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(中国仕様のワープロソフト)「ピンイン入力」について
漢字をキーボードから入力するには色々な方法があるらしく、それぞれに疑問が生じそうですが、ここでは「ローマ字ピンイン」で入力するときの疑問に限定します。 1 あの国土の広さと歴史の長さでは、方言が沢山あるでしょう。文字毎に発音が統一できているのですか。国家が発音を統一しているのですか。 2 発音を統一するためには電話帳や辞典ほど厚さのあるマニュアルが必要ではありませんか。辞典にピンインを表記してあるのですか。 3 マニュアルを時々見るだけで「ローマ字ピンイン」による入力が可能な人は、数が少なくありませんか。庶民にとって「ローマ字ピンイン」による入力は実用的なのですか。 4 「ローマ字ピンイン」で入力する方法が主力なのですか、それとも補助的なのですか。補助的だとすると、主なる入力方法は何と呼ばれていますか(詳しい具体的方法は要りません)。 概ね以上の疑問を、もっています。よろしくお願いします。
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ピンイン([才并]音)とは、中国だけではなく、台湾など中国の外の中華社会にもいろんなバリエーションのピンイン表記が存在しています。 一般的に日本人がピンインと聞くと、中華人社会全体で同じものが使われていると想像しがちですが、そうではありません。 現在日本で売っている中国語の本のほとんどは、中国(中華人民共和国)の普通話のものです。そしてその中国語とは、毛沢東率いる共産党主導のもとに、教育のため(読み書き能力向上や多言語地域同士の意思疎通)や多民族統治上の理由などの意味で、1950年代以降に人民政府が「大いに普通話を推し広めることに関する指示」を出したことにはじまり、1960年には中国人民解放軍で「全軍において[才并]音字母を学び普通話を推し広めることに関する指示」を発表したことなどにより、現在にいたっています。 その流れの中でピンインも制定され、漢字は簡体字を採用する、ことも決定されています。 ですので、現在の中国語は、戦後に政策的に形成された言語ともいえます。 実際には中国語は声調も4声ではおさまらず、広東語なみに6~9声くらいはあるといわれますが、4声+軽声にしたのも政策的に簡略化したのかもしれません。 1 政府が発表した普通話に関しては、ほぼすべての漢字について決められていると思います。また漢字の種類については、日本の常用漢字表とおなじようなものが簡体字でも存在し、そのうちよく使われる部分が2500字くらいあり(日本でいう第一水準)発布されています。 http://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E6%BC%A2%E8%AA%9E%E5%B8%B8%E7%94%A8%E5%AD%97%E8%A1%A8 (以前中国人の方がここで答えていましたが、2000字くらいあれば生活は問題ないそうです) しかし発音は、同じピンインを人民が見ても、実は音は地域によって異なります。たとえば北京と、大連と、四川の人の普通話は音がかなり異なって聞こえました。上海人も異なるでしょう。 これは地域が広大であるのと、日本のように40年も前からラジオがどこにでもあったわけではなく、山間部ではラジオで普通話が流れてきたのが、1980年代という地域もありました。 つまり国が制定したのが1960年代だとしても、貧しく、普通話を聞いたり、教育をうけてこなかった人の方が圧倒的な時代がながかったことが、地域ごとの音の違いを産んでいるようです。 2 2000~2500字程度であれば、日本の常用漢字も2000字程度なので、別に不思議ではありません。辞書にもピンインはあります。 なお、日本の教育においては、教育漢字・学校漢字といわれる学校で学んだものは、1000字しかありません。これで私たちは生活ができています(必要な漢字は成人しても覚えていっていますが)。実際には生活で使う部分は、テキストの全部ではないと考えたらどうでしょう。 そして上に書いたように発音を統一できていません。また、中国の工場で出会った10代の女の子(女工)で、言葉が自分の出身地の言葉しかわからず、中国人同士会話がなりたっていない例も何度もみました。 また、日本のような「標準にあわせなくてはいけない」という、意識が薄く「自分の言葉が正しい中国語だ」「自分は自分」という意識が強い国民性です。 3 実は発音はピンインでも、コンピュータの入力にピンイン入力を使っている人は、多くありませんでした。私も五筆輸入法の人が多いと感じました。 私自身はピンインでしか中国語を入力しませんが、自分がよく使う漢字や表現が打てれば使えるので、慣れだと思います。 なお台湾では、注音輸入法とよばれる、漢字の音(日本のかなのようなもの)「タ, ち, ム, せ, T, ヌ etc」を組み合わせて入力する方法を採用しています。 おもしろいことにこの注音輸入法も、1910年代の中国大陸で制定されましたが、毛沢東との戦いに負け台湾に逃げた蒋介石国民党政府とともに台湾で普及し、現在にいたっています。 4 すでに出たように五筆輸入法ですが、実は五筆字型輸入法と五筆画輸入法などバリエーションが多いです。アジア言語において、日本語のように読み方、音、入力法がほぼ標準化されている国のほうが、世界では稀ではないでしょうか。 Windows98のころまではまだ中国は経済的にも低く、中国語のインプットがPCに充実しておらず、外資企業がもちこんだ英語のPCを利用していました。 中国語Windowsが充実してきたのは、この5~6年のことです。それ以前も中国語入力ソフトが各社からでていたため、いろんな入力法が存在しているようです。
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- rikuketsu
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1.ピンインは20世紀50年代ごろ規範化された。漢字の発音は北京話を基準として定められた。各地の方言は通用する言葉じゃない。統一した後の中国語は「普通話」と呼ばれる。これは中国の官の言葉だ。小学校で教えている国語はこのものだ。 2.はい。辞典でピンインを表記してあるのだ。常用の辞典は「新華字典」と「現代漢語辞典」、前者は小学生に用いられるものだ。後者は多くの字を収めているので、権威的な中国語辞典だ。 3.若者はいま主に「ローマ字ピンイン」によって入力するのだ。パソコンも、携帯も。一般的に、義務教育を受けた方はピンイン入力ができる。年寄りにとって、五筆入力がある。漢字の構成を基づいて作られた入力方法だ。たとえば、「語」、まず、「言」を代表するキーを押して、つぎ、「五」のキー、次は「口」のキー。どのキーはどれらの字や部首などを代表するのか、暗記しやすいように、まとめた語句がある。これは超難しいと思う。しかし、ピンインなんか分からないから、しようがないなー。 4.「ローマ字ピンイン」で入力する方法が主力なのだけど。様々な入力ソフトウエアがある。補助的なのは五筆入力という方法だ。具体的な入力方法は問3の答えの中で既に紹介されたから。
- rikuketsu
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1.ピンインは20世紀50年代ごろ規範化した。漢字の発音は北京話を基準として定められた。各地の方言は通用する言葉じゃない。統一した後の中国語は「普通話」と呼ばれる。これは中国の官の言葉だ。小学校で教えている国語はこのものだ。 2.はい。辞典でピンインを表記してあるのだ。常用の辞典は「新華字典」と「現代漢語辞典」、前者は小学生に用いられるものだ。後者は多くの字を収めているので、権威的な中国語辞典だ。 3.若者はいま主に「ローマ字ピンイン」によって入力するのだ。パソコンも、携帯も。一般的に、義務教育を受けた方はピンイン入力ができる。年寄りにとって、五筆入力がある。漢字の構成を基づいて作られた入力方法だ。たとえば、「語」、まず、「言」を代表するキーを押して、つぎ、「五」のキー、次は「口」のキー。どのキーはどれらの字や部首などを代表するのか、暗記しやすいように、まとめた語句がある。これは超難しいと思う。しかし、ピンインなんか分からないから、しようがないなー。 4.「ローマ字ピンイン」で入力する方法が主力なのだ。補助的なのは五筆入力という方法だ。具体的な入力方法は問3の答えの中で既に紹介されたから。
お礼
「普通話」の母体は北京話で、小学校の国語教育は、これでなされていること。この成果で若者は主に「ローマ字ピンイン」で入力すること。これらを理解しました。 入力方法が色々あるのは、それぞれに長所があるからなのでしょう。中国は何せ広いので地域、世代、教育程度、職種、社会的階層、個人の好みなどによって「ローマ字ピンイン」の普及率が微妙に異なるのかも知れません。「ローマ字ピンイン」が主力と言われるほどなのはよく分かりました。 ご回答、有り難うございました。またの機会にも宜しくお願いします。
- jayoosan
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一部訂正します。 輸入法というとパソコン入力方法になってしまうので、下記訂正します。 ×注音輸入法も、1910年代の中国大陸で制定されましたが ↓ ○注音符号も、1910年代の中国大陸で制定されましたが
- SortaNerd
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五筆輸入法という、5種の字画を書き順にそって入力する方法が主流のようです。
お礼
キーワード「五筆輸入法」という手掛かりが得られたので、将来詳しく知りたくなったときに役立ちます。 有り難うございました。
お礼
何気なく質問したのに、思いのほかの詳細なご回答を下さって恐縮しています。 ・ご賢察の通りピンインは一通りだと思っていました。根本のピンインそのものが唯一つでないのでは全く大変だと思います。日本ですら戦後には、漢字も仮名も止めてローマ字表記にしようという議論があったと聞いているくらいですから。 ・少なくとも普通話については政府主導で統一しようとしているのですね。しかし、方言の克服は大変そうです。 ・日本も中国も大まかには2000から3000字で用が足せてしまうのは面白い現象だと思います。 ・ 今のところピンインでの入力は少数派なのですね。ピンインは全員が目で見て、耳で聞いて、発音して同一でないと機能しない面がありますが、他の方法は目で見ただけで一致できればよいので、この点はピンインより有利なのでしょうか。 ・ 同じ漢字文化なのに中国と台湾で少しずつ違うのは不思議でもあるし当然でもある気がします。 ・漢字文化圏で日本は例外的に統一されている国だと改めて感じました。中国では漢字の処理にまだまだ悪戦苦闘しそうです。 疑問は十分解けましたが、こうしている間にも回答を作っておられる方が居るといけないので早くても本日24時までは締め切らないことにします。 有り難うございました。またの機会にもよろしくお願いします。