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完了形を使った時制の一致と時制のズレを明確にする副詞句や副詞節
He found the watch which he had lose the day before. 参考書からの引用です。 この文はthe day beforeという副詞句がloseを修飾していて、過去完了を使わずとも時制のズレが確認出来ると思うのですが、参考書の解答にはこの形の文章のみ正解とされていました。 何故このように過去完了形を用いるのでしょうか?過去形では間違いなのですか? 他にも、 I had not gone a mile before I felt tired. 私は1マイルも行かないうちに疲れを感じた。 これもbeforeという接続詞が副詞節を作りgoを修飾しているのと思うのですが、何故過去完了形を用い、過去形を使ってはいけないのでしょうか?
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>何故このように過去完了形を用いるのでしょうか?過去形では間違いなのですか? ○ 【原則】、【応用】、【例外】の3段階で理解することが必要です。 【原則】(高校レベル) ある過去の時点よりも以前のことを表す場合には、過去完了形を用います。特に、その過去の時点と関係がないものを「大過去」と呼びます。 (1) I lost the book I 【had bought】 the day before. ※ 学校や大学受験においては、この原則を知っているかどうかが問われる問題が多いと思います。まずは、基本をしっかり押さえておきましょう。 【応用】(実践レベル) 実際には前後関係が明らかな場合には「過去形」で「過去完了」の代用をさせることもあります。 (2) I lost the book I 【bought】 the day before. ※ 「lost」と「bought」は全く関係のない「行為」であり、しかも「the day bofore」という副詞句のおかげで「bought」が「lost」より前のことだと分かりますので、「had bought」を使わなくても良いのです。 ※ ただし、「過去完了形」がすべて「過去形」で代用できるわけではありません。 【例外】(専門家レベル) 2つの出来事(行為)に関連性がある場合には、過去完了形の代わりに過去形を用いることはできません。特に「完了」、「経験」、「継続」の意味が表されている場合には「過去形」にしないほうが良いでしょう。 (3) I gave Tom the book I 【had just finished】 reading.(完了) (4) I gave Tom the book I 【had read】 many times.(経験) (5) I gave Tom the book he 【had wanted】 for a long time.(継続) ※ (3)~(5)はすべて後半の「行為」があったからこそ前半の「行為」が行なわれたという関連性があります。このような場合には、「過去完了形」で表すべきことを単純に「過去形」で代用させることはできません。 ○ さて、お尋ねの英文です。次の(6)と(7)の英文の用法は似ているようで、実は少し異なっています。 (6) I lost the book I (had) 【bought】 the day bofore. (7) I found the book I 【had lost】 the day before. ※ (6)では「bought」と「lost」には何の関係もありません。「本を買ったから、その本を失くした」というつながりは非論理的であり、認めることはできません。 ※ しかし、(7)には「had lost」したからこそ「found」したという関連性が含まれています。「本を失くしたという行為」があるから、その結果「その本を探すという行為」が当然行なわれ、その結果「見つけたという行為」につながったと考えられます。「had lost」は、いわば「結果」とも呼ぶべき過去完了の用法です。 ※ 以上のことから、(6)では「had bought」を「bought」にすることができると結論づけることができますが、(7)では「had lost」を「lost」とするには抵抗感が生じてしまうと言わざるを得ません。 ※ お尋ねの英文が掲載されている問題集が提示された「had lost」を用いた英文のみを正解としているのは、上記のような理由があるのではないかと思います。 ○ 「過去完了形」の代用として「過去形」を用いることにはいろいろな条件が伴うために、中級レベルの学習者にとってはかなりハードルが高いものになります。 ○ 「過去形による過去完了形の代用」はNative speakerが書いた英文を理解するためには知っておいて役に立つ知識ですが、日本人が自分で使うことは難しいものです。 ○ 大学受験を目的とした学習であれば、【原則】をしっかり理解することに主眼を置いた学習で良いのではないでしょうか。 ○ しかし、英語を専門的に学習するご希望をお持ちでしたら、【応用】だけでなく【例外】のレベルまで到達することを目標に置かれると良いのではないかと思います。 ○ より深いご理解のご参考になれば・・・。
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- taked4700
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こんにちは。 過去完了は、現在完了と同じく、文法的に強制されることは余りありません。つまり、ここでも、過去完了でなければ文法的に間違いになると言うことではありません。 1.He found the watch which he had lost the day before. は、He found the watch which he had lost までの文脈で、過去完了が選択されています。つまり、「見つける」ためには、見つける以前に「なくして」いなければいけないからです。これを、He found the watch which he lost the day before.としても、間違えだと言うネィティブは少ないでしょう。ただ、「なくしてすぐに見つけたのね」のような印象を与えてしまうと言うことです。 2.I had not gone a mile before I felt tired. こちらも、I did not go a mile before...でもOKです。ただこれも、文脈上、「一マイルさえ行っていなかった」と言うような完了していないと言う感覚を出すためにhad goneが選ばれているだけのことです。 一般的に、完了形は一種の意味の強めの役割を果たしていると思います。時制的に、つまり、時間の流れを論理的に表すために、どうしてもそうしなければいけないと言うことは、多分、あまりないように考えています。
お礼
詳しいご回答有り難うございました。 大学受験合格を目的としてはいますが、その後も英語を使い続けたいので、有難いご回答でした。何より、モヤモヤしていたものが晴れて、より一層勉強に打ち込むことが出来そうです。