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落語「金明竹」の口上について

近年のブームに倣って、私の通う大学のゼミでも落語を取り扱うようになりました。(研究テーマは古典です) 私自身も、落語を聞きはじめたのはゼミに入ってからです。 先日、ゼミ会として落語会を見に行きました。(上方) そこで初めて聞く噺があったので、メモをとって帰宅後に調べると、その噺は「金明竹」でした。 調べた際のソースはwikipediaで、実際に落語会で聞いたものとは設定がだいぶ異なっていましたが、この噺の中に出てくる男の口上が同じだったのでおそらく間違いないと思います。 この口上というのは以下のものです。 「わて、中橋の加賀屋佐吉方から参じました。先度、仲買の弥市の取次ぎました道具七品のうち、祐乗、光乗、宗乗三作の三所もの。並びに備前長船の則光、四分一ごしらえ横谷宗岷小柄付きの脇差し、柄前はな、だんなはんが古鉄刀木といやはっとりましたが、やっぱりありゃ埋れ木じゃそうにな、木が違うておりまっさかいなあ、念のため、ちょっとお断り申します。次は、のんこの茶碗、黄檗山金明竹、ずんどうの花いけ、古池や蛙飛び込む水の音と申します。あれは、風羅坊正筆の掛け物で、沢庵、木庵、隠元禅師はりまぜの小屏風、あの屏風はなあ、もし、わての旦那の檀那寺が、兵庫におましてな、この兵庫の坊主の好みまする屏風じゃによって、かようお伝え願います」 実際に落語会で聞いた時もそうでしたが、早口で繰り返すこの男の口上の意味がよくわかりません。 実際に聞き、また後から調べてわかったのは、 ・この男は「中橋の加賀屋佐吉」さんの使いの者である ・骨董屋のご主人が仲買人の弥市に七品の道具を委託した(?) ということくらいです。 七品の詳細や「木が違う」などの掛詞など、細かな部分はいろいろな所で解説されているのですが、いまいちわからないのは以下の点です。 1.「中橋の加賀屋佐吉」が骨董屋の主人に伝えたかった具体的な用件とは何だったのか? 一見、七品目を説明しているだけのように思えてしまいます。 2.突然芭蕉の句が出てくるが、これは口上の中の何れかの単語につながっているのか? 実際に聞いた落語でも、突然話の中に出てきたような印象を受けました。(前後の文脈をあまり理解できていないためでしょう…) また、句を述べた後は「と、申します」と言い切りで終わっているために、口上の中の何と関係しているのか、または全く無関係なのかもわかりませんでした。 以上二点に関してご存知の方、詳しい方がおられましたらご教授下さい。  

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.1

「古池や…」の句は 花生け(はないけ)→古池(ふるいけ)で掛詞だと思います。 おそらく「申します」のうしろは「。」になっていますが「、」でしょう。「風羅坊」は芭蕉のことですから、 「古池や…」と申します(有名な句が書いてあります)、あれは風羅坊(芭蕉)の正筆の掛け物で… とつながると思われます。 お使いのひとの言いたかった事は、 まず、だんなさんは仲買いの弥市さんにお道具を何点か売ってくれと頼んだ 弥市さんはそれを上方(たぶん)の骨董屋である加賀屋左吉さんのところに持ち込んだ。 左吉さんは自分でお道具を鑑定して、その鑑定結果をだんなさんに伝えるべく(今後の価格交渉の下地にする)、お使いを立てて口上として言わせた。 ということだと思います。

viola1926
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 「古池や…」の点は、完全に私の勉強不足でした… 加賀屋佐吉さんの用件については、これは骨董屋同士の取引だったのですね。そうすると辻褄が合います。今までまったく気がつかず、おかげでようやく理解できました。 疑問点が非常にわかりやすく解説されていて、思わずなるほど…と納得してしまいました。 どうもありがとうございました。  

その他の回答 (2)

回答No.3

#2です。 ご指摘の通り、「織部の香合」を入れている噺家さんは少ないですね。 質問者さんのように「香合」抜きのバージョンで演じている噺家さんの方が多いと思います。 でも基本としては、すでにリストアップした7点が道具七品ですね。 うろ覚えですが、確か先代の金馬師匠の「金明竹」は、 七品が全部出てきたと思います。 ウィキペディアは便利ではありますが、 内容的には問題も多々あるサイトです。 頭から鵜呑みにするのではなく、参考程度に留めておいた方がいいですよ。 ところで、立川談笑の「金明竹」をお聞きになったことは? 談笑のは大阪弁ではなく、コテコテの山形弁バージョンで、 死ぬほど笑えます。 CDも出ていますので、機会があったら是非聞いてみて下さい。

viola1926
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 先に回答していただいた7品が元来のものということですね。これからはこの7品目で憶えておきます。 ウィキペディアに関しては、私のゼミの先生からも度々問題点を指摘されています。そのことからも参考程度に読んだつもりだったのですが、他のサイトでも解説が多岐にわたっていましたので、混乱していたところです。再度の解説助かりました。 恥ずかしながら、立川の噺家さんは談志以外知りませんでした… 一度調べ始めた噺ですから、もう少し色々な落語家の金明竹を聞いてみようと考えておりますので、談笑の金明竹も今度探して聞いてみたいと思います。  

回答No.2

「寿限無」もそうですが、「金明竹」も演者によって内容が多少違います。 質問者さんの口上では、道具七品が全部網羅されていませんね。 さて、口上の道具七品を整理してみましょう。 1.三所物ならびに脇差 2.織部の香合(これが抜けています) 3.のんこうの茶碗 4.黄檗山金明竹の自在鍵 5.(小堀遠州の銘のある)ずんどうの花いけ 6.「古池や蛙飛び込む水の音」と書かれた風羅坊正筆の掛け物 7.貼り混ぜの小屏風 以上が道具七品になります。 1.は説明が長いので2品と間違えやすいのですが、 この脇差の柄前が実際には埋もれ木で、 『木が違っている/気が違っている』ことを使者は伝えています。 6.については#1の方の回答にあるように、風羅坊(芭蕉)直筆の 掛け物ということになります。 7.の小屏風は、「あの屏風はなぁ、わての旦那の旦那寺が兵庫におましてなぁ、 この兵庫の坊主のえろう好みまする屏風じゃによって、表具へやり、 兵庫の坊主の屏風にいたします、とかようおことづけ願います。」 という口上になります。 「金明竹」はいわゆる口ならしのための前座噺ですから、内容云々よりも 聞いた時の面白さで語るものです。 でもこの佐吉方から来たお使いの言いたかったことは、道具七品のうち、 上記1と7の2点の注意事項があります、ということです。 さらに詳しいことについては、解説付きの速記本が何種類も出ていますから、 それをお読みになるといいと思います。

viola1926
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 実は7品目の詳細に関しては、揺れが大きいためにあまり気にしてはいなかったのですが、No.2さんの道具の説明や噺の寸評は、この落語を解釈をする上でとても役に立ちました。 ひとつ気になる点があるのですが、私が聞いた会の噺では、「織部の香合」は無かったように思います。 とはいえ、はじめて聞いた噺ですので定かではありません。ただ、他の品物は語感やリズムで憶えているのですが、織部の香合はやはり出てこなかったように思うのです。 質問文の口上は以下から貼り付けたものです。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E6%98%8E%E7%AB%B9 また、調べている段階で、下記のサイトも参考にしました。 http://ginjo.fc2web.com/113kinmeitiku/kinmeitiku.htm ここの解説では織部の香合が出てきます。 おそらくではありますが、噺家さんによって、この7品目にもいくつか筋があるのではないかと思うのです。 ただ、解説によって、ひとつの品物が3つになったり2つになったりするので、この点は今でも混乱するところなのですが…  

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