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古典文法「な…そ」の間に入るカ変動詞の活用形は?

古典文法「な…そ」の間に入るカ変動詞の活用形は? つぎの説明に混乱しています。 自分の手持ちの辞書なので、版が古いです。1は第2版が出ているし、3は第6版が出ています。どうかお願いします。 1『日本国語大辞典』第1版(小学館)は古形の命令形 2『国語大辞典』(小学館)は古形の命令形 3『広辞苑』第五版(岩波書店)は古い形の命令形 4『大辞泉』(小学館)は未然形 5『大辞林』(三省堂)は未然形 どうか詳しい方、お願いします。

みんなの回答

  • kzsIV
  • ベストアンサー率53% (238/446)
回答No.4

 古典文法は、平安時代語を基準にします。平安時代語では「な……そ」は  四段活用の場合は   なのりそ なのたまひそ ものな思ひそ  下一段・下二段・上一段活用 の場合は   な用ゐそ なとがめそ 春な忘れそ な起きそ  カ変・サ変活用の場合は   なこそ なせそ となります。   四段・一二段  連用形   カ変・サ変   命令形 とするよりは   四段    連用形   一二段   連用形か未然形   カ変・サ変 未然形 とする方が穏やかです。  「べし」「まじ」の接続のことも話題に上っていますが、推量系の助動詞の接続にも同様のことがあります。   行くべし 忘るまじ 見るらむ は終止形接続(か連体形接続)で、   起くめり くべき宵なり すまじきものを は終止形接続で   あるまじ あらざるべし 立てるめり は連体形接続です。  古典文法で活用形は、未然・連用・終止・連体・已然・命令の6形が設定されていますが、これは活用形の数を少なくして語形変化が最も激しいナ変活用の数に押えたためです。「推量形」という活用形を設定すれば、「べし・まじ・らむ・めり……は推量形接続」ということになります。「な……そ」も同じことが言えます。     連用形          ??形                 | 未然形   思ひて  思ひき | 思ひし事  思ひしかど  な思ひそ | 思はず    忘れて  忘れき | 忘れし事  忘れしかど  な忘れそ | 忘れず   おはして おはしき| おはせし事 おはせしかど なおはせそ| おはせず   して    しき   | せし事    せしかど    なせそ   | せず    きて    きき   | こし事    こしかど    なこそ   | こず  このほかにも「完了形」「受身形」「使役形」など設定しようとすればできなくはありません。しかしいたずらに活用形をふやしても文法が分かりやすくなるわけではありません。この種のことは、「学者によってまちまちなので本当はどれが正解か、はっきりしない」というよりは「正否を決めることが本質的な事でないことが分かっているので、学者は断言をしない」のでしょう。  

shopy
質問者

お礼

お礼がおそくなって申し訳ありませんでした。 補足まで頂戴し、ありがとうございました。 「正否を決めることが本質的な事でないことが分かっているので、学者は断言をしない」という一節は、蒙を啓かれた気がします。

  • lerajie
  • ベストアンサー率42% (3/7)
回答No.3

 回答番号No.1の者です。  すみません、言葉が足りませんでした。  カ変未然形と、命令形は「来」の読みが共に同音の「こ」となっていることから混同されているのではないかと推測しました。  それと、「な…そ」は基本的な働きとして、挟んだ用言(というか「そ」の直前に置かれた用言)を連用形にする働きがあったように思われます。  すみません、あと…近現代文学に詳しくないもので、No.2の方が仰る白秋の短歌というのが何を指すのかわかりません…勉強不足で申し訳ないです。  蛇足ですが、学校文法では「禁止」というのは「当然・義務の打消」です。助動詞の「まじ」などがこの意味を持ちます(これは接続関係からいえば「べし」と同じく終止形接続です)  「な…そ」は「まじ」や終助詞「な」より少し丁寧な言い方だったと思います。となると「べし」よりは「む」に近い属性となるのではないかと思われます。「む」は未然形接続です。  ただ、身も蓋もないことを言いますと文法定義は学者によってまちまちなので本当はどれが正解か、はっきりしないのが実情です。  ただ、学校文法(橋本文法とも)ではこのような分類・接続だったと思いますが…もっと勉強してきます。

shopy
質問者

お礼

補足までいただき、ありがとうございました。

  • kwan1234
  • ベストアンサー率18% (111/603)
回答No.2

私も当然のように未然形だと思っていましたが、ご質問とそれに対するご回答を読んで、本来は命令形とすべきなのかなあと思いました。 「な」「そ」の意味がいまいちよくわからないのですが、禁止の意味なら未然より命令の方が近いように思います。 NO1の回答者がカ変の命令形「コ」の例を出されましたが、同じように奈良時代にはサ変の命令形に「セ」があったようです。 NO1の回答の >混同が起きたのではないでしょうか。 は何が混同かが問題のようです。 ところで白秋の有名な短歌に「な鳴きそ」という部分があるのですがこれも新しい問題を提起するのではないでしょうか?

shopy
質問者

お礼

ご回答の中の、奈良時代のサ変の命令形に「セ」があったという一節は、日本国語大辞典の第一版のいう「カ変・サ変の場合は命令形の古形「こ」「せ」」とか、広辞苑の第五版のいう「カ変・サ変では古い命令形の「こ」「せ」」とかいった説明と符合するような気がしました。ありがとうございました。

  • lerajie
  • ベストアンサー率42% (3/7)
回答No.1

 私の持っている岩波の古語辞典では「未然形」でした。  そもそも「な…そ」の意味が禁止ですので、未然形接続であろうと思われます。命令形接続は、現段階の通説では殆ど存在しないはずです(一部已然形を命令形とする研究者も、いますが)  ちなみに何故「命令形」とする辞書があるか…ですが。  こちらは想像で、確かとは言えませんが、カ変命令形は「来(こ)よ」ですが、まれに「来(こ)」のみの用例が見られる場合があります。文法書などにはカッコ書きで記載されていたりします。  『更級日記』に、「いづら、猫は。こち率て来」とあるような例です。文脈上、この「来」は命令と捉えられるので、語尾省略なのか命令形として独立しているのかが曖昧で、このような表記になります(他にもありますが)  そのために混同が起きたのではないでしょうか。

shopy
質問者

お礼

カ変の未然も「こ」で、ご回答に引かれた『更級』の用例にあらわれる「来(こ)」が命令ととらえられているように、命令にも一部「こ」が見られるので、混同がおこったとのご説明、ありがとうございました。

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