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電磁気学問題、螺旋コイルの磁界計算
螺旋コイルの全体によるP点の磁界の強さHは H=nI(gd^(-1)α-sinα)/2で求まるみたいなんですが。 ここでαはP点が螺線の半径に対してはる角。らしいです。 計算してもうまくいきません。 どのような値になりますか。 自分が思っているのがαの角(90>x>0)が多きいと螺旋コイルに近くのP点を求めるので磁界が強く、αの角が小さいと、螺旋コイルより離れたP点の値を求めるので磁界は弱くなると踏んでいます。 この考えは全く違うのかどうなのか教えてください。又どのような値になっていくのか教えてください。
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- siegmund
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siegmund です. inara1 さんの No.4 拝見しました. > 回答者間の交流は禁止されていますが・・ まあ,回答者間の交流というよりは充実した解答を作成するためと いうことで,大丈夫ですよね(^^). 厳密に言えば,inara1 さんの言われるように, 螺旋コイルの場合は軸上磁界のx, y成分がゼロではありません. 極端な話,1巻きしかない螺旋コイルでしたら, 明らかに軸上磁界にx, y成分があります. ただし,この種の問題はコイルが十分密に巻かれているという暗黙の仮定があります. 別の言い方をすれば,同心円電流が密にあるのと同じ考えています. このことは inara1 さんの No.2 で > 円周方向(電流方向)の微小ベクトルを ds とすれば にもあらわれています. 螺旋でしたら,電流方向は円周方向でなくて本当は少し外側を向いているわけです. 具体的に計算できそうな気もしますが, いずれにしろ x,y 成分は n に比例するような形にはなりません. したがって,n が十分大きければ Hz に比べて Hx,Hy は無視できます. まったく同様の暗黙の仮定はソレノイドの磁界を計算するときにも使われています. 円電流を積み重ねたものとして計算していまして, ソレノイドの軸方向の電流成分は無視しています.
- inara1
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回答者間の交流は禁止されていますが・・ gd^(-1)α の意味はそういうことでしたか。siegmund さんありがとうございます。 ANo.2 の回答は、電磁気学のある演習書に書かれている解法を、自分で計算しながら分かりやすく書き直したものです。螺旋コイルの場合、軸上磁界のx, y成分がゼロでないことはその演習書にも書かれています(そう書かれているだけで計算結果は書かれていません)。確かに、コイルの巻き数 n が小さい場合は、コイルが円とはみなせなくなるので、磁界のx, y成分はゼロにはならないと思いますが・・・
お礼
詳細な計算式をありがとうございます。 順をたどって理解出来ました。 わざわざ計算していただき本当にありがとうございました。 本当に助かりました。
補足
お二人にもうひとつだけ質問をお願いしたいです。今IHヒータについて勉強しているのですが 簡単にシュミレーションというか計算をしたいのですが。渦電流の考えがやっかいです。 例えば、この式で螺旋コイル上、ある点の磁界が求まりますよね。例えば、この磁界が一様とした場合、起電力が求まると思うんですが、これと表皮効果を考えた鍋の抵抗とで、Wが求まりますか? 計算したんですが、全然思ってる数字と程遠くて、計算式が間違っているようにしか思えません。よければ、簡単に考えた場合の計算が分かれば教えてもらえませんか?
- siegmund
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No.2 で inara1 さんが詳細計算を書いておられますので,補足だけ. 渦巻き型蚊取り線香みたいなコイルですね. 質問文には書かれていませんが, この話は螺旋の軸上に限った話です. gd^(-1) は逆 Gudermann (グーデルマン)関数です. Gudermann は19世紀前半のドイツの数学者. Gudermann 関数の定義が (1) gd(x) = 2aractan(e^x) - π/2 = arctan(sinh(x)) で,その逆関数が (2) gd^(-1)(x) = ln|tan(x)+sec(x)| (縦棒は絶対値) です. なお, (3) gd(x) = ∫{0→x} {dx/cosh(x)} (4) gd^(-1)(x) = ∫{0→x} {dx/cos(x)} になっています. (5) sec(x) = 1/cos(x) ですから,inara1 さんの解は orange1985 さんの質問文の式と同じことです. よく見ると,inara1 さんの式と orange1985 さんの式は因子 R だけ違っていますが, これは n の定義の違いによるものです. inara1 さんは総巻数を n としておられますが, orange1985 さんの式は半径方向の単位長さあたりの巻数が n です. つまり, (6) n(inara1)/R = n(orange1985) です. よく知られた無限に長いコイルの内部磁場の式 (7) H = nI で,n は単位長さあたりの巻数ですが,これと質問文の式を見比べると, 質問文の式も n はやはり単位長さあたりの巻数であることが直ちにわかります. (gd^(-1)α-sinα)/2 は次元のない量ですから, n が単位長さあたりの巻数でないと物理量の次元が合いません. なお,inara1 さんは > 軸方向以外にも成分( Hx, Hy )があるので と書かれておられますが,軸上では x 成分と y 成分は対称性で打ち消し合ってゼロになります.
- inara1
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gd^(-1)α の意味が分かりませんが、磁界の軸方向成分 Hz を計算すると、これと似た式 Hz = { n*I/( 2*R ) }*[ arccosh{ 1/cos(α) } - sin(α) ] が出ました。しかし螺旋コイルの場合、軸方向以外にも成分( Hx, Hy )があるので、最終的な答えは H = √( Hx^2 + Hy^2 + Hz^2 )になるかと思います。以下に Hz の計算方法を書いておきます。 下図のように、コイル中心を原点 O、コイルの中心軸を z方向に、x軸を図の上側方向に、y軸を図の手前方向にとります(描けないので省略します) 。 x ↑ ┃ _┃Q ↑┃\ r|┃ θ\ P ┴╂────→ z O┠─ h ─┤ コイル中心からz軸に沿って h だけ離れた点をP( 0, 0, h ) とします。一方、コイル上にあって、中心から半径 r にある点をQ(x, y, 0 ) とします( 点Qは円上にあるので r^2 = x^2 + y^2 です)。上図のように、点Pから点Qを見たときの角度(∠QPO)を θ とします。さらに、図では描けませんが、線分OQとx軸とのなす角を φ とします(図ではQがx軸上にあるように描かれていますが、原点Oから距離 r のxy平面上にあるとしてします)。 ベクトルQP(QからP方向)の各成分を QPx、QPy、QPzと書けば QPx = -r*cos(φ)、QPy = -r*sin(φ)、QPz = h となります(x,y成分に-がついているのはQPの方向が z軸の正の方向のためです。図を描くと判ります)。 一方、点Qを始点とし、φが大きくなる方向(手前方向)に終点がある円周方向(電流方向)の微小ベクトルを ds とすれば、その各成分も同様にして dsx = -r*sin(φ)dφ、dsy = r*cos(φ)dφ、dsz = 0 と書けます。そうすると、ds が作る微小磁界 dH のz方向成分は、ビオサバールの法則により dHz = I/( 4*π ) *( ds×QP )z/|QP|^3 となります。I は ds を流れる電流ですが、 I がそのままかかっているのは、ds自身が1本のコイルとみなしているからです。|QP| はベクトルQPの大きさ( = √( r^2 + h^2 ) )です。( ds×QP )z はベクトル積(外積) ds×QP のz成分という意味で、これは ( ds×QP )z = dsx*QPy - dsy*QPx なので dHz = I/( 4*π ) *( dsx*QPy - dsy*QPx )/( r^2 + h^2 )^(3/2) = I/( 4*π ) *{ r^2*sin^2(φ)dφ + r^2*cos^2(φ)dφ }/( r^2 + h^2 )^(3/2) = I/( 4*π ) *r^2/( r^2 + h^2 )^(3/2) dφ --- (1) となります。 ところで、この螺旋コイルの半径を R 、巻き数を n としたとき、点Qが 一周するごとに(φ が 0 から 2πまで動くときに)、r が R/n だけ増えるので r = R/n/(2*π)*φ で表されます。したがって φ = 2*π*n*r/R なので dφ = 2*π*n/R dr --- (2) 一方、上図から、r を θ で表せば r = h*tan(θ) なので dr = h/cos^2(θ) dθ --- (3) 式(2), (3)より dφ = 2*π*h*n/{ R*cos(θ) } dθ --- (4) したがって、式(4)を式(1)に代入すれば dHz = I/( 4*π ) *r^2/( r^2 + h^2 )^(3/2)*2*π*h*n/{ R*cos(θ) } dθ = ( n*I*h*r^2 )/{ 2*( r^2 + h^2 )^(3/2)*R*cos(θ) } dθ ですが、r = h*tan(θ) なので ( r^2 + h^2 )^(3/2) = { h/cos(θ) }^3 したがって dHz = { n*I*h*h^3*tan^3(θ) }*cos^3(θ)/{ 2*h^3*R*cos(θ) } dθ = { n*I/( 2*R ) }*tan^2(θ)*cos(θ) dθ = { n*I/( 2*R ) }*{ 1/cos(θ) - cos(θ) } dθ これを θ = 0 から θ = α (ただし h*tanα = R )まで積分したのが求める磁界で Hz = { n*I/( 2*R ) }*∫[θ = 0 → α ]_{ 1/cos(θ) - cos(θ) } dθ = { n*I/( 2*R ) }*[θ = 0 → α ]_[ ln{ tan(θ) + 1/cos(θ) } - sin(θ) ] = { n*I/( 2*R ) }*[ ln{ tan(α) + 1/cos(α) } - sin(α) ] ここで k = ln{ tan(α) + 1/cos(α) } とおくと tan(α) + 1/cos(α) = e^k、1/{ tan(α) + 1/cos(α) } = e^(-k) なので e^k + e^(-k) = 2/cos(α) → cosh(k) = 1/cos(α) → k = arccosh{ 1/cos(α) } ( arccosh は cosh の逆関数 ) したがって Hz = { n*I/( 2*R ) }*[ arccosh{ 1/cos(α) } - sin(α) ] Hx、Hy も同様にして計算できると思います。
- inara1
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コイル形状はどういうものでしょうか。g と d は何でしょうか。式は正しいですか? 手元の演習書では、長さ L、半径 r のソレノイドコイルの中心軸上の点 Q での磁界は H = ( n*I/2 )*( cosα1 - cosα2 ) --- (1) となっています。α1 = ∠APQ、α2 = ∠BPQ です。 A━━━━B Q────O──P ━━━━ O から P までの距離を x 、コイルの長さ( = AB = QO )を L、コイルの半径( = QA = OB )を r とすれば cosα1 = QP/AP = ( L + x )/√{ ( L + x )^2 + r^2 } cosα2 = OP/BP = x/√( x^2 + r^2 ) sinα1 = QA/AP = r/√{ ( L + x )^2 + r^2 } sinα2 = OB/BP = r/√( x^2 + r^2 ) なので cosα1 - cosα2 = ( L + x )/√{ ( L + x )^2 + r^2 } - x/√( x^2 + r^2 ) = { ( L + x )*sinα1 - x*sinα2 }/r したがって、式(1)を sin で表すと H = ( n*I/2r )*{ ( L + x )*sinα1 - x*sinα2 } = x*( n*I/2r )*{ ( 1 + L/x )*sinα1 - sinα2 } となりますが、質問の式とは違います。
補足
わざわざすみません。あっソレノイドコイルではないんです。 求めたいのが平面螺旋状のコイルです、IHのヒーターに使われるやつなんですが 簡単に言うと、うず巻き状のコイルです。 わかるのであるならば教えてください
お礼
わざわざ色々ありがとうございます。 なかなか電磁気学の本には載ってなくて。自分の見ている本がダメなのかな すごく助かりました。
補足
お二人にもうひとつだけ質問をお願いしたいです。今IHヒータについて勉強しているのですが 簡単にシュミレーションというか計算をしたいのですが。渦電流の考えがやっかいです。 例えば、この式で螺旋コイル上、ある点の磁界が求まりますよね。例えば、この磁界が一様とした場合、起電力が求まると思うんですが、これと表皮効果を考えた鍋の抵抗とで、Wが求まりますか? 計算したんですが、全然思ってる数字と程遠くて、計算式が間違っているようにしか思えません。よければ、簡単に考えた場合の計算が分かれば教えてもらえませんか?