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宇宙空間に閉じ込めた水素ガスからの輻射
ふと思ったのですが宇宙空間に完全に透明な物質で閉じ込めた 常温(300度K)の水素ガスが放射する波長は単原子分子であるため理想的な黒体輻射と全く異なると私は思うのですが、輻射分布は 1)かなりシャープなスペクトルで輻射する。 2)殆ど黒体輻射と同じ分布で輻射する。 3)何本もの鋭いピークで輻射する。 4)何本もの幅の広がったスペクトル分布で輻射する どれに一番近いのでしょうか。また簡単でもいいので理由を 教えて頂けないでしょうか。よろしくお願いします。
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水素の比誘電率はもうお調べになられたようですが、理科年表で、1.0002538 at 1atm 20℃ となっていますね。 http://okwave.jp/qa3901799.html の質問も拝見しました。 コンデンサの容量としてでも、二組の電極をブリッジ構成でバランスさせた後、片方に水素をいれれば差分が拡大できますから、測れるような気がします。 ところで、ヘリウムのような単原子分子には電子分極、すなわち電子雲の中心と原子核がずれる機構の分極しか見当たりません。 誘電体現象論(電気学会大学講座)という書籍に「多原子気体でも無極性気体の原子分極は電子分極のせいぜい数%」なる旨の記載がありました。 水素でも電子分極が支配的だという事です。 いずれにせよ電子分極、原子分極しかなければ光学領域から直流まで誘電率はフラットになりますね。 電子分極の緩和周波数(共振周波数)は紫外域のようで、そこで誘電損が大きくなっています。 常温で吸収があるという事は常温でも輻射がおきるということでしょう。 電子分極が振動して制動輻射できるそうですから、分子同士の衝突がエネルギの源、最初の一撃になると思います。 共振周波数は高いですが、Qは無限大ではありませんから、裾野があり、低い周波数の輻射が皆無とは言えません。 一方で共振周波数で光子1個出すにはそれなりのエネルギが必要でしょうから、常温でその光を発するような衝突が起こるのは低頻度でしょう。 水素の常温における誘電損はごく小さく、極めて透明です。 しかし損失は皆無ではなく、周波数特性があり、その輻射スペクトルが、どんな様相を呈するかという予想は#5に書いたとおりです。
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- vq100mg
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>誘電損失などでエネルギーを蓄えるというのは衝突も含む並進運動以外に分子が受け持つエネルギーでこれは分子の構造そのものに起因するものだと考えざるを得ません。 ・・・固有振動モードの・・・ に関しまして、私は以下のような意見をもっております。 誘電損失により蓄えられた熱エネルギの姿は、ごく平凡な熱運動で良いように思います。 物体が輻射で冷えるには、それなりの時間がかかります。 複数のモードの熱運動が、電気的に外部とインターフェース可能なチャネルに徐々に移行している証拠でしょう。 温まる場合もしかりです。 熱エネルギを蓄えていても、このチャネルが細ければ、つまり電気的相互作用が小さければ輻射しない事になりますし、逆に輻射を吸収しにくくなります。 二つの熱容量の等しい同じ温度の誘電体があったとしましょう。 熱エネルギは同一ですが、輻射量は誘電損の大きい方が勝ります。 また誘電損が誘電率と独立に存在するのもおもしろいですね。 誘電率が高いということは、外部電界によって極性分子が配向しやすい、相互作用が大きいことを示していますが、しかし熱運動に関する輻射の大きさはそれとは別に決定されるのです。 熱とはランダムな振動です。 それなのに単一周波数を入れて何故誘電加熱されるのか不思議に思ったことはありませんか。 たとえ対象に非線形があったとしても高調波しか生じない筈です。 単一周波数が、ブロードバンドな振動に周波数変換される背景には、時変的な要素が必要な気がします。 その代表が熱運動で「ゆらぐミクロな非線形」による周波数ミキサではないでしょうか。 これが熱運動と輻射を取り持つ細いチャネルになるのかなと思っています。
補足
ご回答を頂きながら返事が遅れましたことお詫び申し上げます。 >それなのに単一周波数を入れて何故誘電加熱されるのか不思議に思ったことはありませんか。 この問題は格子振動の非線形効果として扱われています。つまりマイクロ波を誘電体に入射したときの発熱の問題です。マクロな誘電率を示す数個の光学モードにまずエネルギーが注入されます。これらのモードのわずかな非線形効果により相互結合する系全体の格子振動モードにエネルギーが徐々に緩和していく結果として熱平衡状態に到達することはvq100mg様のお考えになっている周波数ミキサの考え方と同じだと考えます。このことに異論はありません。 私が疑問に思っているシステムは最も単純な構造を持つ水素分子の気体であり複数の粒子で構成される格子振動モードは無く並進運動エネルギーと分子単体が持つ内部エネルギーしかないのではと考えるからです。 衝突の際に発生する分子の歪みが固有状態を作り常温の輻射エネルギー をを吸収したり放射したりするとは考えられないのではと思っているので冷たい物質と言う言葉を使わせて頂きました。 しかし空気は誘電率を持っています。誘電率を多少なりとも持つことは 電気的に気体が活性であると言うことが出来るのではとも思います。水素分子の場合は数値が見当たらないのですがご存知であれば教えていただければ幸いです。双極子を持つ分子は赤外線を多少なりとも放射できるのでしょうか。 参考URL http://www.mogami-wire.co.jp/paper/physical-constants.html
- vq100mg
- ベストアンサー率62% (17/27)
補足いただいた内容、真意が汲み取れない部分があり、的確な返答になるか心配です。 言葉尻をとらえるような形になってしまうかもしれませんが、ご容赦ください。 >温度は定義できるが宇宙空間に殆ど放射しない冷たそうな物質なんて不思議ですね。 温度というのは例えば分子の運動速度や回転速度であって、密度とは独立な指標です。 そこに温度計を置いた時の応答速度は気体の熱容量や熱伝導率、すなわち密度に依存するでしょうが、平衡温度は影響されません。 輻射量が関連しているのは量的な総合なエネルギでしょう。 透明な分量では黒体まで飽和していないという事です。 >蓄えたエネルギーを保つにはその近辺で固有振動モードを持つことが必要であるように思います。 熱エネルギは考えられる自由度すべてに等分配(平均エネルギとして)されているのではありませんか。 衝突をしながらランダムに動き回る分子運動も「蓄えたエネルギ」の一部だと思います。 >水素分子の誘電損失 水素分子の集合体(つまり分子同士が頻繁に衝突している場合)は、ブロードバンドな誘電損を示すような気がします。 しかし損失はトテツモナク小さいでしょう。 理論計算法は思いつきません。 >誘電損失は放射のメカニズムにどう作用するのでしょうか 電気的なエネルギと熱運動エネルギの変換こそ誘電損失です。 同軸ケーブルで考えてみましょう。 完全導体で構成しますが、誘電体は損失を持っているとします。 あなたの設定では「完全に透明な物質で閉じ込めた・・・」となっていますが、「完全な鏡で閉じ込めた・・・」とした方が、輻射の正味の量を表すには都合が良いかもしれません。 ケーブルの終端は開放としましょう。 (勿論「完全に透明な物質で閉じ込めた・・・」でも良くて、この場合は整端している事になります。 ただし整端抵抗器の熱雑音は題意により対象から除きます。) さて開放終端から無損失で反射して来るような状態を覗き込むと、純リアクタンスです。 熱雑音はありません。 しかし十分にケーブルが長くなれば、開放終端は見えなくなり、特性インピーダンス値の抵抗器と区別はなくなります。 この抵抗は誘電体に由来するものです。 前者が気体層が薄い場合の極限、後者が厚い場合の極限です。 抵抗の熱雑音こそ黒体輻射ですが、単位周波数あたりの強度は周波数フラットになります。 プランクの式の低域(レイリー・ジーンズの式)のように周波数の2次で増加しないのは1次元の自由度のためです。
補足
コメントありがとうございました。質問の仕方がへたくそで反省しております。 私の元々の質問の真意は常温の水素ガスの固まりからの熱輻射は普通に言われている黒体からのプランクの熱輻射と全く違って寒い宇宙で観測すると殆どエネルギーを失わない暖かくないストーブのようなものかなと想像しましたが、正直本当かなという思いで質問しました。”冷たそうな物質”と言うのはそういう思いです。 確かに密度と温度は別物であることは理解できます。私はあまり大きな水素ボールを考えていなかったので少し位密度をあげてもとても黒体に近づきませんよねと言う意味で密度と言う言葉を使わせて頂きました。 並進運動の速度は温度に直接関係する量であることは理解できます。誘電損失などでエネルギーを蓄えるというのは衝突も含む並進運動以外に分子が受け持つエネルギーでこれは分子の構造そのものに起因するものだと考えざるを得ません。そのため電気的に活性名な固有振動モードの 存在が必要なのではと考えたわけです。 同軸ケーブルの長さと空間の広がりのアナロジーはとてもよく理解できました。大変参考になりました。ありがとうございました。ケーブルを長くすると少しずつ減衰するのは少しずつ水素分子が電磁波を吸収していることに対応するわけですね。その少しずつが多分私たちの日常の 感覚と合わないのだと思いました。 結局1メートルくらいの水素ガスは透明でやはり冷たそうではだめでしょうか。それとも衝突の際にもっと高いエネルギー状態を一部引き起こすのでしょうか。これは私には全く判りません。
- vq100mg
- ベストアンサー率62% (17/27)
スペクトルは、ガス層の厚さ(奥行き)に依存すると思います。 奥行きが浅ければ線スペクトル、奥行きを増すに連れ黒体輻射に近づくのではありませんか。 透明なものは電磁波を吸収しませんが、熱平衡の原則からして輻射もしません。 ガスの透明度は波長に依存し、その「塊」の見かけの透明、不透明は厚さにもよる筈です。 線スペクトルを輻射出来るような波長では吸収も激しく、比較的厚みが薄くても不透明になるでしょう。 不透明な波長に限り、黒体輻射強度に届くのではないでしょうか。 線スペクトルを輻射出来ないような波長では、果たしてどれだけの奥行きがあれば輻射強度が飽和することか・・・。 少なくとも大気の厚さ程度の常温水素ガスでは、全く歯が立ちそうにありませんね。 夜空の透明度から類推できます。 しかしいかなる波長といえど、水素ガスとの相互作用が、決して真の零となる所は無いでしょう。 例えば電波領域においては誘電損というイメージのものでしょう。 厚みを増やせばやがて黒くなると思えませんか。 光量子的には、分子の熱運動エネルギの統計的ゆらぎに乗じて、どんな波長の光子とも相互作用を持てるということかもしれません。 光子吸収放出の確率は波長によって大きく異なるわけですが、僅かな頻度でも十分な奥行きを備えれば黒体でしょう。 透明度が低い場合強く輻射するが、奥の輻射が覆い隠される。 一方で透明度が高ければ体積当たり輻射は弱いが、後ろの輻射が累積して強く観測されるという具合です。 小穴から観測される空洞輻射も同様な理屈だと思います。 空洞を作る材料の反射率が零でなくとも、多重反射でしか光が戻って来られないから黒体とされています。 「反射してしまわぬようにすれば黒体」が先の例では「透過してしまわぬようにすれば黒体」に対応します。
補足
丁寧なご回答ありがとうございました。問題の設定が地球規模やそれ以上に大きな輻射物質を想定していたわけではありません。書かなくて申し訳ありませんでした。まあ1メートル前後の球体からの輻射をイメージしました。そういう意味では実質的に電波はかなり気圧を上げても透明と考えても良いと思えました。しかし御指摘のように極限の大きな気体だとやがて黒くなると思えてきました。誘電率や誘電損失は放射のメカニズムにどう作用するのでしょうか。電気感受率の値は相当小さい(0.000X位)のでまず透明ですが水素分子の誘電損失はどれくらいでしょうか。蓄えたエネルギーを保つにはその近辺で固有振動モードを持つことが必要であるように思います。温度は定義できるが宇宙空間に殆ど放射しない冷たそうな物質なんて不思議ですね。よろしくコメントお願いします。
- masa2211
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>常温水素ガスの輻射分布 高温の水素ガスの輻射分布なら実測されていて、多量の測定データがあります。 「太陽」は、水素+ヘリウム+その他微量成分 です。 そして、太陽のスペクトルは、 「理想的な黒体輻射に対し、水素その他による特定ピークの部分が欠落したもの」 ですので、太陽に比べ、ヘリウム+その他微量成分 が無い分、 理想的な黒体輻射に近づくわけだから、 2)ということになります。 なお、 3)は複数物質の混合物における炎色反応(=周囲から熱をもらって発光)の場合であり、黒体輻射と混同してはダメです。 黒体輻射では、「鋭いピーク」の部分が、逆に欠落します。(No.1回答の暗線のことです。)
>結局常温程度で熱平衡状態にある水素分子からは輻射しないということになるのでしょうか… 誤解を与えたようですが、黒体輻射や回転の輻射は起こります。ではH-H振動はないのかというと「あります」。直接励起されることはなくMOの電子励起からの格子緩和などで起きたり、他の波長の光に付随するラマン吸収の形で励起されます。しかしH-H伸縮振動からの赤外領域からの発光は「禁制」なので起こりません。
補足
ご回答ありがとうございました。直接励起ではなくても黒体輻射するということでしょうか。それは理想的な分布と同じ分布を示すということですか。それとも一部MOの電子励起が生じてその緩和過程で10ミクロン帯近辺の輻射もちょっと含む程度なのでしょうか。その程度はごく一部なのか結構理想分布に近いのでしょうか。よろしくお願いします。
>単原子分子… これは、#1のお答えに対する返答からもおかしいです。 >水素原子がお互いに伸縮運動のようなことを繰り返して… 同一2原子分子の伸縮振動は「赤外禁制」「ラマン許容」ですので赤外領域には見えません。
お礼
お礼のところに質問して申し訳ありません。結局常温程度で熱平衡状態にある水素分子からは輻射しないということになるのでしょうか。これは不思議な現象ですね。コメントよろしくお願いします。
補足
ご回答ありがとうございました。”単原子分子”という表現は私の間違いでした。水素分子を考えています。赤外領域には見えないと言うことは熱輻射をしないと考えてよいのでしょうか。逆な言い方をすれば 赤外線はスカスカに通ると言うことですか。熱平衡状態は赤外線を介さないであくまで衝突を繰り返して得られると言う理解でよろしいでしょうか。
- sanori
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こんばんは。 水素が励起状態から基底状態に落ちるときの光ではないのですから、(1)にも(3)にも(4)にもなりません。 300Kの熱放射、つまり(2)になるのですが、 300Kでは、可視光の波長より長いはずですから視認できません。 蛇足ですが、 もしかしたら、(赤外領域での)暗線(吸収ピーク)があるかもしれませんが、それについては私は詳しくないです。
補足
ご回答ありがとうございました。水素ガスの風船は昔から縁日で売っています。触ると常温ですから水素ガスも多分温度が定義できるのだと 思います。この温度を決めているのは多分直線的運動エネルギーだと思っています。しかしこれだけでは電磁波(赤外線)を放射しないのではと思います。二つの水素原子がお互いに伸縮運動のようなことを繰り返して双極子輻射がはじめて起きるのではと想像してしまいます。 この固有周波数は赤外領域にあってもおかしくは無いのではと思ってしまいます。しかしこの振動数は鋭くとても黒体輻射のような分布はしないのではと思いますが、一つのスペクトルだけ出すのも変だと思って質問させて頂きました。御指南願います。
お礼
私の質問に丁寧にお答え頂き本当にありがとうございました。常温では極めて高い透明性を示すが完全に吸収が0ではないことも良く理解できました。電子分極がの緩和周波数の裾野が効いているということですね。vq100mg様のお陰で水素やヘリウム気体と電磁波の相互作用がイメージできるようになりました。http://okwave.jp/qa3901799.htmlの 私の質問もご覧いただいたとのこと、コンデンサの容量を高い周波数で測定するのは自己共振のため極めて不安定です。気体の透陶磁率は直流と同じということも理解出来ていません。もし御存知でしたら御指導お願いします。ありがとうございました。これで締め切ります。