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マンション管理組合会計で予備費を超えて支出した場合
- マンション管理組合会計で予備費を超えて支出した場合の法的な問題や対処法について解説します。
- マンションの管理組合の一般会計で予備費を予算で組んでいたが、消防設備の不具合が見つかり修繕工事を行うことが必要となった。予備費からの支出は予算をオーバーしてしまったが、緊急避難的な措置として行われた。
- このような処理は法的には問題となる可能性があるため、同様の事態に直面した場合は適切な手続きを踏む必要がある。具体的な対処法については専門家に相談することをおすすめする。
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理事長を経験した者です。 1.たしかに標準規約の第58条第2項には、「収支予算を変更しようとするときは、理事長は、その予算案を臨時総会に提出し、その承認を得なければならない」と定められています。したがって標準規約に基づいて規約を定めているマンションでは、理事会の決議だけで工事を行うのは、規約違反といえないこともありません。 しかし、緊急の場合に総会の決議なしに工事を行うことは、工事の内容が真に必要なものであるかぎり、法的に全く問題ありません。なぜなら、区分所有法第18条第1項では、「共用部分の管理に関する事項は・・集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる」と規定しています。この「保存行為」とは、「共用部分を維持する行為であるが、本条1項但し書でいう保存行為は、・・そのうち、緊急を要するか、または比較的軽度の維持行為(=修繕積立金を取り崩す必要がないもの)である」と解されています(『コメンタールマンション区分所有法』)。火災報知器の修理がここでいう「保存行為」に当たることは疑いありません。この「保存行為」は、総会の決議はおろか、理事会の決議すらない場合でも合法的に行うことができます。 2.ただし、法律論は別として、ご相談のケースで総会の承認を得ずに工事を実施したことが適切であったかどうかについては疑問が残ります。もしも私が理事長であったとしたら、臨時総会を開くか、少なくとも事前に「・・・本来総会を開いて承認を得るべきところですが、緊急に工事を実施したいと思います。この件についてご意見がありましたら、理事長までお申し出下さい」といった文書を全戸に配布して様子を見ます。異議が出ることはまずありませんし、万一異議が出た場合は、改めて臨時総会を招集すればよいのです。「臨時総会」というと大変なようですが、簡単な招集通知を各戸に配布し、出欠票と委任状を回収する手間がかかるだけです。総会そのものは、理事だけの出席で5分間で終えても差し支えありません。 このように慎重な態度で臨むべきだと思うのは、お話を伺うかぎりでは、「緊急修理」のために100万円近くも費用がかかる理由が納得できないからです。 「消防設備点検の結果、感知器が火災を感知しても、警報器本体が発報しない状態であることがわかった」とのことですが、その場合原因として疑われるのは、回路の断線、接触不良、機器の部品の故障などです。もしも原因が突き止められたとすれば、修理にそんなにお金がかかるものではありません。 100万円近くも費用がかかったということは、システムの全面更新とまでは言えないとしても、少なくとも相当多くの部分を新しい機器と取り換えたことを意味しています。 しかし「設備が老朽化したから新しい機器と取り換える」ことは緊急修繕とは別次元の問題で、更新の必要性については時間をかけて検討すべきものです。 お話を伺うかぎりでは、管理会社が、故障に便乗して故障と直接関係のない部分まで新品と交換し、工事費を膨らませたのではないかと疑う余地がありそうです。少しでもそういう疑いが残る場合は、たとえ承認するとしても、きちんとした手続きを踏むべきです。 3.これからどうすればよいかという点について言えば、もう済んでしまったことは仕方がないので、次の総会で、工事の実施を報告し、事後承認を得るべきです。 もしも次の総会が何ヶ月も先である場合は、「理事会からのお知らせ」といった文書を配布して工事の実施を報告しておいたほうがよいかもしれません。 万一総会で異議が出た場合は、上に述べた区分所有法の規定を説明するとともに、工事内容が適正かどうかについては、管理会社に説明責任を果たしてもらいましょう。 今回は幸い管理費の繰越金に余裕があったからよいのですが、管理費の予備費や繰越金では足りず、修繕積立金から出さなければならないような工事の場合は、(たとえば水が出ないとか、部屋の中に水もれの被害が出ているといった)よほど差し迫った緊急性がある場合を除いて、臨時総会で承認を得てから工事を実施すべきでしょう。
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- moonbounds
- ベストアンサー率32% (8/25)
理事のお仕事ご苦労様です。 多くの管理規則で緊急時の理事会(または理事長)の専決執行は明記してあるとおもいます(明記されていなくとも一般に認められると思います)。 さて、緊急か否かということですが、明らかに緊急です。 理事会が火災警報器の不具合を知りえていながら、改善しないうちに火災が発生でもしたら大変です。人災ってことにもなりかねません。 とくに文句を言われる筋合いのものではありません。
お礼
回答ありがとうございます。 今回の処理について、法律的に正しかったのか不安を抱いていますが、ご指摘のように、不具合を知りながら放置して、万一、実際に火事が発生した場合はもっと大変です。場合によっては刑事責任を問われかねません。 放置することの責任と、予算を超えて修理を実施することの責任を比較して、後者を選択した次第です。
- QES
- ベストアンサー率29% (758/2561)
>>本来であれば、予算の執行は、総会が承認した範囲内であるべきで、 先の回答で、地方公共団体の例を挙げさせていただきましたが、 市の予算でも市議会の承認が必要なことは言うまでもありません。 しかしながら、「緊急やむを得ず議会の開催のいとまがなかったとき」は補正予算を市長が専決処分し、議会には次に開催される定例市議会において報告することで済ますことが認められています。 勿論、市議会を無視した暴走は認められるものではありませんが、「緊急やむを得ず」かどうかで判断します。 数十人のお偉い市議会議員の先生方が審議される定例市議会(や臨時市議会)を開かずに(事後報告だけで)、市長限りでの処理が許されているのに、たかが(失礼!)マンション管理組合の予算が融通が利かないわけがないはずです。
お礼
再度のアドバイスありがとうございます。 「緊急やむを得ず」かどうかで判断すればよいのですね。 そうすれば自ずと適用の場面が限られてきますね。 ただ、あくまでも一般的な法理の類推で、区分所有法に明文でそのような例外的な扱いが明記されていないので、理屈で攻めてくる人がいる場合にうまく説得できるか不安が残ります。
- QES
- ベストアンサー率29% (758/2561)
そのまま決算を打つと、総会で決定した予算を無視したことになります。 本来であれば補正予算案を作成し、臨時総会を開いて承認を得るべきですが、そうした機会を持つことが困難なことも理解できます。 このようなケースは地方公共団体の場合でも時々あり、その場合補正予算を長が専決処分を行い、次の議会で報告します。 つまり今回の場合、必要な経費とその財源について補正予算を作成し、理事会で承認を得て執行し、次の総会で報告することで住民の承認を得たこととします。 これが許されるのは緊急止むを得ない支出で総会を開催するいとまがなかった場合ですが、消防設備の不具合の修理は人命に関わるものですので許されるものと解釈できます。
お礼
QESさん、アドバイスありがとうございます。 ご指摘のように、消防設備の修繕は人命にかかわるものなので、臨時総会を開く時間的余裕もなく、理事会判断で実施したものです。 ただ、本来であれば、予算の執行は、総会が承認した範囲内であるべきで、理事会がこれを無視して暴走することもできないので、今回のようなケースを、どのような理屈付けで認めていくのか、また、区分所有者から異議が出てくる恐れがあるのか、苦慮しているところです。
- mapponew
- ベストアンサー率22% (309/1373)
そのための理事会なんです。 ただし、緊急時で無いという指摘も、ひねくれ者から出ますから、消防署より、即刻改善命令が出たので、理事会判断で出金した旨、連絡が必要です。 出来れば、連絡は、承知では無いが、確認したというサインは頂いておいた方が何かと有意義となります。 管理組合の運営は、URLに有るように、活動範囲は多岐にわたります。 ボランテアで運営が殆どと思いますから、理事さんたちが、遠慮せず、気楽に気兼ねなく出来る内容にしないと、其のうち、硬いことばかり言って、儲けにもならない仕事に真剣にできるかと、ソッポを向かれてしまいますから、規約をできるだけ簡単な約束事にすることです。 つまり、お金があるのに使えない規約なんか不要でしょう。無駄使いでなければ使ってこそ、お金の値打ちが出ます。
- 参考URL:
- http://www.j-kanri.jp/
お礼
mapponewさん、回答をありがとうございます。 うちのマンションの場合、理事会活動は割と活発で、毎月1回集まって、管理会社から1か月の事業報告・会計報告を受け、その他、課題を話し合っています。 今回の消防設備の修繕は、消防署から即刻改善命令が出たわけではなく、消防設備点検の結果、感知器が火災を感知しても、警報器本体が発報しない状態であることがわかったため、これでは火災になっても気づくことができず危険だということで、理事会の判断で修繕を決めたものです。 総会で決めた予算をオーバーしていまったため、この事態をどのように理屈づけすればよいのか苦慮しています。
お礼
たいへん丁寧な回答をありがとうございます。 費用の件は、私の説明が不十分だったようです。消防設備の緊急修理だけで100万を使ったわけではなく、年度のもろもろの修繕で、予算の100万近くを使っており、その後、消防設備の不具合が判明し、約30万の修繕費が必要となり、トータルで予備費からの支出が125万になってしまったという状況です。 つまり、この消防設備修繕をすれば、トータルで予算オーバーになると認識はしていながら、その必要性を重視して、支出を決定したものです。 今後の対応方法についても、大変、勉強になりました。