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オペアンプのカットオフ周波数の計算式とQ値について
- オペアンプのカットオフ周波数の計算式には異なる式が存在します
- バンドパスフィルターとは異なる計算式を使用します
- Q値は1次フィルターやハイパスフィルターでも発生します
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問題のBPF(http://sanwa.okwave.jp/qa3924451.html)は「多重帰還型BPF」というわれものの変形で、入力アッテネータがないものになります。 多重帰還型BPFは、Qを大きくしようとすると(狭い周波数帯だけ通過させるようにすると)、中心周波数 f0 での利得を非常に大きくしなければならないので、出力が飽和しやすいという欠点があります。そのため資料[1], [2] にあるように、R1 と R2 からなるアッテネータ(減衰器)で、入力信号のレベルを一旦落とすという構成が用いられます。問題の回路は、[2] の回路で R2→∞ としたものになりますので、1/R2 の項をゼロとして計算してみてください。 本に書かれている「f1=1/2π*R1*C1、2=1/2π*R2*C2」という式は、単純なCR回路によるLPF [2] とHPF [3] のカットオフ周波数です(OPアンプを使った微分回路と積分回路のカットオフ周波数も同じ式になります)。問題のBPFは1つの回路でHPFとLPFを構成しているので4個の素子(C1, C2, R1, R2)がお互いに影響し合います。そのためカットオフ周波数の式が複雑になります。f1 と f2 の式から f2 - f1 = ( 1 + C1/C2 )/( 2*π*C1*R2 ) 1/f1 - 1/f2 = 2*π*C2*R1*( 1 + C1/C2 ) となりますが、Q が小さく、f2 >> f1 ならば、 f2 - f1 ≒ f2 1/f1 - 1/f2 ≒ 1/f1 と近似できるので f2 ≒ ( 1 + C1/C2 )/( 2*π*C1*R2 ) f1 ≒ 1/{ 2*π*C2*R1*( 1 + C1/C2 ) } と近似されます。さらに、C1 << C2 であれば(R1 = R2 のときはそうなる)、C1/C2 は1に比べて無視できるのでこれをゼロとすれば f2 ≒ 1/( 2*π*C1*R2 ) f1 ≒ 1/( 2*π*C2*R1 ) となります。本に書かれている式と違うのは、C1 やC2 の番号のつけかたが異なるからです。 >Q値は1次フィルターでも大きくできるのか、ハイパスフィルターでもQは発生するか CRだけの1次フィルタでのQ値(カットオフ周波数での利得/通過域の利得)は1/√2 (=0.707)と一定ですのでカットオフ周波数近傍で利得が持ち上がることはありません。問題のBPFでも2つのカットオフ周波数( f1, f2 ) が充分離れている場合には、1次のLPFと1次のHPFの特性をつなげたものになるので、LPHやHPFとしてのQ値は1/√2 です。ややこしいですが、問題のBPFでは、BPFのQ値は変えられます(BPFのQ値は中心周波数/通過域の幅という意味です)。 [1] 多重帰還型BPF(1) http://www.cqpub.co.jp/toragi/TRBN/trsample/2003/tr0306/0306an18.pdf [2] 多重帰還型BPF(2) http://sim.okawa-denshi.jp/OPtazyuBakeisan.htm [3] CR型1次LPF http://sim.okawa-denshi.jp/CRlowkeisan.htm [4] CR型1次HPF http://sim.okawa-denshi.jp/CRhikeisan.htm
お礼
ありがとうございました大変勉強になりました f0=20HZ Δf=5HZ Q=2 程度の回路を考案していましたので 計算できずに困っていました 前回の回答にあった計算式でRCが計算できました 今回のページも大変参考になりました 疑問が1つ解けて次へ進めます ありがとうございました