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減衰信号とプリアンプの帯域
指数関数で減衰する信号(exp(-τ/t))を1kHz~100MHzまで帯域のあるプリアンプに入力し、その出力をオシロでモニターしました。τが数マイクロ秒よりも短い(速い)とき、プリアンプに入力する前後の波形は同じでした(もちろん増幅されているので強度は違いますが)。ただ、数マイクロ秒よりも長くしていくと、プリアンプの前後で波形が違ってきて、同じ波形のまま増幅されていないことがわかりました。減衰時間が数マイクロ秒ということは、単純に逆数をとると、MHzオーダーなので、なぜ波形にゆがみが生じるのかわかりません。ただ、サイン波を見ると、確かに1kHzまで周波数を下げても、同じ波形のまま増幅されていました。プリアンプの帯域を考えるときはサイン波のようなものにしか適用できないのでしょうか?(減衰曲線の場合は話がちがってくるのでしょうか?)よろしくご回答おねがいします。
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>..... プリアンプの前後で波形が違ってきて、同じ波形のまま増幅されていないことがわかりました。 >..... >波形が異なるのは減衰部分です。τをどんどん長くすると、もちろん少しずつ減衰はおそくなりますが、入力波形に比べて減衰は速くなります。そしてゼロボルトをクロスし、マイナスになってしまいます。 「減衰信号」の繰り返し周波数を fr(Hz) とすれば、そのスペクトルは fr おきの線スペクトルですね。 プリアンプ(1kHz~100MHz) で生じる波形ひずみを無視して、fr < 1kHz ならば、モニター波形を直流成分だけ上方にシフトさせれば、直流カット前の「減衰信号」になるはずです。 実際の観測結果はどうなのでしょうか? ふつうの(交流結合)プリアンプの代わりにビデオ用のクランプアンプなどを流用すれば、直流カットの影響は回避できます。 それが実験目的に適合するのかどうかは、推察しかねますけど。
- inara1
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ANo.5 です。 >DC成分がカットされると、なぜ最低電圧が負になるのでしょうか? 入力信号が下のような波形だったとき、この信号のDC成分を取り除くと、右側のような波形になります(AAでは減衰信号をうまく描けないので、のこぎり波にしました)。 ↑ 入力波形 ↑DC成分を除いた波形 | |\ |\ 0V_│_|\__|\_ 0V_|\| \| \ │\| \ | \ └──────→ └───────→ 時間 入力信号はいつもプラスの電圧なので、その平均値(DC成分)はプラスの電圧になりますが、HPFを通すとこのDC成分が取り除かれるので、平均値がゼロ(DC成分ゼロ)となるように波形全体が下に下がります(オシロスコープの入力をDC結合からAC結合に変えてみると、波形がすーっと下がるのが確認できます)。DC成分がゼロの波形というのは、0Vより上側と下側の波形面積が等しい波形です。指数関数的な減衰信号でも平均値はプラスですから、そこからDC成分を取り除くと、減衰しきった部分は0Vより下になります。 >これは何らかの特定のフィルタを考えた場合でしょうか? その式は、以下のようなコンデンサと抵抗だけの最も簡単なHPFに対する過渡応答です(普通の広帯域アンプでは、急峻なフィルタを意図的に入れることはないと思ったので)。 入力信号 ― C ─┬─ 出力信号 R ───┴─ >もう少しヒントをいただけると助かります 上の回路で入力信号の電圧を Vin [V] 、C と R に流れる電流を i [A] としたとき、Vin と i の関係は Vin = (1/C)*∫i dt + i*R となります。(1/C)*∫i dt がコンデンサCの両端の電圧、i*R が抵抗の両端の電圧で、この和が入力電圧 Vin に等しいという式です。この両辺を時間 t で微分すると d(Vin)/dt = i/C + R*di/dt という微分方程式になります。この式に入力信号の波形 Vin = V0*exp( -t/τ ) を入れて、電流 i について解くと i = exp( -t/τ )*[ C*V0*exp{ -t*( 1/τ - 1/CR ) }/( C*R -τ) + A ] --- (1) となります(A は定数)。t = 0 のとき(このとき Vin = V0 )、コンデンサが充電されていないとすれば、i(0) = V0/R なので A = -V0*C/( C*R - τ ) です。この A を式(1)に入れて整理すると i = V0*{ C*R*exp( -t/τ ) - exp( -t/CR ) }/{ ( C*R - τ )*R } となります。出力電圧 Vout は、この電流 i に R をかけたものなので Vout = V0*{ C*R*exp( -t/τ) - exp( -t/CR ) }/( C*R - τ ) --- (2) となります。上の回路のカットオフ周波数 f1 [Hz] は f1 = 1/( 2*π*C*R ) なので C*R = 1/( 2*π*f1 ) です。これを式(2)に代入して整理したのが ANo.5 の式です。
- foobar
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#4,5さん回答と重複しますが、 瞬時に立ち上がり、指数関数的に減衰する信号 v(t)=0(t<0) exp(-t/τ) (t>0) を周波数領域であらわすと V(ω)=1/(1+jωτ) の形になるかと思います。 これから、 ・Vは直流までの成分を含んでおり、BPFの低域遮断周波数の影響が出る ・τが大きいほど低域遮断周波数以下の成分の占める割合が大きくなり、その部分をカットする影響が大きくなる というような状況になるかと思います。 フィルタの特性(通過周波数帯域だけでなく、遮断特性なども含めて)がわかれば、入力信号の周波数分布とフィルタの特性から、出力信号の周波数分布を計算、τ変化の効果を評価できるかと思います。
- inara1
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ANo.3 です。 >波形が異なるのは減衰部分です。τ をどんどん長くすると、もちろん少しずつ減衰はおそくなりますが、入力波形に比べて減衰は速くなります 入力信号がピーク電圧の 1/e に減衰する時間が τ ですが、τ = 5μs のとき、低周波側のカットオフ周波数が 1kHz のアンプの出力信号が 1/e に減衰する時間は τ1 = 4.75μs になるはずです。τ = 10μs のときは τ1 = 9.06μs 、τ = 20μs のときは τ1 = 16.7μs となるはずです。減衰している部分の波形は傾斜が緩くなるほど低い周波数成分を持っているので、低い周波数成分はカットされてしまい、入力波形よりも早く減衰するようになります。出力波形の式を最後に書きましたのでこれで確かめてください。アンプの高周波側のカットオフ周波数(100MHz)は、減衰する部分の波形には影響しませんが、出力信号の立上がりをなまらせる効果があるので、入力信号の立上がりが緩いと、出力信号のピーク値が下がります。 >ゼロボルトをクロスし、マイナスになってしまいます これは当然です。入力信号が0Vから立上がる波形であれば、アンプの出力信号はDC成分がカットされた信号になりますので、最低電圧(減衰しきったところ)は負になります。式(1)で [ ]内が負になるところの時間 t がゼロクロス点です。 【ローパスフィルタに減衰波形を入力したときの出力波形】 1次のHPFに Vin = 0 [ t < 0 ]、V0*exp( -t/τ ) [ 0 ≦ t ] で表わされる減衰波形を入力したとき、出力波形は次式のようになります。 Vout = V0*exp( -t/τ )*[ 1 - 2*π*f1*τ*exp{ t*(1/τ - 2*π*f1) } ]/( 1 - 2*π*f1*τ ) --- (1) f1 [Hz] はカットオフ周波数(この場合は1000 Hz)です。
お礼
>>ゼロボルトをクロスし、マイナスになってしまいます >これは当然です。入力信号が0Vから立上がる波形であれば、アンプの >出力信号はDC成分がカットされた信号になりますので、最低電圧(減 >衰しきったところ)は負になります。 いろいろと調べて自分なりに理解しようとしましたが、よくわかりません。DC成分がカットされると、なぜ最低電圧が負になるのでしょうか? >出力波形は次式のようになります。 >Vout = V0*exp( -t/τ )*[ 1 - 2*π*f1*τ*exp{ t*(1/τ - 2*π*f1) } ]/( 1 - 2*π*f1*τ ) --- (1) これは何らかの特定のフィルタを考えた場合でしょうか? 一般的にHPFの場合、このような式が成り立つのでしょうか? HPFについて自分なりに調べてみましたが、よくわかりませんでした。 申し訳ありませんが、もう少しヒントをいただけると助かります。
プリアンプが直流をカットしている影響じゃないでしょうかね。 もしそうなら、減衰時間が長くなるにつれて、直流カットの影響が増大します。(直流再生をかければよさそう)
お礼
ありがとうございます。 減衰時間が長くなっても、一応指数関数的に減衰するので、直流カットの影響はないような気もしますが、やはりあるんでしょうか?直流再生とはどういうことでしょうか?
- inara1
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バンドパスフィルタ(1kHz~100MHz)に減衰波形(立上がり時間 = 0、時定数 τ = 1μs ~ 10μs)を入れたときの過渡応答を解析的に計算してみましたが、出力波形はほとんど変わりません。回路シミュレータでも確かめましたが結果は同じでした。τ が大きくなるほど減衰する部分がわずかに遅れていきますが、τ > 10us で急変することはありませんでした。 ・波形が異なるというのは立上りの部分ですか、それとも減衰する部分ですか。それは入力波形とどう違いますか ・入力波形の時定数 τ を変えても、入力や出力の波形のピーク振幅は同じですか ・入力波形が減衰する前の立ち上がり時間はどれくらいですか(1us未満?)
お礼
アドバイスありがとうございます。 波形が異なるのは減衰部分です。τをどんどん長くすると、もちろん少しずつ減衰はおそくなりますが、入力波形に比べて減衰は速くなります。そしてゼロボルトをクロスし、マイナスになってしまいます。ちなみに立ち上がりは20ns程度あります。ピーク振幅のτ依存性ですが、あまり気にしていませんでしたが、一緒だったと思います。
- toy-ut
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>プリアンプの帯域を考えるときはサイン波のようなものにしか適用できないのでしょうか?(減衰曲線の場合は話がちがってくるのでしょうか?) ・・・と思います。 普通アンプは、頭の中で横軸周波数対数軸で通したい帯域を考えます。サイン波は単一周波数なので設計通りだったということです。 逆にもう少し周波数を上下限させ、-3dBダウンする周波数を求めれば、アンプ設計者の意図が良く判ると思います。 入力した信号がアンプ内部で過増幅し歪みが出てしまっただけなのではと思いますので、入力信号レベルを下げてみても歪むかどうか調べれば判ると思いますよ。
お礼
アドバイスありがとうございます。 アンプの帯域を考えるときにスルーレートも一緒に考えると 思いますが、そうだとすると帯域を満たす減衰(立下り?)で あれば、問題ないような気もするのですが・・・素人的発想ですが。 入力した信号レベルについては、極限までさげてないですが、 まだまだ上限には達していないように思っています(が、念のため 確認してみます)
- KEN_2
- ベストアンサー率59% (930/1576)
昔(大昔)、波形再生を考慮したAMPの検討をしていた記憶から、アンプのスルーレートの問題ではないでしょうか? 利得帯域幅の関係と、出力電圧範囲の問題でスイープ時間が長くなると高域でリニアなゲインが得られません。 1.出力電圧が高くなるとゲインが下がります。 (1)試しに入力信号のレベルを下げると直線性が良くなります。 (2)プリアンプの印加電圧を可能な限り高めてやると直線性が良くなります。 2.プリアンプの特性を評価するのにトーンバースト波形やスイーパ波形で評価する手法があります。 (1)プリアンプの過渡応答や位相回転の問題など安定性を検討したはずです。 (2)過渡応答の良いアンプは音質が良くなる結果がありました。 3.サイン波の評価は静的な評価でカタログ仕様の部分となります。 *記憶が薄れていますので違いましたら申し訳ありません。
お礼
丁寧なアドバイスありがとうございます。 スルーレートに関しては、少なくとももっと早い立下りを 調べると何も問題なかったので、今回は別の要因かと思います。 位相が回るってことはあるんでしょうか。
お礼
>・Vは直流までの成分を含んでおり、BPFの低域遮断周波数の影響が出る ありがとうございます 指数関数的に減衰する信号は、いろいろな周波数成分の重ね合わとして考えられるということでしょうか?なんとなくわかってきたような気がします。