の電位差でしかほとんど見られないということで良いのでしょうか? 質問文の意味がわかりません. 現実に pH 依存する電位が測定されとすれば,酸素の混入を含めたコンタミと,測定系自体の電気的干渉のせいです.コンタミや特異吸着などの化学現象がなければ電位が決まる理由がありません.
お礼
かなりしつこくなって来ましたが、納得するまで質問させて下さい。 ・> それがどの程度かは定量的な計算をしてみなくてはわかりません. というところなのですが、例えば、電極が直径10nmの球でその周りには絶縁体などがないような電極だと仮定した場合、どのように計算すれば良いのでしょうか? 計算というのはどの式を使ってどのように計算するというのでしょうか?一般的な電気化学の書籍には解説されているものを見かけたことがないのですが、どの本なら書いてあるでしょうか? ・つまり白金電極の自然電位はコンタミによる酸化還元(コンタミ自体の酸化還元でしょうか?)によるものということなのでしょうか? 質問がしつこくなってしまいますが、では測定系自体の電気的干渉というのは具体的に何のことを指しているのでしょうか? それと、仮定を前回と変更してコンタミの影響がある白金電極を pH0で脱気したNaCl溶液、pH0で脱気していないNaCl溶液、pH14で脱気したNaCl溶液、pH14で脱気していないNaCl溶液、 につっこんだ場合、コンタミのによる酸化還元電位がpHの影響を受けるようなものであれば、影響を受けるが、影響を受けないものであれば、 影響を受けないということなのでしょうか? 白金電極など一般的な電極の場合にはどちらなのでしょうか?
- c80s3xxx
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もとの質問とどうつながるのか,よくわかりませんが... > そして前者の方に三電極系で電圧をかけて、その電極近傍でNa+の濃度がCl-よりも濃くなった状態を作り出します。 NaCl の濃度にもよりますが,この Na+ 濃度が云々というような領域は,nm オーダーの極端に狭い領域ですが... > この電極に対して、後者のナノメートルオーダーの小さな面積だけが露出した電極を近づけていってその自然電位を計測したらどうなりますでしょうか? これってそもそも空間自体に電場がかかっている状況に電極を突っ込んでいるので,バルクからの電位差分,ずれるでしょうね. > ・2つめの質問に関してですが、通常、脱気を行ってから実験を行うわけですが、とはいえ必ず溶存酸素は微量に溶液に溶け込んでいると思います。 > 電極の自然電位は溶液のpHだけでなく、この酸素濃度によっても影響受けるのでしょうか? 原理的には受けるでしょう.ただ,最初からいっているように酸素レドックスが可逆に出る電極はそうそうはないのです.また濃度が極端に低いので,その他のさまざま影響で電位が動いてしまい,そのまま酸素レドックスの電位を示すような場合は現実にはないでしょう.
お礼
すいません、くどいようで申し訳ないのですが、 もう一つ確認させて下さい。 ・> これってそもそも空間自体に電場がかかっている状況に電極を突っ込んでいるので,バルクからの電位差分,ずれるでしょうね. というところなのですが、実際には後者のナノメートルオーダーの小さな面積だけが露出した電極も電気二重層を持っているので、 その電気二重層によって前者の電位が制御された側の電極近傍の電位分布も変化しそうな気がするのですが、 これはどの程度影響してくるでしょうか? ・pH0で脱気したNaCl溶液、pH0で脱気していないNaCl溶液、pH14で脱気したNaCl溶液、pH14で脱気していないNaCl溶液、 を用意してそれぞれに汚れなどの影響が全くない白金電極をつっこんで自然電位を計測したとしても、 自然電位は全く同じになるということで良いのでしょうか? pHによって電位が影響を受けるのは、pHメーターで使われているような、 塩橋などでつながった2液間の電位差でしかほとんど見られないということで良いのでしょうか?
- c80s3xxx
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> ・汚れや電気的な影響を受けない白金電極を用意します。これを1MのNaCl溶液に入れたときと3MのNaCl溶液に入れたときで > 自然電位は異なるのでしょうか? NaCl以外の状況が同じなら,自然電位も同じでしょう. ただし,その自然電位の意味するところはなんだかわかりませんが. > 或いは負の電位をかけた電極近傍ではNa+の濃度がCl-よりも濃くなっていることになりますが、この片方のイオン種が多く含む溶液に白金電極を漬けた場合、その自然電位はどうなるのでしょうか? 電位かけて,自然電位云々は矛盾しているので意味がわかりません. > ・pHに関してなのですが、結論としては酸素発生或いは水素発生するような電位に設定したときのみpHによりその自然電位は影響を受けるという話だと思うのですが、 いや,酸素や水素が共存するかどうかという話ですが. 空気に接していれば有限の酸素濃度はあるわけで.というだけのことですが.
お礼
やはり納得出来ないのでもう少し質問させて下さい。 ・上の質問ですが、白金電極を2つ用意します。 片方は普通のバルクの電極でもう片方はナノメートルオーダーの小さな面積だけが露出した電極であるとします。 この2本をNaClだけが溶けた溶液に漬けます。 そして前者の方に三電極系で電圧をかけて、その電極近傍でNa+の濃度がCl-よりも濃くなった状態を作り出します。 この電極に対して、後者のナノメートルオーダーの小さな面積だけが露出した電極を近づけていってその自然電位を計測したらどうなりますでしょうか? 電極電位は溶液の内部電位との差で決まるわけですが、前者の電極付近の溶液の内部電位はバルク溶液部位と比べて正に持ち上げられているわけなので、後者電極の自然電位も高く測定されるのでしょうか? ・2つめの質問に関してですが、通常、脱気を行ってから実験を行うわけですが、とはいえ必ず溶存酸素は微量に溶液に溶け込んでいると思います。 電極の自然電位は溶液のpHだけでなく、この酸素濃度によっても影響受けるのでしょうか?
- c80s3xxx
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> ・レドックス種の濃度 受けますね.あたりまえですが. > ・レドックス活性でないイオン種 受けませんね.あたりまえですが. > ・pH pH そのものが問題なのではなく,その中身を考えることになりますね. OH-/O2 という酸化還元対が成立するような電極なら,O2 が共存するという条件下においては,この酸化還元対による電位になるでしょうね.しかし,O2 の共存は必須ではありません.なければやはりこの酸化還元対に起因する電位は決まらない.H+/H2 についても同じで,H2 がなにがしかあるようであればその電位になりますが,H2 があることは必然ではないと. > もしかして影響を受けるのはこの電極の自然電位ではなくこの電極でレドックス活性種を酸化還元するための電位や酸素発生、水素発生のための電位のことなのでしょうか? 自然電位は,なんらかの酸化還元対が決めるんですが.なにもなければ決まりませんよ.現実になんらかの電位がどんな場合も測れてしまうのは,汚染等を含めて,なんらかの酸化還元環境ができているからにすぎません. > http://www.geocities.jp/acaradisco55/Taikou/science54.html このページも,O2 や H2 とのペアを考えているので,同じことを言ってるんですが.
お礼
ありがとうございます。 どうしても理解出来ないので後2つほど質問させて下さい。 ・汚れや電気的な影響を受けない白金電極を用意します。これを1MのNaCl溶液に入れたときと3MのNaCl溶液に入れたときで 自然電位は異なるのでしょうか? 或いは負の電位をかけた電極近傍ではNa+の濃度がCl-よりも濃くなっていることになりますが、この片方のイオン種が多く含む溶液に白金電極を漬けた場合、その自然電位はどうなるのでしょうか? ・pHに関してなのですが、結論としては酸素発生或いは水素発生するような電位に設定したときのみpHによりその自然電位は影響を受けるという話だと思うのですが、 酸素発生或いは水素発生電位に制御しているのにどうやって自然電位を測定するのでしょうか? どうしても分かりません。 よろしくお願いいたします。
>強電解質であってもpHだけで電極電位は決まる 意味不明。 >KClやNaClなどの電解質が溶けた溶液 濃淡電池と云う言葉をご存知ですか?調べてみて下さい。 >不活性電極の電位 これも意味がよく分りません。
お礼
ありがとうございます。 よく分からなくなってきたのですが、いくつか確認させて下さい。 この場合には、電極表面の汚れ,電位差計からの電気的な影響といった現実的な問題は全くない、理想的な電極があるとします。 この電極を溶液につけてAg/AgClなどの電極との間の電位を計測するとして、その電位は ・レドックス種の濃度 ・pH ・レドックス活性でないイオン種 によって影響を受けるのでしょうか? もしかして影響を受けるのはこの電極の自然電位ではなくこの電極でレドックス活性種を酸化還元するための電位や酸素発生、水素発生のための電位のことなのでしょうか? ご回答の中でpHは影響しないのではないかということを仰っていますが、 http://www.geocities.jp/acaradisco55/Taikou/science54.html このページを見てpHも影響するのではないかと思いました。 電極の自然電位に対してこれらのファクターが影響するか どうかについて教えて下さい。