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半導体のバンド構造で
半導体の基礎的なことについての質問です。 pn接合や表面準位を考慮したバンド構造を考えるとき 平衡状態に達したときはフェルミエネルギーが一致するよう なバンド構造になりますが、なぜなのでしょうか? またpn接合のときフェルミエネルギーは一定でドナー準位や アクセプタ準位が場所に変動する理由がよく分かりません。 よろしくお願いします。
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pn接合を作ると、n型半導体の電子がp型半導体へ拡散し、p型半導体の正孔がn型半導体へ拡散します。これは高濃度から低濃度の流れなので、pn接合でなくても、高濃度のn型と低濃度のn型の接合でも拡散が起こります。 拡散によって電子が増えたp型半導体は、-電荷が増えて電位が低くなるのでバンドが上がります。ややこしいですが、バンド図というのは下方向が+電位ですので、電子が増えたp型半導体のバンドは上がります。それと同時に、電子が増えたp型半導体のフェルミレベルは、価電子帯近くから伝導帯のほうに上がります。フェルミレベルは電子の存在確率が50%の位置なので、電子が増えればバンドギャップ中の位置は上に上がります。逆に電子の少なくなったn型半導体のバンドは全体に下がり、バンドギャップ中のフェルミレベルの位置は下がります。拡散はpn接合付近で最も多く、接合から遠いところでは起こりにくいので、pn接合付近で最もバンドが傾斜し、接合から遠いほど傾斜は緩くなります。傾斜というのはその部分の電界(電位差/距離)です。その傾斜の向きは拡散を抑える方向になっているので、電子の拡散はどこかで平衡状態に達してそれ以上起こらなくなります。そして最終的にフェルミレベルが水平になるところで拡散が落ち着きます。 今の状況をアニメションで示してくれるサイトがあります(http://kccn.konan-u.ac.jp/physics/semiconductor/diagram/a08.html)。ページ上のスライダを2つめの目盛りのところに動かすと、pn接合ができます(まだ電子の移動はありません)。目盛りを少しずつ右に動かすとn型半導体の電子がp型のほうに移動(拡散)していきます。それ同時にp型のバンドが持ち上がり、傾斜ができます。この傾斜は電子の動きを抑える方向になっているので、傾斜が大きくなるほど拡散が抑制されます。拡散が抑制されればp型にやってくる電子は少なくなるので、あるところでそれ以上傾斜が増えなくなります。スライダを4目盛りのところまで動かしたのがその状態です。スライダを5目盛りのところまで動かすと青い線が出てきますが、それがフェルミレベルで、p型とn型で一直線になっています。ページ一番上の水槽の例にあるように、フェルミレベルを水面の高さだと考えれば、水位の異なる水槽をつないだとき、最終的に水位(フェルミレベル)が水平になるとうのが理解できると思います。このページのアニメでは、接合界面付近のフェルミレベル(破線)が描かれていませんが、n型とp型のフェルミレベルを直線でつないだ線になります。 >pn接合のときフェルミエネルギーは一定でドナー準位やアクセプタ準位が場所に変動する理由 質問の意味はよく分かりませんが、不純物半導体のフェルミレベルの位置が、なぜ不純物濃度によって変わるかという意味ですか?フェルミレベルというのは、その位置で電子の存在確率が50%になるという意味ですから、不純物濃度が低ければバンドギャップの中央に近くなります。不純物濃度が高ければ、不純物レベルの位置にいる電子の数が多いわけですから、フェルミレベルはバンドギャップ中央から不純物レベルのほうに近くなります(不純物濃度が非常に高かったり、不純物レベルが伝導帯に近いとき、伝導帯に励起されている電子が多いので、フェルミレベルは不純物レベルを超えて伝導帯の中にまで入って来ます)。
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- inara1
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ANo.1のアニメションのページですが、最初に右上の「スタート」をクリックしてください。アニメが自動表示され、それが終わると「スライダ」が表示されます。その後、スライダを左端に動かしてから徐々に右に動かしていってください。
お礼
ありがとうございます。 平衡状態になったときの、電場が拡散 を抑えているととらえるのですね。よく 分かりました。