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死刑廃止も存置もどっちでも良い人に、死刑廃止になるとメリットがあると説得できる説明はありますか?
私は死刑廃止も存置もどちらでも良いと言う考えのものです。 (どちらでも良いので、今のままで良いとも言えます。) そこでお聞きしたいのですが、 私のような、死刑廃止も存置もどっちでも良い人に、死刑廃止になるとメリットがあると説得できる説明はあるでしょうか? 過去にこの類の質問を読みましたが、その時は「冤罪で死ぬ事がなくなる」と言う意見が多かったようで、それ以外だとあり難いです。
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法律で決めていることを単純にメリット・デメリットで理由付けするのは非常に難しいと思います。 まず、死刑廃止について法学または法哲学的にはこのように考えられています。 ・死刑は冤罪だった場合、取り返しのつかないことがあるため ・為政者の暴走の歯止めとするため(近代法学の理念です) ・法の実行力とのバランスをとるため です。 上の二つについては、他の方が回答していますので、「法の実行力とのバランスをとるため」という点について解答します。 まず死刑について問題点は2つあります。 最初は「身体刑(身体罰)」であるという点です。 近代法の理念ともかぶりますが、近代法では「個人の生存権」を脅かすような刑罰を与えることは禁じられています。ですので、たとえば万引きしたから手首を切り落とすという刑があったり、スピード違反したら鞭打ちという刑が有った場合、刑を執行した後(つまり罪を償った後)まで後遺症を残すことになりかねないことになるのは、問題があるのです。 刑の執行=法律的・社会的に罪を償ったことになるわけですから、その後も手首が切り落とされて仕事ができないとか、鞭打ちの後遺症で病院通いが一生続くなどの、「個人の生存権」が後々までおびやかされるようなことがあっては、「法の実行力とのバランス」のバランスを欠くことになります。 これらの量刑と個人の権利のバランスをとる中で、その他の身体刑は禁じているのに、死刑だけ残っているというのは、矛盾だといえます。 次に「人を殺したのだから、死刑」などと感情論が渦巻く犯罪をどこまで個人で罪を負うべきなのか、という問題です。快楽殺人が無いとは言いませんが、それでも殺人犯を含む犯罪者が、どのようにして犯罪を犯したのか、そこにいたる過程を見た時に、その責任を全て自己責任と言い切っていいのかということです。 最近、派遣切りされた人の問題がニュースになり、ある人は派遣村に行って生活保護を申請し、ある人は(派遣村があることも生活保護申請が出来ることも知らずに)食べる為に犯罪を犯してしまう、というニュースが入ってきます。 もちろん犯罪を犯すのは間違いだというのは簡単ですが、そもそもそこに至る過程(派遣切りされてしまうこと)自体は一緒で、たまたま派遣村にたどり着くか着かないかで、結果が分かれてしまった場合、犯罪全てが自己責任といっていいのでしょうか。また、生活保護をもらわなければならなくなった人の(人の手を借りるという部分の)そこに至る自己責任はどのような形で本人が負担するべきなのでしょうか。 私が「法の実行力とのバランスをとるため」と書いたのはこの点で、単純に 人を殺したら死刑→自己責任 困窮したら生活保護→セイフティーネット有り のようなことになり、全てのルールを法で規定するという法治国家にあっては、上記のような2面性があること自体が問題といえます。 もし、どのような過程(困窮・家庭内暴力被害者・まともな教育を受けられなかった子供時代など)があっても殺人したら死刑なら、どのような過程で貧困に陥ってもすべて自己責任にするのが、法治国家(法の実行力)のバランスといえのです。 逆に言えば、殺人を犯すような犯罪者であっても、法律的には救済する必要がありうるということです。 このような様々な形で救済を要する人々に責任を全て押し付けて、正しい社会(犯罪者を抹殺した世界)をつくろうとするのは、非常に不安定で危険だといえると思います。 さらに、法の強制力の限界という点も考える必要があります。 最近、飲酒運転に対する罰則が強化され、近年の事故死者数は罰則強化直前の半数まで減ってきています。ものすごく効果を挙げている反面、飲酒運転の発覚を恐れた運転手が無謀なひき逃げを起し、被害者を死に至らしめるという問題も起きています。 つまり厳罰は副作用が必ずあるということです。これが、「法の実行力とのバランスをとる」という言葉の中の、行き過ぎた強制力は実行力をそこなう、という事実のひとつです。 以上が死刑を廃止するべき理由(死刑を廃止した上で、豊かな安心できる社会をつくるべき理由)です。 ここから先は非常に理想的なことを書きます 日本は「他人の失敗に厳しい」国です。人口当たりの自殺者の数も多く、事業に失敗したとか、仕事に就けない、などの理由で自殺を選ぶ(特に男性)が非常に多くいます。 これは先に書いたような困窮した場合や人生に行き詰った場合のセイフティネットがしっかりと機能していないということでもあり、犯罪だけでなく「自己責任」という言葉が社会を荒廃させているということでもあります。 死刑を無くすことで、いや死刑廃止論をきちんと考える人が増えるだけでも、社会にある様々な矛盾があぶりだされて、よりより国を作ることができるのではないかと考えています。 その意味で、「死刑賛成、一人殺したら死刑」では、何の発展も改善もなされず、ただ単に罪を犯した人を「排除」するだけになってしまいます。 ただ単に排除する。これは恐怖政治そのものです。
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- huna-huna
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ヨーロッパから三等国扱いを受けなくなり、ヨーロッパに行きやすくなる。 死刑のある中国を見下せる。
お礼
それがマジ話ならかなりのメリットですね。政治的に。
- ryuken_dec
- ベストアンサー率27% (853/3139)
>その可能性はありえますが、 >正直、現実問題どのくらい可能性がある話なのかは、私には判断できません。 分からないからこそ、そういう危険なものはとりあえずなくしておくというのは極めて正当な判断になるかと思います。 「あるものが家に送られてきた。役に立つのかそれともいきなり爆発するのか分からないのか判断できないから、返品した。」 ただ、ここまでいろいろな人とのやり取りとテーマ設定を見て【説得できる説明】というのは困難ですよね。 「何があっても世界は俺のもの」という信念を持っている人に対して説得できる論理はないように、説得は相手がそれを受け入れる土壌を持っていることが前提になりますから。
お礼
返答有難うございます。 ryuken_decさんには、反論をしたつもりはなかったのですが、不愉快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。 以後、気をつけます。
補足
私の返答が、ダメだしに聞こえたようで、大変失礼しました。
- tarojordan
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「クロカミ」という死刑執行人制度(裁判員制度を皮肉ったものでしょうか)を題材にしたフィクションの小説があります。 http://www.amazon.co.jp/クロカミ-Black-Slipー国民死刑執行法-今井-恭平/dp/4877983759/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1234870385&sr=1-1 そこにこんなくだりがあります。 死刑制度を国民の大多数が支持しているのであれば執行を国民自身の手で行う(死刑執行員)のが一番妥当性があると・・・ これ以上はネタバレになるので是非一読をおすすめします。
お礼
是非読ませていただきます。 有難うございました。
ジョークでは、なく真剣な回答をしていますし現実だとおもいます。 このような質問が出来るような年齢(学習)をしていながら自分の態度が決められないあなたの方がよほどお笑いでは、ないですか? 死刑制度があろうがなかろうが犯罪者がいなければそもそも死刑になる人がいないので 人道的な問題は、ありません。 冤罪を起こす司法は、出世のために起きているかもしれませんが、それが犯罪抑止につながる可能性は、あります。 例え障害者でも人を傷つける可能性があるなら隔離されるべきです。 自由や人権は、人を傷つけずに生きられる人に認められたものです。 例えばそういう考え方にも視点を置いてみたらいかがですか? 色々問題があっても行動によって世の中は、動きますよ。 私が笑っているのは、大人(年齢に関係なくこのような質問が出来る人)が自分の態度や意見を決められない事です。 このような問題に対してメリットと言う言葉を使う時点でまともな回答がもらえるとは、思いませんがダメな日本が少しでもよくなればと思い回答しています。 現実を捉える力を持って下さい。 あえてもう一度回答させせていただくならメリットは、シャンプーです。 面白いですか?
- jamiru
- ベストアンサー率5% (170/3044)
メリット:「死刑判決を出された家族」という不名誉な傷が付かない。くらいかな? 射殺・事故死・自殺・病死なら不名誉にはならないでしょうし。
お礼
なるほど、加害者家族に視点を置きましたか。 限定的ではありますが、メリットはありそうです。 加害者家族の保護に関しても、蔑ろにはできません。 大切な問題ですね。 とても参考になりました。
- dai-ym
- ベストアンサー率22% (848/3824)
貴方がもし死刑になるような犯罪を犯したときに死刑になる可能性がなくなりますよ。 多くの死刑を廃止した国は宗教的な理由やその国の歴史的背景が問題であって、死刑廃止にメリットが有ったからやったわけではないです。 ある意味感情論にちかい話しですから、ちゃんとした理屈をつけて説得するのが実は難しい問題です。 特に日本のように死をもって罪を償うという考えを持っている国では死刑が当たり前と思う国民が少なくないので余慶に難しいでしょう。
お礼
>説得するのが実は難しい問題です。 申し訳ありません。その辺は重々承知しております。 回答有難うございます。
犯罪者が増えて弁護士は、儲かりますし(儲からないまでも仕事が増えて権力が増す)遺族は、理不尽な犯罪を受け入れるために宗教に頼ると言う事も考えられるので少なくともこの両者には、メリットになります。
- ryuken_dec
- ベストアンサー率27% (853/3139)
国家が暴走した時に政敵や反抗する民衆を"正当に"消していくことを防げます。 見掛け上、正当に処罰しているので外部からの干渉も遅くなります。(表面上は正当な政治を行っている政府への内政干渉ですから)
お礼
回答有難うございます。 その可能性はありえますが、 正直、現実問題どのくらい可能性がある話なのかは、私には判断できません。 まぁ、「まず無い」とは思うけどその根拠はありませんし、 「近い将来ありえる」と言う根拠もありません。
- angellost
- ベストアンサー率15% (6/39)
では釣られて見ますと、 問題は判断する側に、実際に間違いがあったという事実です。 知能の低いアメリカ国民の例がここに挙がっていますが、 判断に間違いがあり死刑に処されたという事実がある以上、 判断する側はアメリカ人であるとは限らないし、 死刑にされる側の弱みが低い知能ではないかもしれない。 事実から何を受け取るかは人によって違いますが、 自分が死刑にならなければかまわないという方には、特に意味がないように思います。 ではおやすみなさいませ。
補足
以下は、私の考えです。 >事実から何を受け取るかは人によって違います 冤罪に関しては、人事ではないと思います。 犯罪者としてではありません。裁きを下す裁判員としてです。 日本でも5月21日から、裁判員制度が始まりますが、 それは、一般市民の裁判員が、裁きを下すようになると言う事です。 冤罪によって死刑と言う殺人を、行ってしまう「かもしれない」という、漠然としたストレスは出て来るでしょう。 疑わしきは罰せずが原則ですが、人間は完全ではありません。 そのストレスから開放されるのならば、一般の市民にとっても、死刑廃止によるメリットとがある。と言えるでしょう。 ただ、私の考えは、説得力はありません。 これを聞いて、「じゃあ、私も死刑廃止に賛成します。」と思う人はまずいないでしょうから。 残念ながら、私が考えられる「一般市民へのメリット」は、この程度です。 ですから、抜群な英語力を活かし、世界のあらゆる文献を熟読し、それを自分の考えとして構築する事の出来る賢さと、 素晴らしい教養をお持ちであろう、貴方様の、的確かつ説得力のある意見を聞きたいと思っています。 これは、皮肉では有りません。非礼がありましたら、お詫び申し上げます。 的確で、分かりやすく説得力のある「死刑廃止による、一般人へのメリット」を、ぜひお聞かせ下さい。
- asefuji
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廃止国と犯罪者の引渡し条約が締結しやすくなるでしょうね。 死刑廃止国から見れば、死刑存置国は残虐な刑罰を行っている国ですから そんな国に自国民を引き渡せません。
お礼
回答有難うございます。 もし増えればメリットになりますね。 犯罪人引渡し条約が、日本は2国(そのうちブラジルも追加される)しか結ばれていないのは何故かを問うと 必ずこの話はでてきます。 根強い支持層があるのでしょうね。
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お礼
>死刑廃止について法学または法哲学的にはこのように考えられています。 申し訳ありませんが、そのような倫理や理念は既に勉強しているつもりですし、 一応には理解しているつもりです。 出来ればぶらーっとしたお馬鹿な青年に、「そうか!俺も死刑廃止を支持します!」 と思わせるような説得力の有る回答がありがたいです。(非常に困難な事は承知しております) ただ、非情に丁寧で真剣な回答、大変感謝いたします。 >死刑廃止論をきちんと考える人が増えるだけでも・・・よりより国を作ることができるのではないか 全くその通りだと思います。 死刑廃止論を読むたびに、理念は素晴らしいと思います。 ただ、多くの死刑廃止をうたった文章は、自分の理念に酔っているだけで、 一般の国民に投げかける事は、殆んど「放棄」しているのが現状かと思います。 (明確に一般人へのメリットを提言している論文や本、文章がありましたら教えてください。) 死刑廃止の理念に関して、多くの方が興味を持ってくれれば、より良い社会に繋がると思います。 たとえそれを聞いて、死刑廃止を支持しなくともです。 肝心な事は、どうやって興味を持たせるかです・・・。