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民法650条と702条について教えてください
民法650条1項2項では、「必要な費用、債務」と表現されているのに・・・・・・ 702条では「有益な費用、債務」と表現されているのはなぜでしょうか? これは賃貸借や借地借家法でよく出てくる、有益費と必要費のことなのでしょうか? 僕的には、「賃貸借や借地借家法」で使われている意味とは違うように思うのですが、僕のとれらえ違いでしょうか?
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1 650条1項2項の「必要と認められる」と702条の「有益な」の解釈について 650条1項2項の「必要と認められる費用」「必要と認められる債務」の「必要と認められる」とは,「受任者が事務の処理に当たって善良な管理者としての注意を用いながら必要と認めて支出・負担した」ことをいい,そうである以上,結果的に不要であった場合でも構わないと解されています(通説)。 次に,702条1項2項の「有益な費用」「有益な債務」の「有益な」とは,価値を増加させたという意味(民法608条2項の「有益」費の「有益」はこの意味)のみならず,「管理者が事務の処理に当たって善良な管理者としての注意を用いながら必要と認めて支出・負担した」ことをも含めて解するのが有力です。 判例においても,「売買契約による代金の支払と目的物の引渡しを受ける行為についてのみ買主から代理権を与えられていた者が,売主から代金の増額を要求され,これを拒否すると売主が留保する解除権を行使されて買主が多大な損害を受けるおそれがあるため,買主の同意を得ず独断で右値上げに応じたことは,買主のためにその事務を管理したことに当たり,民法702条2項の法意により,買主はこれを自己の債務として弁済すべきものである。」(大審院大正6年3月31日判決)としております。 2 条文の表現の違いについて 条文がなぜそう表現されているのかについては,そう表現されているからそうなのだとしか,本来言いようがありません。 ただ,立法者がそう表現した趣旨について推測すると, ○委任は,当事者が自らの意思で契約関係に入ったのであるから,650条1項2項についての知識を前提にすれば,委任者にとっては予想外の負担とはならない。 ○一方,事務管理は,他人が義務なくして事務を管理することにより,事務管理を受ける側としては予想外の負担となる。 このことから,請求できる費用・債務負担について,事務管理のほうが制限的であるべきである, ということではないでしょうか。 しかし,1で述べたような解釈をすれば,結局その意味するところはほとんど相違ないことになり,条文の表現を問題にする意味が小さくなります。
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- diamondsto
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既に暫く法律から離れていた素人の回答として読んでください。 ちょっと自信の無い例えですが、なんらかの理由で耕作放棄となったAさんの農地があって、 1.AさんがBさんに荒れない様に耕作を委託した場合(委託) 2.Bさんがこれでは荒れ放題になるからと、除草や耕作をしてあげて、Aさんが客観的に利益を受け、更にそれに感謝する場合(事務管理) 3.Bさんが放棄するなら賃貸してくれと、依頼して耕作を始めた場合。(賃貸借) 1.では契約で耕作という債務を履行するのに「必要な」費用。 2.ではBさんの事務管理により、Aさんに「利益を生じさせた」費用。 3.では普通に耕作した以上の行為により、Aさんに「利益を生じさせた」費用。 が、おおむね質問の文言の内容であり、必然的に言葉の言い換えや、範囲の広狭が生じると思います。 1.と2.は、契約の有る無しによる言い換えで、ほぼ同じ内容。 3.は賃貸借契約という性質上、やや狭まる。と記憶しています。 本来は、論理的に述べるべきですが、もう頭も無いので、後は上記を念頭に入れていただいた上で、六法や基本書でご自分で御理解下さい。
お礼
ご解答ありがとうございます! 前質問にも答えていただいて、今回もご助力いただき感謝します\(^-^)/ 今回、自分が想像していたより、深いところに疑問を持ってしまったみたいです^^; でも頑張って知識を物にしたいと思います!^^ diamondstoさまのアドバイス、大変助かります!
お礼
ご解答いただき、ありがとうございます! 650条(委任による受任者の善管注意義務)は契約によって成立しているものなので、「受任者が善管注意義務の範囲と認められる行為をした」のなら、それが結果的に不要なものでも払いなさい。 702条(事務管理)でも、「事務管理の管理者の義務の発生事項」に「善管注意義務」もある(参考書に書いてありました)ので、上記650条の場合と同じ結果になるような感じ(有力説)ですが、「立法者が表現した趣旨を考慮する」と、事務管理の方が「善管注意義務と認められる」には、同じ善管注意義務でも少し厳しくなる(制限的になる) ということですね!^^ (同じ内容ですが言い方を変えて・・・有益な費用という言葉をを入れてなかったので^^;) ↓ 702条「有益な費用」は賃貸借等でよく出てくる「有益費(608条2項)」もちゃんと含んでいて、さらに事務管理者には善管注意義務があるので、事務管理の内容が善管注意義務の範囲と認められたら、(ここは委任のときより制限的になるけど)本人(事務管理をしてもらった方)はその費用を払いなさい。 善管注意義務が認められる範囲の金額を返してもらえれるのなら、それは608条2項有益費(現存利益)より多額の金額になるはずなので、もちろん608条2項「有益費」も入ると見ても、なんら問題なさそうですね^^ 費用変換可能範囲は・・・650条(委任)>702条(事務管理)>608条2項(賃貸借) という感じですかね^^ なんか三つとも、善管注意義務がどのように絡んでくるのかで、色々と話が違ってくる感じがしますね^^; 上記僕のとらえ方に勘違いしているところがあったら、指摘していただけらありがたいですm( __ __ )m