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バイポーラトランジスタについて

バイポーラトランジスタについて質問があります。 先日バイポーラトランジスタの静特性に関する測定実験を行ったのですが、リニア状態・飽和状態、ならびに電流増幅作用がいまひとつ理解できませんでした。 また、作成したnpnバイポーラトランジスタ測定回路においてコレクタ側に抵抗を接続する理由も教えていただければ幸いです。どうやら二つの理由があるらしいところまではわかったのですが、詳しくはわかりませんでした。 よろしければ簡潔に説明をお願いします。 念のため回路の概略を記述しておきます。 ベース側には電源1.5Vの乾電池、直列に1kΩ抵抗と可変抵抗がつながっており、コレクタ側には電源9Vの乾電池と510Ωの抵抗がこちらも直列に接続されており、エミッタ側はアースにのびています。 さらにIb,Ic,Vbe,Vceを測る電流計・電圧計が各部に適切に接続されている状態です。 実験内容としてVbe-Ib特性グラフ、Ib-Ic特性グラフ、Vce-Ic特性グラフを作成しました。

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  • inara1
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回答No.2

>コレクタ側に抵抗を接続する理由 コレクタ電流を制限して、トランジスタの発熱を抑えるためです。 実験回路は以下のようなものだと思います。                  Vcc (+9V)                    │                   510Ω ↓コレクタ電流 ic                    │      ベース電流 ib →    c  ┌─ 可変抵抗 ─ 1kΩ ─ b  ← NPNトランジスタ  ━ +                e  ■ 1.5V             │↓ ib + ic  └───────────┴───── GND (0V) NPNトランジスタが 2SC1815 の場合でシミュレーションしてみました。 コレクタ抵抗を 0Ω とした場合、可変抵抗が 0Ω になると、ベース-エミッタ間電圧は Vbe = 0.77V、ベース電流は ib = 0.73mA 、コレクタ電流は ic = 64mA になりました。コレクタ-エミッタ間電圧 Vce は 9V なので、トランジスタの消費電力(発熱量)は Pc = ic*Vce = 64mA×9V = 578mW となります。2SC1815 の許容コレクタ損失(消費電力の最大値)は400mW なので、これでは最大定格オーバです。一方、コレクタ抵抗を 510Ω とした場合、コレクタ電流 ic は最大17.5mA に制限されます( ic が最大となるのはトランジスタがON、Vce ≒ 0V になったとき)。ic が大きくなるに従って Vce は小さくなる( Vce = Vcc - ic*510 ) ので、トランジスタの消費電力が最大となるのは ic = 17.5mA のところでなく、もっと小さい電流のところになります。最大消費電力は Pc = 40mW ( ic = 10mA のとき)です。これは許容コレクタ損失より充分小さい値です。つまり、コレクタ抵抗を入れることによって、トランジスタの最大消費電力を抑えることができます。 >リニア状態・飽和状態、ならびに電流増幅作用がいまひとつ理解できませんでした リニア状態というのは、トランジスタ本来の動作をしている状態です。トランジスタ本来の動作状態というのはベース電流 ib に対してコレクタ電流 ic が100倍程度流れている状態です。例えば、ib = 0.01mA のとき ic = 1mA とか、ib = 0.02mA のとき ic = 2mA になっている状態です。ib が 0.01mA 増えたとき、ic は 1mA 増えていますが、ib の変化分よりも ic の変化分が大きいとき、電流が増幅されていると言います。そのような働きを電流増幅作用といいます。ib の変化分Δib とic の変化分Δic の比 Δic/Δib を電流増幅率といいます。電流増幅率は hfe などの記号で表わされますが、普通のトランジスタはhfe = 10~800 という値をもっています。 このようなリニア状態にあるのは、Vce が1V以上ある場合で、上の測定回路では ib < 0.2mA の範囲になります(実験結果もそうだと思います)。 ベース電流 ib を横軸に、コレクタ電流 ic を縦軸にしたグラフを描いてみると、ib < 0.2mA の範囲では、ib に対して直線的(リニア)に ic が変化していることがわかります。しかし、0.2mA < ib の領域では、ib が大きくなっても ic は増えず、一定( 17.5mA )になっています。このような状態を飽和状態といいます。 なぜこのようなことが起きるのかというと、それはコレクタに抵抗(510Ω)が入っているからです。ic が増えると、コレクタ抵抗による電圧降下(ic*510)によって、コレクタ-エミッタ間電圧 Vce が小さくなっていきます。ic が 17.5mA になると、コレクタ抵抗の両端の電圧(電圧降下)は 0.0175*510 = 8.925V になります。コレクタ-エミッタ間電圧 Vce は電源電圧(Vcc)からこの電圧降下を差し引いた電圧なので、Vce = 9V - 8.925V = 0.075V になります。トランジスタというのは、コレクタ-エミッタ間に約1V以上の電圧がかかっていないと正常に動作しません。正常に動作しないというのは、電流増幅率 hfe が本来の値(10~800)よりも小さくなってしまうという意味です。 トランジスタ(2SC1815)のデータシート(http://www.semicon.toshiba.co.jp/docs/datasheet/ja/Transistor/2SC1815_ja_datasheet_071101.pdf)の2ページ目の左上隅のグラフ(Ic-Vce)を見てください。これは、ベース電流 ib を一定にした状態で、、コレクタ-エミッタ間電圧 Vce を変えたときに、コレクタ電流 ic がどのような変わるのかを示したものです。 ib を変えると特性が変わりますが、どの曲線でも、Vce が小さいところで ic が急変しているのに対して、Vce が 1V 以上のところでは、Vce を変えても ic はあまり変わっていません。Vce が小さいところで ic が急変しているところが、上で説明した「飽和領域」、Vce が 1V 以上のところでic があまり変わらない領域が「リニア領域」です。データシートのグラフを見ると「飽和」と「リニア」が逆ではないかと思えるかもしれませんが逆ではありません。「リニア」や「飽和」というの意味は ib に対する ic の変化のことです。データシートのグラフはVce に対する ic の変化です。Vce に対して ic が変化していない(飽和している)ところは、ib の変化に対して ic が大きく変化している領域(リニア状態)になります。Vce に対して ic が急変しているところは、ib の変化に対して ic があまり変化していない領域(飽和動作)になります。ややこしいかもしれませんが、リニアと飽和というのは、電流増幅作用についての意味で、ib の変化に対する ic の変化がリニアかどうかという意味だということを理解してください。

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  • semikuma
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回答No.1

工業高校生か高専生でしょうか。下のようなバンド図はご存知ですか?   E  B    C         _   __ /_\   __ /  \\            \\___             \___ バイポーラトランジスタは歴史的経緯から電流動作で説明されることが多いですが、理想的にはFETと同様電圧で動作するものであり、そう考える方が定性的には遥かに理解しやすいです。 エミッタ(E)は接地されていますから、ここを基準として負の電圧を掛けると上に、正の電圧を掛けると下にバンドは平行移動します。 ベース・エミッタ間の電圧が0のとき、バンドギャップに近い電位障壁があるので電流は流れず、p型半導体であるベース(B)には正孔がバンドの下に、n型半導体のエミッタ(E)には電子がバンドの上側に溜まっています。 ベース・コレクタ間は逆バイアスが掛かっているので、コレクタ(C)にはキャリアがありません。(空乏化している)。 ベース電流を流すと(正孔を注入すると)、正孔がエミッタ側に溢れ出ることにより電流が流れますが、エミッタの内部抵抗によりベース側に正の電圧がかかり、エミッタ・ベース間の障壁が下がります。 これによって電子もベースに溢れ出しますが、ベースは薄いのですぐにコレクタ側へ注入され、逆バイアス電圧によりコレクタ電極へ引き出されます。 コレクタ電流は、本質的にはベース・エミッタ間のPN接合の順方向電流であり、ベース・エミッタ間の電圧に指数関数的に増加します。 つまり、僅かなベース電流の注入(変化)によってコレクタ電流が大きく変化することが、トランジスタの「増幅作用」です。 但しある程度コレクタ電流が増えると、コレクタ抵抗による電圧降下によりコレクタ電圧が低下するため、IbとIcの関係はリニアに近くなります。(リニア状態)。 またエミッタ・ベース間の電位障壁がある程度下がると、もうそれ以上下げられなくなり、コレクタ電流は増えません。(飽和状態)。 コレクタ抵抗は、上のように電流が流れすぎることを防いでリニア状態を作り出すとともに、トランジスタの破壊を防ぐために入れます。

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