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オペアンプの帯域について
質問です。オフセットが1Vのった2Vppの130kHzの方形波を減算回路で1V減算すると、130kHzの正弦波がひずんだような形になります。振幅は1.3Vと若干大きくなります。 減算回路の抵抗はすべて500kΩで、増幅度1倍で設計しています。オペアンプのスルーレートは13V/usでGB積は3MHzです。 きれいな方形波を得るには性能の良いオペアンプを使うしかないのでしょうか。増幅度は1倍で、帯域も間に合っているように思えるのですが。振幅が大きくなる理由もわかりません。ちなみに入力の方形波の周波数を下げると(1kHzくらい)、入力とほぼ同じ方形波が出力されます。 どなたかわかる方お願いします。
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>TL072だと抵抗を変えても変化は見られないのでしょうか 変わります。 ANo.1は、TL072とLF356の周波数特性と出力波形を回路シミュレータで見て回答したのですが、TL072だと500kΩの抵抗でも波形はきれいでした。 しかし、500kΩという抵抗は常識的には高すぎます(オペアンプの入力容量の影響を受けやすい)。回路シミュレータで、故意に入力容量をつけてみたところ、入力容量が3pF大きくなるだけで波形がかなり乱れています(参考URLにシミュレートした波形と周波数特性を貼っておきます)。入力容量が10pF増えると、周波数特性のピーク(300kHz)の成分を持ったリンギングがかなり大きく波形に現れます。しかし、抵抗値を減らして10kΩにすれば、入力容量が10pF増えてもきれいな波形のままです。TL072はシミュレーション上では500kΩの抵抗でも波形はきれいでしたが、実際のデバイスでは等価的な入力容量がこれより大きかったり、配線による浮遊容量が加算されている可能性もあるので、抵抗値を減らすことが一番確実な対策だと思います。抵抗を全て10kΩ程度にすることをお薦めします。 出力波形に乱れが生じるのは、抵抗値と入力容量によるものなので、GB積の大きなオペアンプに変えても症状は改善されません(波形の乱れがより高い周波数成分になるだけ)。どうしても500kΩの高抵抗を使わなければならない場合(入力インピーダンスを高くしたい場合など)には、下図のように、帰還抵抗に並列に数pFのコンデンサ Cf をつけて入力容量の影響を補償すれば波形の乱れを改善できます(コンデンサの容量を変えてみて出力波形が最もきれいな矩形波になるようにする)。Cf のところに、容量を可変できるトリマコンデンサ(http://akizukidenshi.com/catalog/items2.php?q=%22P-01327%22&s=score&p=1&r=1&page=)をつけて、波形を見ながら調整してもいいと思います。 ┌─── Cf ──-┐ ├── 500kΩ ─┤ 130kHz │ │ 0~2V(2Vpp) ─ 500kΩ ─ ・─┤- \ │ │ │ >── ・─ 出力 -1VDC ─ 500kΩ ─┘┌┤+ / | GND(0V) -──────┴──────── 【波形をきれいにするために Cf を追加した減算回路】
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文中の遮断周波数fcの計算式に誤記がありました。 お詫びして訂正します。 誤記訂正: × 遮断周波数fc=1/(ΠCR)=159[KHz] ○ 遮断周波数fc=1/(2πCR)=159[KHz]
- morimot703
- ベストアンサー率64% (27/42)
あくまで、参考ですが、 130kHzでしたら、電源のスルーレートが気になります。 電源からの距離が遠いとか、、、 オペアンプICのVccとGNDの間に小容量のコンデンサを入れてみては どうでしょう。
お礼
ありがとうございます。参考にさせていただきます。
オペアンプの入力抵抗が500[kΩ]で その抵抗はバーチャルショートでGNDに接続されている。 配線の引き回しによる浮遊容量を2[PF]とヤマカンで決めると 遮断周波数fc=1/(ΠCR)=159[KHz] のLPFが形成されたと考えるのはどうでしょうか。 周波数横軸に利得を縦軸にして周波数を何点かで 利得のデータをグラフにプロットすると、はっきり するかもしれません。
お礼
ありがとうございます。浮遊容量をこれまで全く考えていませんでした。 もっと深く勉強したいと思います。
- inara1
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減算回路というのはこういう回路ですか? ┌── 500kΩ ─┐ 130kHz │ │ 0~2V(2Vpp) ─ 500kΩ ─ ・─┤- \ │ │ │ >── ・─ 出力 -1VDC ─ 500kΩ ─┘┌┤+ / | GND(0V) -──────┴──────── 理想オペアンプなら、この回路の出力は、オフセットゼロの2Vppの矩形波(電圧範囲は -1V~1V )になります。スルーレートが13V/us程度なら、130kHzでも出力波形はほとんど矩形波のままです(立上り・立下り時間が0.1μsくらいのややなまった波形ですが)。 実際のオペアンプでは、減算回路の抵抗値が大きいと、入力端子の静電容量(数pF)の影響を受けて、利得の周波数特性にピークが生じることがあります。オペアンプがTL072なら問題ないですが、LF356だと数百kHzに利得のピークが生じて波形がかなり汚くなります。LF356をお使いなら抵抗値を全部 10kΩ にしてみてください。130kHzでも出力波形はきれいになるはずです。 TL072はスルーレート13V/us・GB積3MHz、LF356はスルーレート12V/us、GB積5MHzと似た特性ですが、LF356のほうが位相余裕が少ないので、高抵抗を使うと、入力端子容量の影響を受けて利得ピークが生じやすくなります。ご使用のオペアンプの型番は何でしょうか。
補足
遅くなりすみません。 詳しく答えていただいてありがとうございます!! 使用しているオペアンプはTL072です。回路図も同様のものです。 TL072だと抵抗を変えても変化は見られないのでしょうか。
お礼
詳しく説明していただいてありがとうございます。入力容量をこれまで全く考えていませんでした。もっと勉強したいと思います‥。 抵抗を1kΩに変えてみたところ、きれいな方形波が得られました。今回、入力インピーダンスを高くしたくて、500kΩの抵抗を用いていましたが、抵抗は1kΩに変えることにしました。入力インピーダンスの問題はバッファを用いて解決しました。 Cfを並列に入れてもできるのですね、とても勉強になります。ありがとうございました!