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印紙(契約書)の消印は双方必要?
契約書に貼付する収入印紙ですが、過去の質問やネットで調べてみても、「両者の捺印がないと合意とみなされない。」や「二重利用の防止のためなので、片方の消印だけで有効」など様々な回答があります。 私の今までの解釈は、契約書の署名の横に押す印があれば合意は成立。印紙の消印は1つでもあれば有効。ペンで×を書いても有効。 印紙に押す印には、契約の成立の意味は全く無い。 慣習として、両方の捺印があったほうが良い(理由はわかりませんが)。 印紙代の負担は、2通の契約書の場合、慣習?常識?では、それぞれが1枚分ずつ負担。実際はどちらかが2枚分負担しても問題なし。 と思っていました。 今困っているのは、とある契約書で、署名の横にある契約書の押印は両者とも済んでいますが、印紙の消印のみ先方の押印がされていない状況です。 契約書は当社で作成し、1通のみに印紙を貼付して2通先方に郵送したところ、当社が貼付した印紙に印は押されておらず、またもう1通の契約書には印紙が貼っていませんでした。 (先方が印を押してもらうところに鉛筆&ポストイットでマークを入れて置いたのに) 先方は遠方のため、押してもらうには郵送しか方法が無いのですが、 結構いい加減なところなので、 (今回の署名の横の印を押した状態のものを返送してもらうのにも、相当時間が掛かりました。) 2通とも送ってしまうといつ戻ってくるやら・・・と思っていたので、 当社が印紙を貼ったほうの1通に、当社の印だけで消印をし、印紙の貼っていない1通を送り返そうと思っていたところ、上司から「それじゃ無効な契約書だ。ちゃんと印紙の消印も先方のものをもらえ。」と言われてしまいました。 また、印紙とは関係ありませんが、契約書の最終ページの綴じ部に押す綴印も先方の印が押していません。 当社の印は押してあり、先方が契約書のどこかを入れ替えるようなことはできないので、当社の立場からすればそのままで良いと思っていますが、上司に「先方から"差替えただろ"と言われたときに立証できない」。と言われています。 今回の契約書に関して言えば、署名の横に押した先方の印の丁度裏面が綴印のページなので、それで充分では?と思っていますが、コレに関してもアドバイス頂きたいと思っています。 「うちはこういう風にやっている」とか、「こうだと思う」とか、「そのほうがいい」とかの曖昧なアドバイスや慣習のことではなく、正しいか間違っているか、正確なことを教えてください。よろしくお願いします。
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印紙税法では、以下のように規定されています。 第三条 (納税義務者) ...文書(以下「課税文書」という。)の作成者は、その作成した課税文書につき、印紙税を納める義務がある。 2 一の課税文書を二以上の者が共同して作成した場合には、当該二以上の者は、その作成した課税文書につき、連帯して印紙税を納める義務がある。 第八条 (印紙による納付等) 2 課税文書の作成者は、前項の規定により当該課税文書に印紙をはり付ける場合には、政令で定めるところにより、当該課税文書と印紙の彩紋とにかけ、判明に印紙を消さなければならない。 印紙税法施行令第五条 (印紙を消す方法) 課税文書の作成者は、法第八条第二項 の規定により印紙を消す場合には、自己又はその代理人(法人の代表者を含む。)、使用人その他の従業者の印章又は署名で消さなければならない。 “それじゃ無効な契約書だ。ちゃんと印紙の消印も先方のものをもらえ” 仮に印紙税法にのっとった処理が行われていなくても、単に脱税であって“契約書”自体の効果には全く関係ありません。また、第三条第二項によって甲乙両当事者が存在する場合(二以上の者)は“連帯して印紙税を納める義務”があるので、その一方は他方の動向に関わらず印税を納める完全な義務を負います(これが連帯の意味)。 そして、印紙税法施行令第五条では“作成者”が“印章又は署名”で“消す”ことが義務付けられているので、“消す”必要があります。 従って、“連帯”義務を負う一方が正しく“消せ”ば、納税の義務は完全に果たされるので、他の一方とは無関係です。 尚、“X”で“消す”のは“印章又は署名”とはいえないので、厳密には脱税行為です。 よって、法令上は質問者が“消す”ことで納税は完了し、また納税の完了・未了状態は“契約書”の効果には全く関係ありません。よって法令上、上司の主張は失当です。 “綴印も先方の印が押していません”については法令上の規定はありません。従来からの商習慣で行われているものです。綴印の目的は文書の改竄を防止することから、双方の印が押されていなければ、一方が改竄を行うことが困難であることが主張できなくなってきます。争い(裁判など)の場合の証明力に関わることなので、上司の主張は失当とは言えません。 “慣習のことではなく、正しいか間違っているか”については 商法第一条(趣旨等) 商人の営業、商行為その他商事については、他の法律に特別の定めがあるものを除くほか、この法律の定めるところによる。 2 商事に関し、この法律に定めがない事項については商慣習に従い、商慣習がないときは、民法 (明治二十九年法律第八十九号)の定めるところによる。 にあるように商法が優先し、その次は商習慣、そして民法の順であり、“商習慣”は民法に優先します。従って“習慣”は商行為に関する法解釈において重要な意味を持ちます。
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- ok2007
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消印については、国税庁のホームページにもまとめられたものがありますので、ご参考にどうぞ。 http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/inshi/06/03.htm なお、商法1条2項でいうところの「商慣習」は、裁判実務を見る限り、一般用語としての商慣習(ないし商取引における慣習)よりも狭い意味になりそうです。
- yoshi170
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印紙の話しから。 まず、印紙がなくても契約は成立します。印紙の有無は税法上の話しであり、契約本体には影響を与えません。 次に消印ですが、これは1つでよいでしょう。 印紙税の納税義務者はです。契約書の類では作成者は複数になりますが、作成者であれば誰が納めても問題ありません。 そして、印紙税法第8条の2に消印の規定があります。ここにも「課税文書の作成者」が消印をすることが書かれています。要は納めた人が消印をしろということなのです。 ちなみに、印紙税法施行令第5条には、自己又はその代理人(法人の代表者を含む。)、使用人その他の従業者の印章又は署名で消さなければならない。とあります。×印ではよろしくないでしょう。 また、印紙を貼り、消印をしたことで納税したということが認められます。消印をする理由は、契約云々でも二重使用の防止でもなく、法律で定められた納税関係の行為なのです。 綴じ部への押印は、事実関係を争うことになった場合には、重要です。双方がその内容で納得していることが分かるよう、双方のものを推します。