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電子回路 FET
差動ラインドライバから受けた信号で LEDを点滅する回路を 作成しております。 LEDは高速赤外を使い 1MHz程度で情報を 送りたいと考えています。 LEDの数は40個以上で 1LED辺り 150mA 程度流すことを考えて ます。電源は5Vです。 よってLED数個を 1個のFETでスイッチ することを考えました。 差動ラインドライバは SN75ALS176B を使っております。 Iohが -400uA しかないため、 FETを数十個をパラレルに ドライブする事は直感的に難しいのではないかと思うのですが、 どの数値を持って計算すれば良いのか分かりません。 また、FETを2段接続して駆動する方法も考えましたが、FETの ダーリントン接続を行うときの注意点はありますでしょうか? FETには NDS355Nを使用しています。 よろしくお願いします。
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データシート [1] によれば、NDS355Nは入力容量が 245pF ありますので、SN75ALS176Bのレシーバ出力(1pin)に接続できるのはせいぜい1個でしょう。NDS355N のソースに抵抗を入れると、ドレイン電流によってスレッショルドレベル(TTLコンパチ)が変わってしまうのでダメだと思います。 下図のように、レシーバ出力をソース接地のNDS355N(Q1)で受けて、その出力をドレイン側から取り出して複数のNDS355N(Q2、Q3、・・・)に分配すれば、NDS355Nのスレッショルドレベルは変わりません。 ┌─┬─┬ ・・・┬─ 5V │ │ │ │ R R R R │ │ │ │ ┯ 5V ▼ ▼ ▼ ▼ LED1~8 Rd D ─┴─┴─┴ ・・・┘ SN75ALS176B ├─────┬─ G Q2 ┏━┓1pin D Q1 │ S NDS355N ┃ ┠────G NDS355N │ ┷ ┗┯┛ S │ ▼ ▼ ▼ ▼ LED9~16 ┷ ┷ │ D ─┴─┴─┴ ・・・┘ GND GND ├─ G Q3 │ S NDS355N │ ┷ NDS355NのON抵抗( 0.25Ωmax)と許容損失(0.46W)から、NDS355Nの最大ドレイン電流は 1.35A 程度になりますので、1個のNDS355Nで駆動できるLED数は、LEDの最大電流を 150mA とすれば8個程度になります。LEDは40個以上とのことですので、LED数に応じてNDS355Nの数を増やしていけば良いのですが、NDS355Nの入力容量( 245pF) と通信速度(1MHz)を考えて、Q1の負荷抵抗 Rd は適切な値を選ぶ必要があるかと思います。また、複数のLEDを使って通信した場合、各LEDのジッタによって通信速度が制限されると思います。1MHz程度なら問題ないかもしれませんが、そのあたりは経験不足で適切なコメントができませんが、単純なRC回路で考えてみます。 Q1がOFFからONに変化したときは、Q2以降のゲートに溜まっていた電荷は、Q1のON抵抗(非常に小さい)を介して放電されるので、LEDがOFFとなる時間(ターンオフ時間)は短いと思います。しかし、逆にQ1がONからOFFになったとき、Q2以降のゲートへの充電電流は、ドレイン抵抗 Rd を通じて流れるので、下図のような RC回路に階段波が入力されたときの応答になります。 Vo ┏━ ─ Rd ─┬─ VGS 0V ━┛ N×Ciss ┷ CissはNDS355Nの入力容量 [F]、N はQ2以降のNDS355Nの数です。VGSはゲート電圧 [V] です。入力信号が立ち上がる時間を t = 0 とすれば、VGSの応答波形は次のようになります。 VGS = Vo*[ 1- exp{ -t/( N*Rd*CIss ) } ] これがNDS355Nのスレッショルド電圧 Vth に達する時間 t0 [s] は t0 = N*Rd*Ciss*ln{ Vo/( Vo - Vth ) } Vth = 1.6V、Vo = 5V、N=5、Ciss = 245e-12 F とすれば t0 [μs] = 0.756×Rd [kΩ] となります。 入力信号が50% dutyの矩形波の場合、ONからOFFまでの最短時間は半周期なので、半周期 < t0 となるとQ2以降のNDS355NはON状態になりません。1MHzの半周期は 0.5μs ですから、Rdの条件は 0.5 > 0.756×Rd [kΩ] → Rd < 661Ω となります。ただしこれはギリギリの値なので、5倍程度の余裕をとれば、Rd = 100Ωとなります。このときのON遅延時間 t0 は 0.0756μs となります。Rd = 100Ωのとき、 Q1 がONしたときのドレイン電流は 50mA とかなり大きくなりますが、Q1の許容電流は 1A なので問題ありません。Rd の消費電力は、Q1がずっとONの場合、最大0.25Wなので、1/2W程度の許容損失の抵抗を使う必要があると思います。これはN=5場合ですので、Nの数を増やせば、Rd の値をもっと小さくしなければなりません(そうするとRdの消費電力も増える)。 [1] NDS355Nデータシート http://www.ortodoxism.ro/datasheets/nationalsemiconductor/DS013107.PDF
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- inara
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> 質問は ”学問&教育 > 物理学 ”の方が良いのですね。 そちらのほうが回答が多いと思います。"趣味->その他趣味" でもいいですが、ここは質問の範囲が広すぎて見る人が少ないのか、あまり回答がつきません。 昨夜、「MOSFET選定」の質問が"物理学"でされました(http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3351125.html http://okwave.jp/qa3351125.html)。今回の質問と技術内容(ゲート容量と駆動能力)が似ていますので参考になるかもしれません。
- inara
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Reverse Transfer Capacitance(逆伝達容量:Crss)は、ゲートとドレイン間にある寄生容量で、出力から入力に信号が帰還される経路になるので、バイポーラトランジスタのミラー効果と同様のメカニズムで、高周波での利得低下や、パルス回路での伝播遅延の原因になります。電圧増幅回路の利得を Av としたとき、ミラー効果によって、Crss は Av + 1 倍になったのと等価になります。しかし、この回路では入力電圧の振幅と出力の振幅はほぼ同じ(Av=1)なので、ゲートの等価入力容量は Ciss + 2*Crss = 285pF と、Crssを考えない場合より16%大きくなりますが、ANo.1の計算では 5倍の余裕を見ているのであまり影響しないと思います。 > Turn On / Off タイムが出来るだけ同じ物を探そうと考え 本FETにたどりつきました。(Turn Off Fall Time は速いですが) データシートに出ているTurn On / Off タイムは、6Ω の信号源で測定したものなので、Turn Onタイム td(on) は小さい( 15ns typ ) のは当然です。データシートによると、td(on) の定義は出力電圧が最終値の90%に達する時間なので td(on) = Cin*Rg*ln(10) + td0 = 2.303*Cin*Rg + td0 となります。CinはCissでなく、Crssの影響の入った実質的なゲート入力容量です。td0 はFET固有の遅延時間です。td0 が分からないと Cin は計算できませんが、td0 = 10ns 程度と仮定すると、Cin が逆算できます。td(on) = 15ns、Rg = 6 [Ω] とすると、Cin = 362 pF となってもっともらしい値になります。実際の td0 を知るには、Rg(信号源抵抗)を変えたときの td(on) を測定するか(遅延時間のデータを Rg = 0 に外挿したときの td が td0 になる)、回路シミュレータのSPICEパラメータを見てみるしかないと思います(Webで探した範囲ではSPICEデータは見当たりません)。 >もっと 高速で、Cissの少ないものをもう一度探そうと思いました 最近の質問(http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3166209.html)で、2SK2961というFETが紹介されています[1]。TO-92パッケージと少々大きいですが、Cissが 170pF、ON抵抗が 0.26Ω、許容損失が 0.9W です。大ドレイン電流(DC)が 2A なので、LEDを12個駆動できますので、N値(並列駆動するFET数)は少なくなります。このFETは千石電商(http://www.sengoku.co.jp/modules/wraps/index.php/index.htm)で1個50円です[2]。 [1] 2SK2961データシート(日本語)http://www.semicon.toshiba.co.jp/docs/datasheet/ja/Transistor/2SK2961_ja_datasheet_061116.pdf [2] 2SK2961価格 http://www.sengoku.co.jp/modules/sgk_cart/search.php?toku=&cond8=and&dai=&chu=&syo=&cond9=&k3=2&list=2&pflg=n&multi=&code=2AE5-B4EB
お礼
inaraさん 丁寧な回答ありがとうございます。 頂いた情報を元に 再考させていただきます。 また、質問は ”学問&教育 > 物理学 ” の方が 良いのですね。 電気 電子回路のカテゴリがあれば良いのですが。
- myeyesonly
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こんにちは。 >FETを2段・・・とはどのように繋ぐのでしょうか。 普通はFETのソースをトランジスタのベースに繋いでダーリントン接続にするのが一般的だと思います。 HFEの高いトランジスタを使い、各ベース回路にアンバランス補償抵抗を入れればFETは1段で2段目のトランジスタを並列に増やす事もできます。
お礼
回答ありがとうございます。 FETを2段 とは 私が理解できていないため 苦肉の 策で思いついただけです。 なぜ そのように考えたかといいますと、 差動ラインドライバは SN75ALS176B のIohが -400uAのため FETをパラレルに 10個 20個と繋いでいった場合、 ゲートの静電容量が増えて スイッチング特性が落ちるのではないかと 考えました。その為、ラインドライバの出力を一個目の FETのゲートに入れ そのソースを2個目のFETのゲートに繋ぎます。 2個目のFETには パラレルに数十個付けてはどうなのかと考えております。 1個目の FETのドレインには 1k程度の抵抗をVDDとの間に置き、 ソースには10k程度の抵抗をGNDとの間に置こうかと思っております。 基本的にFETのゲートの部分の設計方法を理解できていないため、 困っていると言うのが本音です。
お礼
inara さん 丁寧な回答ありがとうございます。 データシート NDS355Nは入力容量が 245pF の下に Reverse Transfer Capacitance として20pF があります。 スイッチングで動作することを考えた場合、こちらの値はどの様に考慮すべきなのでしょうか?または現在の私の使い方では考えなくてよいのでしょうか? 今回 FETを検索する場合、Turn On / Off タイムが出来るだけ同じ物を探そうと考え 本FETにたどりつきました。(Turn Off Fall Time は速いですが) もっと 高速で、Cissの少ないものをもう一度探そうと思いました。