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貿易赤字の問題点は何か?
- 貿易赤字は好ましくないことです。国内の通貨が国外に流出することで経済に悪影響をもたらします。
- 貿易は通常、輸出国と輸入国の間で行われます。輸出する際の代金は通常、輸入国の通貨で支払われます。
- 貿易赤字の原因は輸出競争力の低下や輸入超過ですが、貿易黒字も過度であることは問題です。経済のバランスを考える必要があります。
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経常収支赤字(貿易赤字のことですが、あえて言い換えます)が なぜいけないかということですが、 基本的にはいけないということはありません。 ここからは経済学の観点から説明します。 理系の方ですから、数式を使ってもかまいませんよね。 まず2本の式を紹介しておきます。 1本目は BP=NX+K+e=0 NXは経常収支黒字(+)、Kは資本収支赤字(-)、eは外貨準備増(-)です。 BP(Balance of Payment、国際収支)が0になるというわけですが、 この式の意味するところは、 外貨準備が0とすれば円建てドル建てに関わらず、 貿易によって得た額(経常収支黒字)は 海外への投資(資本収支赤字)に消えるということです。 2本目は ISバランスアプローチに基づいた以下の式です。 (S-I)+(T-G)=(EX-IM) Sは貯蓄、Iは投資、Tは税収、Gは政府支出、EXは輸出、IMは輸入です。 もしこの式を事後的に成立する恒等式ととらえることができるなら、 個々の主体の行動とは無関係に、 輸出競争力とか、世界市場における価格競争力ということは まったく意味をなさず、 国内の貯蓄超過、あるいは財政黒字は 結果としての経常黒字につながります。 つまり、一国単位で貯蓄が少なく投資が多い、財政赤字であれば、 自然と輸入超過となり、経常赤字となります。 1本目の式から、その分資本収支黒字が生じ、 海外から資金が流入していることになります。 アメリカの例でいえば、 貯蓄がかなり少なく、以前は莫大な財政赤字を抱えていたわけですから、 その結果として、経常赤字な訳です。 しかし、多額の経常赤字を抱えていても その分多く海外からの投資を受けており、 国内の貯蓄だけではまかなえない国内の投資を 海外からの資本流入で支えてもらっていることになります。 きわめて日本的な立場から見れば、 むしろ感謝してほしい、ということでしょうか。 これらの分析は経済学の教科書に載っています。 これではあまり答えになっていないような気がするので、 いけないという意見から見たらどうでしょう。 まずいっておきたいのは国際貿易論の分野でいえば、 うえの例と同様、価格競争力という概念はまったく無意味です。 詳しくは書きませんが、 リカードの比較優位、 ヘクシャー・オリーンの定理などを参考にしてください。 さて本題に戻りますが、 経常赤字は自国の需要を海外の生産でまかなっているわけですから、 それを自国で生産した方が、国内の失業も減るし GDPも高まるはずです。 つまり、内需を外需が浸食している状態で望ましくない といえなくもありません。 もうひとつは為替レートとの関係です。 取引がどちらの通貨建てでおこなわれたとしても、 必ず為替市場を通すことになります。 日本がものを売ったとき、 日本が円を受け取るならアメリカがドルを円にかえなければならないし、 日本がドルを受け取ったとしても結局はドルを円にかえなければなりません。 (日本ではドルは使えません) だとすれば、どちらで取り引きしてもドル売り円買い、 経常赤字は自国通貨安を意味します。 これが良くないといえなくもないでしょう。 それはそのときの経済状態によりけりです。 今まで長々と書いてきましたが、 基本的に為替レート決定モデルに基づいています。 為替レート決定モデルには 短期、中期、長期といくつかありますが、 それによって結論が大きく異なります。 というわけで実はどの立場を重視するかで 正しい答えはないことになります。 つまらない結論で申し訳ありません。
お礼
回答どうもありがとうございました。m(_)m