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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:切土のり面の擁壁工事にかかる費用の負担)

切土のり面擁壁工事の費用負担とは?

このQ&Aのポイント
  • 購入した傾斜地の隣地に切土のり面があり、崩落が進んでいるため擁壁工事を考えているが、先の所有者に費用を請求できるかどうかについて調査する。
  • 傾斜地の土地にある切土のり面が崩落し、隣地に倒れた木や落下した土砂が存在する。擁壁工事をするためには先の所有者に費用負担を求めることができるのか検討する。
  • 購入した土地の隣にある切り土のり面が崩落しており、擁壁工事を行う必要があるが、以前の所有者に費用を請求できるかどうかを調べる。

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noname#4720
noname#4720
回答No.1

 まず   (1) marotchiさんのお母様が購入なさった土地を甲地   (2) 甲地の以前の所有者をA   (3) marotchiさんのお母様をX   (4) 隣地を乙地   (5) 乙地の以前の所有者をB   (6) 隣地の現在の所有者をY とします。  今回のご質問は、Xが甲地の擁壁工事をするに当たり、Bに対して何らかの費用請求をすることができるかどうかという内容であると思います。  次のような順番でご説明していきたいと思います。 1 Bの責任  1.1 契約上の責任  1.2 不法行為責任 2 Aの責任  2.1 瑕疵担保責任〔民法570条〕   2.1.1 物理的なもの   2.1.2 法律や条例などの制限によるもの  2.2 AがBに不法行為責任を追及しなかったこと 3 物権的請求権  3.1 その内容  3.2 がけの所有者がXである場合  3.3 がけの所有者がYである場合 4 敷地境界のがけの擁壁工事の費用負担に関する判例の動向 5 まとめ  5.1 X→Bへの請求  5.2 X→Aへの請求  5.3 X→Yへの請求  5.4 Y→Bへの請求 6 アドバイス 1 Bの責任  1.1 契約上の責任  XはAから甲地を購入し、YはBから乙地を購入しました。AB間で将来発生するであろう甲地の擁壁工事につきBが何らかの費用負担を負うとする特約があり、その特約つきでXが購入なさった場合でもない限り、Xと何ら契約関係にないBに対してXが契約上の責任を問うことはできません。  1.2 不法行為責任  お話によると、のり尻(崖下)が敷地境界であり、Bは少なくとも平成元年以前に甲地の一部を切り崩す形で乙地の整地をしたというようなことだろうと思います。  そうだとすると、甲地の一部を切り崩していることはもちろんのこと、こののり面の傾斜確度にもよると思いますが、甲地を崩落させる危険を招いているわけですから、Bには甲地に対する不法行為が成立していると考えられ、甲地所有者であったAは、Bに対して損害賠償請求をすることができます〔民法709条〕。  但し、不法行為に基づく損害賠償請求は、その加害者と損害の程度を知った時から3年以内、不法行為が行われた時から20年以内に行なわないと時効により消滅します〔民法724条〕。  今回のケースでは、Bは少なくとも平成元年以前にそのような行為を行っており、甲地崩落の危険性を認識することは既にその時点から可能であったものと考えられます。そうだとすると、少なくとも平成3年頃にはAはBに対する損害賠償請求権を消滅時効により失っていたと考えられます。  Aが損害賠償請求権を失っている以上、そのAから購入したXも、損害賠償請求を行なうことはできません。 2 Aの責任  2.1 瑕疵担保責任〔民法570条〕   2.1.1  物理的なもの  売買の物件に、購入者が通常の注意を払っていただけでは分からないような『隠れた瑕疵(「かし」=欠陥のこと)』があり、購入者がそれを知らずに購入した場合には、その欠陥が合ったために購入した目的を達することができなかった場合に限り売買契約を解除することができ、購入目的不達成にまでは至っていないものの購入者に何らかの損害が生じた場合には、売主に対し、その損害の賠償を請求することができます〔民法570条〕。これを『瑕疵担保責任』と言います。  しかし、今回の場合、傾斜確度や切り土付近の様子などは、現地でよく観察すればすぐにわかるものであると思われます。したがって、この切り土付近の状況に関して上で述べた『隠れた瑕疵』があったとは言えないと考えられます。  したがって、Aに対してこの意味での瑕疵担保責任を問うことはできません。   2.1.2  法律や条例などの制限によるもの  高さ2メートルを超える擁壁の場合、建築基準法上の様々な技術的基準や手続的要件を満たさなければなりません〔建築基準法施行令138条1項5号。建築基準法88条1項〕。  また、お住まいの都道府県・市町村によっては、宅地に隣接して崖などがある場合、建築制限をしていたり、擁壁設置を義務付けたりしている場合があります。  例えば、神奈川県の例を揚げますと、 ――――――――――――――――――――――――― 神奈川県建築基準条例第3条〈抜粋〉 1項 高さ3メートルをこえるがけの下端からの水平距離が、がけの高さの2倍以内の位置に建築物を建築し、又は建築物の敷地を造成する場合には、がけの形状若しくは土質又は建築物の位置、規模若しくは構造に応じて、安全な擁壁を設けなければならない。 2項 前項の規定は、がけの上に建築物を建築する場合において、当該建築物の基礎ががけに影響を及ぼさないとき、又はがけの下に建築物を建築する場合において、当該建築物の主要構造部を鉄筋コンクリート造とし、又はがけと当該建築物との間に適当な流土止めを設けたときは、適用しない。 3項 高さ3メートルをこえるがけの上にある建築敷地には、がけの上部に沿って排水こうを設ける等がけへの流水又は浸水を防止するため適当な措置を講じなければならない。  上記の1項、3項に違反した設計者には20万円以下の罰金が科せられ〔同59条1項〕、わざと行なった施工業者や建築主も同様に罰せられます〔同2項、3項〕。 ―――――――――――――――――――――――――  このように業者でもない限り通常は知ることができないような法令上の制限により、購入目的が達せられなくなった場合や損害が生じた場合には、買主の側にそれらを知らないことについて過失が認められない限り民法570条の『隠れた瑕疵』が認められ、買主がそれらの事実を知った時から起算して1年以内であれば〔民法566条3項〕、契約の解除や損倍賠償請求をすることができます。  しかし、これでは買主が20年や30年経った後に瑕疵に気付いた場合、売主ははるか昔に売った物について責任をとらされることになって不都合が生じることが考えられます。  そこで、不動産業者が仲介に入って売買契約を交わしていた場合には、契約書において引渡時から1年とか2年とかの瑕疵担保責任期間に関する特約を設けている場合が多いです。  ちなみに、不動産業者が仲介ではなく売主であった場合には、この特約による瑕疵担保責任の期間制限は2年以上としなければならないことになっています〔宅地建物取引業法40条〕。  2.2 AがBに不法行為責任を追及しなかったこと  被害者が加害者に対して損害賠償請求をするかどうかは被害者の自由です。この点についてAを責めることはできません。 3 物権的請求権  3.1 その内容  所有者は、自己の所有物に対して誰かの所有物により、何らかの妨害を受けたり妨害を受ける危険が生じた場合には、その所有者に対してその妨害を排除することを求めたり(妨害排除請求権)、妨害を予防したりすることを求めたり(妨害予防請求権)する権利を有しています。また、自己の所有物が自己の管理下から奪われた場合には、その物の返還を請求することができます(返還請求権)。  3.2 がけの所有者がXである場合  甲地の土砂が乙地に崩落した場合、その崩落した土砂の返還を甲地の所有者Xは乙地の所有者Yに請求することができます。  同時に、YはXに対して妨害排除請求を行なうことができ、さらに、今後土砂の崩落や倒木による被害を受ける心配が起こらないように妨害予防請求を行なうことができます。  3.3 がけの所有者がYである場合  この場合、甲地の土砂が乙地に崩落した場合、その崩落した土砂の返還を甲地の所有者Xは乙地の所有者Yに請求することができることについては先程の3.2と同じです。それ以外に、Xは、自己の土地がこれ以上崩落しないような措置を講ずるよう、Yに対して妨害予防請求を行なうことができます。  そして、YがXに対して請求できるのは、崩れてきた土砂について妨害排除請求だけです。 4 敷地境界のがけの擁壁工事の費用負担に関する判例の動向  上記3.2と3.3で述べたことからお分かりのように、がけの所有者が誰であるかによって擁壁工事の義務者・費用負担者が決まるのが民法上の原則です。  しかし、がけに擁壁ができることにより利益を受けるのは、がけの上を所有しているXもがけの下を所有しているYも同じです。  そこで最近の判例の動向としましては、平地での相隣関係における境界線上に設置する塀について規定している民法225条~232条の趣旨を類推して、境界上に設置する擁壁についての費用は、がけ上とがけ下、双方の土地所有者が共同で負担するよう命じる判決が多く出されています(東京高等裁判所昭和51年4月28日判決。東京高等裁判所昭和58年3月17日判決判例タイムス497-117等)。  但し、必ずしも1対1の割合で費用分担するとは限らず、双方の様々な事情を考慮して負担割合がきめられます。 5 まとめ  5.1 X→Bへの請求  以上述べてきたことからお分かりの通り、marotchiさんのお母様が隣地の前所有者に何らかの請求をすることはできないものと思われます。  5.2 X→Aへの請求  場合によっては瑕疵担保責任による契約の解除や損害賠償請求〔民法570条〕を行なうことができるものと思われます。  5.3 X→Yへの請求  民法の相隣関係の規定を類推し、擁壁設置費用の相応の費用負担の請求を行なうことができるものと思われます。  5.4 Y→Bへの請求  場合によっては、2.1で述べた理屈で、YからBに対して瑕疵担保責任による損害賠償請求を行なうことができるかもしれません。 6 アドバイス  高さが4メートルということなので、建築基準法その他で定める技術基準は最低限満足する程度の質の擁壁を造る必要があるため、距離にもよるでしょうがかなりの金額になるものと思われます。これから長い付き合いになるお隣さんが絡んでくる問題でもありますし、みな誰しもお金を出したいと考えている者はおりませんから、あやふやな知識・資料や考えで交渉にあたっても、まとまることは難しいものと思います。  これら建築分野に詳しい弁護士の先生を、お住まいの弁護士会に問い合わせて紹介していただき、現地での調査や打ち合わせを十分にした上で行動をなさった方が良いのではないかと思います。  何とか無事に解決されんことをお祈り致します。  以上、ご参考まで。

marotchi
質問者

お礼

詳しいご回答ありがとうございます。 ご指摘の通り、かなり大きな工事費用がかかることが確かなので、少しでも適正な費用の分担をしたいと考えています。しかし、何よりも近隣の安全を優先してできるだけ早く工事を行わなければならないという状況ですので、少しでも早く法的な情報を得るためにこのサイトを利用いたしました。 アドバイスしていただいた通り弁護士への依頼を含めて、今後の対応を考えようと思います。 ありがとうございました。

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