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水の電気分解で、陽極ステンレス・陰極チタンとすると電流が流れるのに、逆にすると流れません、なぜでしょうか?
夏休みの自由研究で水の電気分解をしました。 電極は、5*5cmのステンレス(SUS304)とチタンを用意しました。(いずれも東急ハンズで購入) ステンレス(SUS304)の電気抵抗は72マイクロオーム/cm http://www.coguchi.com/data_s/stainless/stainless1/index.html チタンの電気抵抗は55マイクロオーム/cm http://www.youdocan.ne.jp/sinsozai.html です ちなみに銅は0度で1.55マイクロオーム/cmでニクロム(ステンレスの親戚)は107.3マイクロオーム/cm http://www-lab.ee.uec.ac.jp/text/misc/Metal_R.html チタンもステンレスも電気を通しにくい(=発熱しやすい)素材ですが・・・電食を避けるために、手近な材料として選定しました。 電源は菊水の安定化電源(12V18A) 電源から電極までのリード線の抵抗は片側0.03オームです。 電極は電解質に浸し・接合部は18Kメッキの端子をプラスチックのビス・ナットで固定してあります。 電解液は1%mol 水温25度 のNaOHを使いました。 このとき非常に奇妙な現象が起こります。 いずれも電圧10V・電極のギャップは2mmです 1.陽極ステンレス 陰極ステンレス 電流8.0A 水素・酸素が多量に発生する 茶色い析出物ができる 2.陽極ステンレス 陰極チタン 電流10.55A 電流は1より多いものの、気体発生は1.の半分にもみたない 3.陽極チタン 陰極ステンレス 電流0.2A 間違いではありません。何回測定しても同じ0.2Aです 4.陽極チタン 陰極チタン 電流0.1A 間違いではありません。何回測定しても同じ0.1Aです ここで、質問です 1.陽極と陰極の材質を入れ替えた場合、なぜ、電流の流れやすさ(=抵抗?)が変わるのでしょうか。(まるで、ダイオードです) (しかも、陽極ステンレス・陰極チタンとした場合・ステンレス-ステンレスより多く電流が流れるが、発生量は少ない) 2.チタンはステンレスより電気抵抗が少ないのになぜ、電流が流れないのしょうか?(酸化被膜かと思って、接点を磨きましたが同じです。) 3.オームの法則から電極の抵抗+電解質の抵抗(?)は それぞれ、10V/8.0A-0.03*2(リード線)=1.19オーム それぞれ、10V/10.55A-0.03*2=0.89オーム それぞれ、10V/0.2A-0.03*2=49.9オーム それぞれ、10V/0.1A-0.03*2=99.9オーム となりますが、テスターで直接計測すると計測不能です。(絶縁されているように見えます)なぜでしょう? (ある程度以上の電圧がないと電気分解ができず電流が流れない=抵抗が測れないからでしょうか) 4.ものの本には、析出量(電気分解された物質の量は)、流れた「電気量」(電流x時間)に比例する(ファラデーの第一法則)とあります 電極間の距離を近づけてもっと電流を流せば多量に水素と酸素が発生する「はず」ですが、そうはなりません。 ステンレス-ステンレスで1mmまで近づけると、あっという間に「湯沸かし器」状態になってしまいまい、かつ発生量は殆ど変化しません。 これは、「泡の抵抗」とかも関係するのでしょうか? 5.となると・・・100V10Aと10V10Aでは(同じ電流が流れるように電極の距離を調整した場合)、 酸素・水素の発生量は「同じ」で、100V10Aの方は大部分熱エネルギーになってしまうということでしょうか?すみませんDC100Vが取れないもので・・・) この温度上昇をさせずに、効率的に電気分解をするにはどのような工夫が必要でしょうか? 6.色々な装置を見ると、陽極にはニッケル・陰極には鉄を使ったものがありますが、電極の材質として最も適切なものは何でしょうか? http://www.sunwell.co.jp/whats/system.html (試しにニッケルメッキの金具を陽極にしましがた、あっという間にメッキがはがれ点々と錆びてしまいました。電極をチタン材に白金メッキしたもので実験したいのですが、白金や金はとても高すぎて手がでません。SUS316Lならば電食なく使えると考えてよいのでしょうか?(それでも発熱するだろうな・・・) 7.茶色い析出物は何でしょう?(陽極側に発生する。ステンレスの鉄分のサビかと思いますが・・・) 8.もっと効率的な(収量の多い)・発熱の少ない方法がありましたらご教唆ください。 特に電極の材料・形状について教えてください。 他にも、DCでなく高周波で分解するとか、パルス変調をかけるとか・・・(液温が上がると収量が増えることだけは確認できました。) 追記:自分で実験してから聞け!という声もあるかと思いますが、高1なので高価な実験材料・機材が買えないのです・・・。よろしくお願いします。
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- hiro_wood
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「分子レベルからみた界面の電気化学」日本化学会 編B5判/250頁 本体価格3200円という本があります。 目次から 1 分子レベルからみた界面の電位発生機構・・・前田正雄 2 金属電極の化学---電析と溶解・・・春山志郎 7 陽極酸化皮膜の化学・・・佐藤教男 あたりが(8以外の質問に対して)参考になると思われますので参考にされては如何でしょうか? (近くの公共の図書館で借りるのもよいかと存じます)
- c80s3xxx
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これ,ちゃんと答えてもいいんだけど,そうすると自由研究の考察すべきことをすべて誰かに聞いた,って話になって,せっかくやったのが台無しではないかと. まあ,ヒントくらいにしておきますかね. 1. 観察事実と合わせると,起こっている反応は水の電気分解だけではない,ってところが問題. 2. 今回の全実験を通して,電極や配線の電気抵抗は,まったく問題にならないくらい,十分に小さいとみなしてかまわないから. 3. そもそもオームの法則は大変に精度の低い法則である.とくに電極と溶液の界面については,オームの法則はまったく意味をなさないので,電流と印加電圧から抵抗を求める作業自体が物理的に全く無意味.テスタでの抵抗値が大きい理由の推定はいい線をついている. 4. 電極を近づけると電気抵抗が減るから電流が増えるという想定だと思われるが,この系ではそう単純ではない.というか,数 mm から数 cm くらいの範囲ではほとんど電流は増減しないと思う.律速段階が液抵抗ではないからである. 5. 要するにそういうこと.工夫についてはもう少し考えるべき. 6. 陰極は白金がベスト.陽極はカーボンでもいいけど. 7. いい線をついている.ステンレスを陽極にすると何がおこるのか.というか,陽極とは何をする電極のことなのか. 8. 交流的な印加は逆効果. 陽極,陰極とはどういうことか,もう少しつっこんで考えるといいかも. でも,この問題,全部をちゃんと説明するには,高一程度の知識ではかなり苦しいかもねえ.大学生でも苦労するかも.