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ドイツ留学からの帰国 ユーロから円へ両替
8月末に留学を終えて日本に帰国するものです。今、ドイツのSparkasseに口座を持っていて4000ユーロほど残っています。今これをどうしたら、一番効率よく、手数料などがかからず日本円に換えられるかということで迷っています。 選択肢としては、(1)ユーロで全額引き出してどこかの金融機関で日本円に両替する。(2)ドイツの銀行から日本の銀行に送金する。というのを思いつきました。 ほかにも、何かいい方法はあるでしょうか? 金融関係に詳しい方などなにかいいアイデアがある方はぜひ教えてください。ちなみにユーロは当分使うことがありません。日本の銀行では、三井住友・シティバンク・新生銀行の口座を持っています。 よろしくお願いします。
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- 山田 譲(@kazuboy)
- ベストアンサー率72% (121/168)
新生銀行のパワーフレックス口座へユーロのまま送金するなら、その後いつでもお得に円へ両替できるうえ被仕向手数料もかからないのでお得です。 あと、今後また海外送金する可能性があるならシティバンクが便利でしょう。
- Umada
- ベストアンサー率83% (1169/1405)
ご質問の状況(4,000ユーロ程度の資金をドイツから持ち帰る)であれば、トラベラーズチェック(以下TC)にして持ち帰るのがよさそうです。国際送金も悪くない選択で、手数料はTCと同等です。一番手間がかからないのは現金で持ち帰ることですが、手数料は多少高くなります。 以下では有利不利の考え方と手数料の相場についての一般論的説明まで行います。本来であれば「方法Aが最善で、方法Bより○○円、方法Cより○○円有利」と定量的に回答申し上げたいのですが、Sparkasseの特殊性(支店により手数料やレートが異なる)に起因し、そこまでの高精度で回答するのは困難である点、どうぞご容赦ください。 もし細かい比較まで必要であれば下記の回答を参考に、ご利用のSparkasse支店で手数料を確認し、質問者さんご自身で判断を頂ければと思います。 1. 為替用語説明 外国為替取引での有利不利を論じるのは為替用語抜きにはできないので、まずはその説明におつき合い下さい。 ・銀行間レート 外国為替市場において文字通り金融機関間の取引に使われるレートで、新聞やテレビが「今日の東京外国為替市場、終値は1ユーロ=135円20銭でした」と報じているレートは断りのない限りこの「銀行間レート」です。一般の顧客はこのレートでの取引きはできず、必ずいくらかの手数料を上乗せして支払います。 ・公示仲値(TTM) 銀行間レートは常に変動しているため、両替や送金の基準レートとしてこれをそのまま使うと処理が煩雑になります。そこで各金融機関は銀行間レートを参照しながら「公示仲値」というレートを定め、その日の取引の基準レートとして用います。(1日に数回の改定を行う金融機関もあります) 公示仲値と銀行間レートは厳密には一致しませんが、為替取引の有利不利を考える上では同一視して差し支えありません。また公示仲値は各金融機関が独立に定めるため金融機関間で若干ばらつきがありますが、その差は1ユーロあたりせいぜい5銭か10銭です。 ・対顧客電信売レート(TTS) 外貨現金のやり取りを伴わずに外貨を買う(銀行の立場からは「売る」)取引きで適用されるレートです。具体的には外貨建てTCの購入、外貨預金、外貨建て国際送金などが該当します。TTSは決まった幅の手数料(為替手数料)を公示仲値に上乗せすることで機械的に計算されます。日本の銀行は大半が為替手数料を1ユーロ当たり1円50銭に設定していますが、シティバンク銀行は1円、三井住友銀行は1円40銭で少し安くなっています。オンライン専業銀行でこれより安いところもありますが、それらの銀行は国際送金の入金に対応していなかったり、対応していても受取銀行手数料(後述)がかかったりするので注意が必要です。 ・対顧客電信買レート(TTB) TTSの逆で、外貨現金のやり取りを伴わずに外貨を売る(銀行が買う)取引きで適用されるレートです。公示仲値から為替手数料を差し引くことでこれも機械的に計算されます。 ・外貨現金買いレート 外貨現金の取扱いでは発行国からの輸送コスト、運用に回せないことによる死蔵コスト、為替変動によるリスクが必然的に発生します。そこで外貨現金のやり取りを伴う取引きには「外貨現金取扱手数料」を課すことでコスト/リスク対策をしています。実際の両替ではTTBからさらに外貨現金取扱手数料を差し引いたレートが「現金買いレート」として発表されます。日本の銀行でのユーロ現金買いレートはTTMマイナス4円が一般的です。 2. 手数料比較 資金持ち帰りの方法には大別して「国際送金」「トラベラーズチェック」「現金」の3つがあり、さらにはそれぞれに「円建て」「ユーロ建て」の2つの選択が存在します。都合6通りの検討を行うことになります。 (1)円建てで国際送金 円建てで送金する場合は、送金側銀行(この場合Sparkasse)の日本円TTSが適用され、レートに含まれる形で為替手数料を支払うことになります。もちろん送金手数料も別に必要です。また国際送金では受取銀行や中継銀行で手数料が発生することもあり、発生した場合はその分が差し引かれて着金します。このほか円建てで送られてきた国際送金をそのまま円で受取る場合には「リフティングチャージ」と呼ばれる、外国為替取引きに特有の手数料が受取り銀行で発生します。 SparkasseのTTSですが冒頭述べたように支店により差異があり、各種の為替レートをWeb上に発表していない支店も少なくないため、ここでは代表例のみ取り上げます。 参考ページ[1]はSparkasse Bremenの、参考ページ[2]はSparkasse BerlinのそれぞれTC発行レートです。TTSとは明記されていませんがこれに準ずるとしてよいでしょう。8月21日の数字では Bremen (TTS)1ユーロ→133.8100円 (TTB)134.5300円→1ユーロ Berlin (TTS)1ユーロ→130.1914円 (TTB)134.7346円→1ユーロ となっています。 Bremenの方は非常に有利な設定で、TTSとTTBの差はわずか72銭しかありません。ユーロ→円の片道に直すと36銭でかなりの好条件です。これは日本での為替手数料(1円~1円50銭)に比べても安く、これならばドイツ側で円に交換して円建てで送金した方がよいと判断できます。 一方のBerlinは1ユーロが130.1914円にしかなりません。レート設定は21日の08時、すなわち日本時間15時に行われていますが、その時間帯の銀行間レートは134円台前半でしたので、それに比べて約4円引かれていることになります。これならそのままユーロ建てで送金し、日本に着金した際に日本円に交換(円転)した方が有利です。 次いで送金手数料など他の手数料ですが、これも支店(地域)ごとに異なる上にWebサイトに掲載していない支店も多く、厳密な定量比較は非常に困難です。以下では一般的な値を仮定して目安を得るまでに留めます。なお各手数料の意味合いなどについて詳しい説明が必要であれば[3]をご覧ください。 ・為替手数料 上記のTTSの比較で述べた通りで、36銭~4円と幅があります。 ・送金手数料 1回20~50ユーロが相場です。 ・中継銀行手数料 要不要を含めて実際に送金してみないと金額が分からないのが通例ですが、概ね1千円~5千円(相当額)の範囲です。 ・受取銀行手数料 呼び方は銀行によりさまざまで、金額も銀行により幅がありますが徴収する場合は3千円前後です。シティバンク銀行では不要です。 ・リフティングチャージ(*1) 「送金額の0.05%、ただし最低2,500円徴収」というのが一般的な設定です。受取銀行手数料と合わせて一体の手数料として設定している銀行もあります。シティバンク銀行では、個人の顧客であれば不要です。 もし送金を行う場合は、日本側の受取銀行はシティバンク銀行を選択されるとよいでしょう。もともと国際送金に強い上、受取銀行手数料やリフティングチャージがかからないのは心強い点です。 シティバンク銀行宛てに円建てで送金した場合の手数料概算ですが、4,000ユーロを送金したとして、為替手数料が1,440円~16,000円、送金手数料が2,700円~6,750円といったところです(公示仲値を1ユーロ=135円00銭とし、ユーロ建ての手数料はそのレートで換算)。中継銀行手数料については事前に分からないため含めていません。以上の手数料の合計は4,140円~22,750円と推定されます。 (2)ユーロ建てで国際送金 ユーロ建て送金では送金側銀行では為替手数料は発生せず、代わりに受取銀行でこれを支払って円転します。日本の銀行のユーロの為替手数料は、上でも述べたようにシティバンク銀行が1ユーロ当たり1円、三井住友が1円40銭、その他の銀行が1円50銭です。 ご利用のSparkasseで送金レート(日本円TTS)を聞いてみて、それがその時点の銀行間レートより1円(*2)以上高ければユーロ建て、1円以下なら円建てを選択すればよいでしょう。この1円というのは最安のシティバンク銀行の為替手数料です。後で述べるTCでも、同様の考えで通貨を選択できます。。 ユーロ建て送金は「ユーロで持ち込んだ資金をユーロ建てで送金」することになるので、送金側銀行でリフティングチャージ徴収の対象となります。要不要も含めて設定は支店により異なるでしょうが、ここではその額を20ユーロと仮定します。 上と同様に合計すると、為替手数料が4,000円(シティバンク銀行の口座で受取って円転した場合)、送金手数料が2,700円~6,750円、送金側銀行のリフティングチャージが2,700円、合計で9,400円~13,450円が目安です。 (3)円建てTCで携行 ドイツ側では(ドイツの銀行の)日本円TTSで換算されます。その際の為替手数料は(1)と同じです。TC発行手数料はドイツでは1%が標準的ですが、異なる設定の銀行もありますし、また昨今TC発行手数料は値上げの傾向にありますので事前に確認の上利用ください。 TC発行手数料を1%とすると、送金にすべきかTCにすべきかは「国際送金手数料や中継銀行手数料の合計が(資金の1%である)40ユーロより高いか否か」が分かれ目になります。実は40ユーロ前後というのは国際送金手数料としてありがちな額なので、どちらが有利かは銀行の手数料設定次第です。 日本の銀行は現時点ではTC換金手数料を徴収していませんので、額面通りの日本円を受取ることができます。全体では為替手数料1,440円~16,000円、TC発行手数料5,400円の合計6,840円~21,400円がかかると推算されます。 (4)ユーロ建てTCで携行 ドイツ側ではTC発行手数料のみがかかります。この手数料は上と同じく1%と仮定します。日本での買取りレートは(日本の銀行での)ユーロTTBを基準とし、処理期間分の金利(1ユーロ当たり10~30銭程度)がさらに差し引かれます。日本の銀行でのユーロTTBは、用語説明の項で述べたように TTMからシティバンク銀行が1円、三井住友が1円40銭、その他多くの銀行が1円50銭の差し引きで機械的に設定されています。処理期間分の金利は金融機関により異なりまた金利情勢によっても変動しますが、シティバンク銀行はこれを徴収していないので(そのままTTBで円転してくれるので)、その意味でもシティバンク銀行での換金を勧めます。 TC発行手数料が5,400円、日本側での為替手数料が4,000円(シティバンク銀行の場合)で合計9,400円と推算されます。 (5) 日本円現金での持ち帰り Sparkasse Bremenの8月21日の現金両替レートは、1ユーロ→128.5600円、139.7100 →1円です[1]。TTMと比較すると1ユーロ当たり5~6円程度の手数料が差し引かれていると分かります。またSparkasse Bremenでは両替1回あたり1%の手数料もかかります(ただし手数料の上限は5ユーロ)。 他の銀行で両替することも可能ですが、ドイツ国内での日本円現金への両替は全般にレートが悪く、TTM(あるいは銀行間レート)から1ユーロ当たり7円~10円差し引かれた数字が適用されます。 もしどうしても現金で持ち帰る場合は、ドイツで日本円に両替するのでなく、以下に述べるようにユーロ現金のまま持ち帰って日本で両替した方が有利です。 (6) ユーロ現金での持ち帰り ユーロ現金のまま日本に持ち帰って日本円に両替すると、そのレートはTTMマイナス4円です(三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、ゆうちょ銀行など)。全体の手数料は4,000ユーロ×4円/ユーロの16,000円です。また金券ショップでTTMマイナス3円で買取をしてくれるところもあり、その場合の手数料は全部で12,000円で済みます。 手間の点では一番簡単な方法ですが、申し上げるまでもなく盗難や紛失に対して無力なので、十分に気を付けてお持ち帰りください。 なおみずほ銀行はユーロ現金の買取りレートがTTMマイナス6円と悪いので、ユーロ現金をみずほで両替するのは避けて下さい。また日本のシティバンク銀行はそもそもユーロ現金を扱っていません。 3. そのほか 以上の比較検討は全て、公示仲値または銀行間レートからの上乗せ分を計算することで行ってきました。そこでは当然「日本の銀行とドイツの銀行で、公示仲値の設定に差があるのではないか」「上乗せ分だけ比較しても、公示仲値が違ったら意味がないのではないか」という疑問も出てくると思います。 結論から言えばその心配は無用です。まず、世界各地の為替市場の取引レートは全て連動しています。もしA市場の銀行間レートが1ユーロ=130円、同時点のB市場の銀行間レートが1ユーロ=135円だったとします。するとA市場でユーロを買ってB市場で売ればいくらでも儲かってしまいます。これはあり得ません。ドイツの銀行と日本の銀行で参照する市場は違っても、それぞれ市場の銀行間レートが全く懸け離れた値になることはないのです(*3)。 それでは銀行が、市場の銀行間レートに対して公示仲値を意図的にユーロ安(あるいは逆)に設定したとしたらどうでしょう。すると市場(あるいは別の銀行)で外貨を調達してきた客が、その銀行で外貨を売ってユーロを買います。そのユーロを元手にまた外貨を調達する、これを繰り返せばいくらでも儲かります。ですから公示仲値を、銀行間レートと懸け離れた値に設定することもできないのです。 用語説明の個所で述べたように、公示仲値は各金融機関が独自に定めますから若干のばらつきはありますが、その差はせいぜい1ユーロあたり数銭の範囲です。また「日本の銀行とドイツの銀行では両替レートが違う」というのは公示仲値が違うからではなく、そこからの上乗せ分の違うためです。 4. まとめ (1) 4,000ユーロ程度の資金をドイツから持ち帰る場合、トラベラーズチェック(TC)で持ち帰るか国際送金するかが、手数料の点では安上がりです。 (2) 送金にするかTCにするかは、TC発行手数料(多くの場合1%)と送金手数料(20~50ユーロ)の比較に帰着します。送金を選択する場合の送り先はシティバンク銀行がよいでしょう。 (3) 送金やTCをユーロ建てにするか円建てにするかは、ドイツでの為替手数料(1ユーロ当たり40銭~4円程度)と日本での為替手数料の最安値(シティバンクの1ユーロ当たり1円)の比較に帰着します。 (4) 現金で持ち帰るのであればユーロのままがよいです。ドイツ国内で日本円に両替してから持ち帰ると損をします。 (5) 全てを比較した上で最善解をズバリ回答申し上げたいところですが、Sparkasseは支店により手数料やレートの設定が異なる上に、Webサイトに手数料規程を掲載していない支店も多くそれが困難です。上記の検討を参考に質問者さんご自身で、ご利用のSparkasse支店で手数料とレートを確認の上で判断頂ければと思います。 参考ページ [1] https://sicherheit.sparkasse-bremen.de/anzeigen.php?tpl=module/service/waehrungen/index.html [2] http://www.berliner-sparkasse.de/module/reiseservice/reisescheckkurse.php [3] http://oshiete1.goo.ne.jp/qa5156761.html *1 外国為替取引に特有の手数料で、「通貨間の交換を伴わない為替取引」に対して課せられる。具体的には「(日本の銀行で)ユーロ建てTCをそのままユーロの外貨預金として預ける」「(日本の銀行で)米ドル建ての送金を受取ってそのまま米ドル外貨預金に入金」などの場合にかかる。「ユーロで資金を持ち込んで円建てで送金する」場合は通貨間の交換を伴うので対象外。 *2 厳密には「リフティングチャージの額を送金額で割った額を1円から差し引いた額」が閾値となる。リフティングチャージが課されなければ閾値はちょうど1円。 *3 当然ながら日本とドイツの間には時差があるので、例えば日本の銀行が午前に公示仲値を決めた後に外国為替市場で円高ユーロ安が進んだとすれば、それに遅れて決まるドイツの銀行の公示仲値が日本より円高ユーロ安になるのは自明である。ただし逆に振れることも当然あるわけで、日本/ドイツのいずれで両替すべきかについてこのことは何も影響しない。