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中国共産党の今後の対日外交について
- 胡耀邦の死後の再評価を求めた学生運動は天安門の悲劇を生み、共産党は反日教育を実施した
- 胡錦トウ主席の訪日では融和姿勢を強調しているが、その裏には何が狙われているのか疑問が残る
- 中国共産党の対日外交は経済的な国益だけでなく、大きな未来を見据えている可能性がある
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真剣に、非常によく考えておられるように思いましたので、詳しい私見を述べたいと思います。ただ、捉え方は、あなたと相当違っているように思います。参考にしてください。 中国の戦略というのは、極めてシンプルです。 現在の状況を維持して経済成長を続ければ、日本を確実に凌いでアジア最大の経済大国となることができ、アメリカと互角の国力を保持することが出来るというものです。 ただ、一党独裁政権(長期政権のため、腐敗が進み国民の潜在的不満が相当溜まっています。)を維持するために、外交よりも内政を常に優先させます。 靖国神社問題やチベット問題など、対外的に強固であることを国民に見せないと政権がゆらぐからで、本来取りたく外交姿勢です。(政権基盤は外から見えるほど、強いものではありません。) 国民のほとんどが読み書きができるレベルの国では、外国から技術・資本を導入することができれば、すぐに急激な経済成長が可能です。 この急速な経済成長は、一人当たりのGDPが先進国の半分程度になるまで続き、その後は徐々に鈍化します。 中国は、13億の人口のうち、とんでもない田舎もありますから、先進国の半分までというのは無理で、約3分の1で成長が鈍化してくるでしょうが、それでもアメリカの4倍以上、日本の10倍以上の人口ですから、日本の2~3倍、アメリカと同等の経済力になります。 つまり、対外的に現状維持を続けることができれば、ユーロ・ドル・元が世界通貨となり、中国はアジアの覇権が握れるわけです。 <参考> 諸外国、特にアジア諸国の経済発展のパターンを調べてみると良いでしょう。 第二次世界大戦後、ヨーロッパの植民地となっていた南米・アジア・アフリカ地域で、経済発展に成功したのは、極東・東南アジア諸国でした。 韓国・シンガポール・台湾など、長期政権のもとで、民主化よりも経済発展を目指し、外資導入を行なった結果、一人当たりのGDPが1万ドルを超えるようになりました。 その過程では、国民所得が5000ドル~1万ドルを越える頃、独裁政権では豊かになった国民が、民主化要求を行い国内混乱と経済停滞を経験しています。 <中国の弱点> A.国内の統一して経済成長を続けるには、一党独裁が当面必要。 B.独裁のの正当化をするための理論=日中戦争で国内が戦場になった時、日本と戦ったのは共産党だけというプロパガンダ。 C.経済成長には日本の技術・資本が必要。 D.経済成長すると、民主化の動きが活発化する。 この4点が絡み合って、中国の政権運営と対日政策が変則的な動きを見せています。 経済成長には日本の技術と資本が必要なので、中国政権トップの基本的対日政策は天安門広場事件当時から対日融和路線で一貫しています。(友好的ということではなく、経済的に融和路線が必然という意味。) ところが、今現在の不自然な共産党一党独裁を正当化するために、日本と戦ったことを『過去』の話にすることが出来ず、国民に『今』であるかのように生々しく感じ取らせる教育を行なわざるをえないため、共産党独裁が正しいという教育が、結果として国民の潜在的反日感情を育てています。(外交より、政権維持が当然ながら優先。) 尚、この教育は鄧小平・江沢民時代に始まったのではなく、毛沢東時代から一貫しています。 『日本と融和路線を取らなければならないのに、国民の反日感情を育てる教育をやめられない。』この矛盾をその場しのぎで、つじつまあわせをやっているのが実態です。 一党独裁をやめられない中国政府は、靖国問題では国内の事情から「反発」しか打てる手段がありません。ですから、日本の政治家に「靖国神社問題」を持ち出して欲しくないのが本音。 それに対して日本政府は、靖国神社参拝をしてもしなくても政権崩壊とは何の関係もありませんから、いつでも好きな時に参拝できます。 つまり、『靖国神社問題』は日本の有力な外交カードということです。 <<中国の内情>> 中国という国は、14億というとんでもない人口を抱えていて、民族も40以上という多民族国家です。これをみんな食べさせていくというのは、大変なことです。(実際、1960年代、大躍進政策の失敗で1000万人の餓死者が出たという噂もあります。) 現在の中国トップは、この人口を食べさせ、経済成長の流れを継続するために、理念よりも現実を優先させています。(共産党政権の「共産」という部分に今は意味がありません。経済の実態は資本主義化しており、単なる一党独裁政権です。) 歴史的には、1979年の中越(中国・ベトナム)戦争およびソ連の崩壊が、その契機となります。 中越戦争では、中国側がベトナムに侵攻した状態で停戦となり、その後結ばれた中国ベトナム間の協定に従って撤退しましたが、その実態は中国の敗戦に近いものだったようです。 というのも、アメリカと長い間のベトナム戦争を戦い抜き、アメリカの近代戦も熟知した精鋭部隊を持つベトナムと、朝鮮戦争以後は大国意識だけを育てて、実戦経験のほとんどない毛沢東理論で頭でっかちになった中国人民解放軍が正面から戦いました。 中国は、戦闘ではベトナムの3倍近い兵力を動員しながら、互角の戦いしか出来ず、死傷者もベトナムの3倍以上を出しつつ侵攻した結果、補給が続かない状況に陥りました。 また、文化大革命時期に生産された弾薬に不発弾が異常に多く、現場指揮官の多くが「これでは戦えない。」と嘆いたそうです。 軍首脳は、人海戦術ではもはや近代戦は戦えないことと、戦力向上には中国の国としての経済力の向上が必要不可欠と認識するに至りました。 またソビエト連邦は、アフガニスタンで10年戦い続けた結果、軍が共産党政権に見切りをつけるに至って崩壊しました。 中国の政府・軍首脳はこうした事情を背景に、経済開発に重点を置いた政策運営を始めました。 現在ではアメリカの貿易相手国は(陸続きのカナダ・メキシコ以外では)日本を抜いて中国が第一位となり、日本の貿易相手国の第一位も中国です。 これを対外政治と重ね合わせて見ると、 外国との貿易が少なく、閉鎖経済であった1980年までは、外国との軍事衝突を平気で起こしていました。(これは、閉鎖経済の北朝鮮が、諸外国との軍事的緊張を自分から作り出しているのと同じ状況です。) ところが、1990年代以降、外国資本・技術の導入をはかり、貿易額が増え始めた頃から、中国の対外政策は様変わりします。 対イギリス 1997年香港返還 対ロシア 2004年国境問題決着 http://www.hokudai.ac.jp/bureau/populi/edition21/churo.html 対インド 経済協力・国境問題解決の協議(既に第七回目)が進展しています。 http://www.idcj.or.jp/1DS/11ee_josei060116_4.htm 対ベトナム・フィリピン 2005年 南沙諸島の開発で合意 http://www2.cc22.ne.jp/~hiro_ko/7-15nansa.html 中国が過去に抱えていた領土問題は、対日本以外の場所では、中国の話し合い路線により、ほとんどが解決に向かって動いています。 日本でも小泉首相は強固路線でしたが、財界は経団連に代表されるように、政治と経済は別との動きを見せ、中国側もそれに対しては、以前と変わりなく協力的な対応をしていました。 結論を言えば、中国政府は日本・アメリカと軍事的な緊張が高まるのを回避しようとしています。 先日は、中国海軍とアメリカ海軍の共同演習がありましたし、中国原潜の日本領海侵犯では、あっさり謝罪しています。 あと20年日本・アメリカと仲良くできれば、中国のGDPは日本の二倍、アメリカに匹敵しますし、もし軍事衝突が起きれば中国は日本・アメリカの資本・技術が手に入らなくなり、生産物を買ってくれるお得意先を失うことになり、未来の中国経済の飛躍的発展は消えてしまいます。 ですから、中国政府は靖国問題などで口先で抗議したり、会議のすっぽかしはしても(抗議しないと、国内の反日感情が政府批判に変わってしまいます。一党独裁政権では、国民の政府批判が一番恐ろしいのです。)、軍事等の過激な行動は取りません。小泉首相の靖国参拝は、そのことを見越した上での、対中強固路線です。(中国が閉鎖経済であった頃には、日本が対中強固路線を取ることは、危険すぎて出来ませんでした。)
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- mat983
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>対日融和姿勢を強調しています。中国共産党の日本への舵取りが、変化したと見ていいのか? そのウラに隠された中国の本当の狙いとは? 小泉元総理時代に疎遠すぎたので、 軌道修正をし単に善隣友好外交を展開しているだけに見えます。 但し、評論家の桜井さんが指摘していますが、 近い将来、中国は台湾に乗り出してくるようです。 その場合、日本はどう対処するのでしょうか? 中国との緊密な関係が崩れると日本経済はかなり打撃を受けます。 中国はその点を見越して将来的に圧力をかけてくると思います。 今は準備段階ではないでしょうか。
お礼
先程、帰宅してから、ご意見を拝見致しました。 私にとって、貴重なご教授を頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。薄知識の私ですが、今後もし機会がありましたら、ご教授願えましたら、幸いと存じます。 本当にありがとうございました。
- gungnir7
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>中国の本当の狙いとは? 経済的な国益を求めるより、 >何かもっと大きな未来を見つめているのか? 実はその両方を追跡しています。 中国の今回の姿勢は歴史的な大転換を意味するはずです。 しかし、その決定がなされたのはここ数週間以内のことなのでピンと来ないでしょう。 勿論、その直接の引き金となったのは聖火リレーの欧米での反応です。 おそらく、これがなければ従来の姿勢に変わりはなかったのでしょう。 中国の外交のスタンスは遠交近攻、これは外交の基本原則でもありますが、 その遠交が想像以上に厳しいと悟ったのです。 ですが中国の価値観と欧米諸国の価値観は大きく隔たりがあります。 しかも欧米諸国はどこも外交で卑下に出ることはありません。 それに引き替え日本は東洋的な価値観を共有できます。 政治も一流とはいえず、伝統的に丸く納める性質があります。 また経済圏も東アジア+ASEANの経済圏を構成するには欠かせない相手です。 こうした諸々の諸事情をみた場合、日本と対立したままでは中国は疲弊します。 先鋭化する欧米に対抗するには、日本はぜひとも見方につけておきたい存在です。 こうした思惑が今回の中国の格段の譲歩になって現れています。 日中関係が成熟することはチベット問題でも歓迎すべきことなのです。 中国が鈍重ながらも先進国の方へ歩み寄るからです。 短期的にみれば中国のペースですが、数十年のスパンでみると寧ろ日本のペースでしょう。 チベットを開放するのも案外日本の力が大きいのかもしれませんよ。
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先程、帰宅してから、ご意見を拝見致しました。 私にとって、まさに「なるほど」と思える貴重なご教授を頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。薄知識の私ですが、今後もし機会がありましたら、またご教授願えましたら、幸いと存じます。 本当にありがとうございました。
- oska
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今回の江沢民皇帝陛下の名代として訪日したコキントウ主席の目的は、2点です。 1.チベット問題は、日本の熱烈な支持を受けている事実の確認。 2.オリンピック開会式への日本首相出席確認。 中国側としては、パンダ2頭を年1億円で貸与する事で100%目的を達しました。 中国では、福田首相・河野衆院議長は「新中国派」と見ています。 (河野は、チベット問題は中国の主権(国内)問題との見解を述べた) 彼ら親(媚)中派が政権を握っている間に、政治的に利用したフシがあります。 毒入(抗日)餃子事件、尖閣諸島問題、東シナ海底油田問題、チベット問題など何ら解決していません。双方とも「平和的に解決する事で一致した」だけです。 「チベット対応(弾圧)は、日本政府・衆議院議長の賛同を得た」 「オリンピックに日本は全面的に協力する」 と、既に新華社・人民日報は伝えています。 支持率19%以下(共同通信)の末期的政権が、江沢民・コキントウの力を借りて支持率UPを狙ったのですが・・・。 どうも、日本側の思惑は失敗したようです。 結局、日本側には何ら利益が無く、中国政府のシナリオ通りに進んでいるようです。
お礼
先程、帰宅してから、ご意見を拝見致しました。 貴方のこの問題の捉え方は、私にとって大変貴重なものとなりました。感謝の気持ちでいっぱいです。薄知識の私ですが、今後もし機会がありましたら、また、ご教授願えましたら、幸いと存じます。 本当にありがとうございました。
お礼
先程、帰宅してから、ご意見を拝見致しました。 私にとって、まさに「目からウロコ」のような貴重なご教授を頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。今日、実は中国から日本へと帰化された方で、かなりな知識人の方とお話する機会に恵まれたのですが、共産党の一党独裁の正当性の論理構築については、貴方とまったく同様の認識をされていました。薄知識の私ですが、今後もし機会がありましたら、ご教授願えましたら、幸いと存じます。 本当にありがとうございました。