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色が認識される仕組み
「リンゴが赤く見えるのはリンゴが緑の光を選択的に吸収するため、人間の目に見えるのは緑の部分だけが欠けた光」と説明されてあったのですが、人の目の網膜にはロドプシンといって3種類の光を吸収する3種類の分子を含む細胞が存在してるんですよね…。 リンゴが緑の光を吸収するとその部分が欠けた光が目に入って、また、目の中でもタンパクによって光が吸収されるのでしょうか?両方(その物質自身+目の中のタンパク)で光が吸収されたものが色として認識されるのでしょうか?
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こんにちは。 >人の目の網膜にはロドプシンといって3種類の光を吸収する3種類の分子を含む細胞が存在してるんですよね…。 えっ~とですね、 光の波長の違いに反応するのはロドプシンではないです。 「ロドプシン」といいますのは「光のある無し(明暗)」に反応するタンパク質でありまして、「赤緑青(RGB)の波長の違い」に反応するタンパク質は「オプシン」といいます。我々人間の目には、明暗(輪郭・コントラスト)に反応するロドプシンを持つ「桿体細胞」と、RGBに反応するオプシンを持つ三種類の「錐体細胞」があります。 >「リンゴが赤く見えるのはリンゴが緑の光を選択的に吸収するため、人間の目に見えるのは緑の部分だけが欠けた光」と説明されてあったのですが、 そうですね、別に難しく考えることはありません、そのまんまです。 全ての波長の混ざり合った可視光を「白色光」といいますよね。そして、我々の目にはRGBそれぞれの波長の光に対して選択的に反応する三書類の錐体細胞があります。ですから、RGB全ての波長が均等に混ざり合っていますと、我々は色の識別を行うことができません。 赤いリンゴは可視光のうち緑と青を吸収し、赤い光だけを放射します。ですから、我々はそれを赤と識別できるわけですよね。我々人間にとって「赤」といいますのは、白色光から緑と青が取り除かれた光です。 >リンゴが緑の光を吸収するとその部分が欠けた光が目に入って、また、目の中でもタンパクによって光が吸収されるのでしょうか? >両方(その物質自身+目の中のタンパク)で光が吸収されたものが色として認識されるのでしょうか? そういうことではないです。 質問者さんが疑問に思われるのは、リンゴが緑と青を吸収し、オプシンが赤を吸収して、残ったものが色覚ではないかということでしょうか。ですけど、両方で吸収してしまったら、やっぱり何も残りませんよね。世の中が真っ暗闇になってしまいます。 オプシンやロドプシンといいますのは、目に入ってきた光の刺激に対して反応を発生させるタンパク質です。ですから、赤い波長の光が目に入ってきますと、赤のオプシンを持つ錐体細胞に反応が発生します。この反応の結果が神経信号として視覚中枢に送られ、それが我々の「色覚」となります。我々の脳内で色覚として扱われているのは、リンゴに吸収されずに目に入ってきた赤い光の「刺激情報」です。 視覚中枢において「赤の知覚を処理する領域」は、赤のオプシンを持つ錐体細胞からの信号入力しか受け取りません。同様に、他の二つの錐体細胞はそれぞれ緑と青を処理する領域に繋がっています。ですから、リンゴが緑と青を吸収し、赤を放射してよこすならば、網膜上では赤のオプシンを持つ錐体細胞だけに反応が発生しますので、我々はそれを「赤い色」と知覚することができます。では、もしリンゴが緑も青も何も吸収しなければ我々は色を識別することはできませんし、逆にRGBの全てが吸収されてしまうならば、それは真っ黒ということになります。 このうち、「緑」といいますのは赤の「補色」に当たります。なぜ補色なのかといいますと、我々の脳内では緑という情報が「赤の色覚」を補助・強化するための連合機能として働くものだからです。では、赤という入力がありますならば、緑は必然的にその補色として識別されることになります。ですが、そもそも我々の視覚中枢には、それを「緑の欠落として知覚する機能」がありません。つまり、我々の脳内では、入力のなかった色がその結果として知覚されることはないということです。 ですから、このご質問で最も重要なことは、その反応は飽くまで赤という刺激入力に対応するものであり、「緑と青の欠落に対して発生しているのではない」ということです。知覚中枢に入力されているのは間違いなく赤の錐体細胞の反応であり、緑と青の欠落ではありません。 リンゴが赤く見えるのは、白色光の中から緑と青が取り除かれているからです。そして、我々はその結果を赤と識別しているわけですから、その先の視覚系で扱われていますのは、紛れもなく赤という刺激入力に基づく反応の結果ということになりますよね。
その他の回答 (1)
補色という概念と光が神経細胞に与える影響とは別に考える方が良いと思います。異なる波長の光に対応して視神経は異なる情報を中枢に送ります。対象物によって吸収された光自身が視神経を刺激するはずがありません。しかし補色という概念で説明されるように間接的には対象物が吸収した光(色)は中枢で認識されていることになると思います。
お礼
なんとなくわかりました!! ありがとうございます!!
お礼
>我々の脳内で色覚として扱われているのは、リンゴに吸収されずに目に入ってきた赤い光の「刺激情報」です。 私達は吸収されなかった光を認識しているだけで、オプシンも吸収するわけではないのですね。 詳しく説明していただきありがとうございました!!