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光の全反射について
最近光ファイバの勉強をしています。 コアとクラッドの屈折率差で光を全反射させることで光を伝達することはわかりました。今疑問に思っているのは,「逆に光を透過させない金属などをクラッドにして,光が通る所を空気にすると,その部分に光は透過するのか?」ということです。金属の屈折率との関係を含めてわかりやすく教えて下さい!またその場合の問題点についてもお願いします。
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この辺り、あまり自信はありませんが・・・ まず、誤解があるかもしれませんので念のため書きます。 金属は光をほとんど透過しませんので(表皮効果の厚さくらいは 透過する)、屈折率は定義できません。 また、金属をクラッドにするのは、光を透過させないためではなく、 反射させたいためです。例えば色のついた(透明でない)絶縁体では だめでしょ。 次に本論、導波管というものがあるとおり、使える場合がありますが、 光ファイバーのように、長距離まで伝達するのはどうかなと思います。 光が当たった金属の表面で高周波電流が流れ、損失が生じます。 つまり、完全反射しないので遠くでは減衰してしまうと思います。
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- physicist_naka
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No.3のものです。 はじめにお詫びがあります。既に指摘されていますように、 金属でも屈折率は定義できます。不勉強ぶりを露呈してし まいました。(^^; > 反射率が100%でないのは金属表面で反射する際に高周波 > 電流が流れ損失が生じるからなんですね。できれば,この光 > が金属表面で反射する際に高周波電流が流れる機構をわかり > やすく教えて下さい(もしくは参考文献を)! これは結局、表皮効果について理解するということになります。 簡単のために、光を金属の面に垂直に当てたとしましょう。 光は電磁波(横波)ですから、金属の面に垂直に交流電場、 交流磁場がかかります。 ここでは交流磁場だけで考えることにしましょう。 金属の表面に交流磁場が入ろうとしますが、時間変動する 磁場は、電場を誘起しますね。この電場によって電流が 流れます。流れる電流の大きさは電気伝導度で決まります。 この電流は交流電流なので、交流磁場を作ります。 この磁場が、外から入ろうとする交流磁場を打ち消して、 これ以上交流磁場が入るのを防ぎます。 こうして、金属の表面のみしか交流磁場が侵入できず、 この侵入できる距離を表皮効果の厚さ(表皮厚さ)といいます。 それから金属を流れる交流電流による交流磁場は、外側にも 作りますので、これが反射波となります。 参考文献は、vortexcoreさんが既に挙げられていますように、 砂川重信著、理論電磁気学(紀伊国屋書店)があります。
- vortexcore
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No.5のものです。 結局、屈折率、反射率、誘電率、伝導率、その他もろもろは、「電場に対する応答」を違った観点から見ているだけで、1つ解れば、他も解るということです。この辺の関係は電磁気学の教科書(例えば砂川重信著、理論電磁気学(紀伊国屋書店))や固体物理の教科書(例えばC. Kittel著 固体物理学入門(丸善))に出ていると思います。
- vortexcore
- ベストアンサー率63% (46/73)
金属でも屈折率は定義できます。ただし複素数になります。 屈折率Nは光速と媒質中での光速の比ですが、磁性体でなければ、比誘電率をεとするとN=(ε)^1/2です。εは電気伝導度σとε=1+(4πi/ω)σの関係にあります。普通のファイバに使われる材料は絶縁体ですからσ~0、εの虚部もほとんど零、したがって屈折率は実数です。この場合は全反射を利用して光を遠くまで伝達できます。 一方導体では誘電率の虚部が大きく、屈折率にも虚部が現れます。屈折率に虚部が現れるということは、媒質中で電磁波が指数関数的に減衰することを意味し、この特徴的長さがNo. 3の方のおっしゃる表皮効果の厚さです。N=n+iKと書いてKのことを消衰係数とよんだりします。簡単のため垂直入射だけ考えると、反射率は((n-1)^2+K^2)/((n+1)^2+K^2)ですが、仮にσ=∞の理想的金属があったとすると、εは虚部が∞、n=K~∞になり、反射率は1(つまりピカピカ)になります。 σ=∞の時は表皮厚さは零で、金属中でのエネルギー損失は無いのですが、実際はσは有限で反射率は1ではなく、有限のエネルギーが金属に吸収されます。ですから、あまり遠くまでは光を伝達できません。 もっと一般にいえば、媒質中での電磁波の吸収はεの虚部(σの実部)によって引き起こされます。これが∞の場合はそもそも電磁場が媒質に入り込めないので吸収も起こりようがないのですが、0の場合も光の進む速さが変わるだけでエネルギーの吸収は起こりません。つまり、光を遠くまで届けるには、うんと伝導度の良いもの(金属)で取り囲んだパイプを使うか、光の周波数でうんと伝導度の悪いもの(絶縁体、この場合は必然的に透明になります)と全反射を利用する、二通りが考えられます。しかし、現実にはたいていの場合後者の方がロスが少ないのでしょう。
お礼
わかりやすい説明有り難うございます。 反射率が電気伝導度σと関係があるとは知りませんでした。 もしよろしければ参考文献などを教えていただけると助かりますので,よろしくお願いいたします。
クラッドに高反射率の金属、又はガラス管の内面に金属その他の反射膜をコートした物を使用して、コアの部分を空気もしくは何らかの気体にしたものは中空ファイバーとも呼ばれ、光に対しても使われます。 反射ロスが大きいため、長距離の伝搬は無理ですが、遠紫外光(おおむね250nm以下)領域ではファイバーに使用できる透明な材料がほとんどありませんので、このファイバーが使われます。 「中空ファイバー」「中空光ファイバー」でgoole等を使い検索すると幾つか論文などもヒットしますので、ごらんになって下さい。 また、同様な構造(但し断面は六角形など)をした均一な照明光を得るためのライトパイプと呼ばれるものもあります。
お礼
中空ファイバというものがあるんですか。初めて聞きました。ちょっとgoogleで調べてみようと思います。 有り難うございました。
- ymmasayan
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2つの点で指摘をしておきたいと思います。 原理的には、全反射で説明されていますが、実際にはGI型(グレーデッドインデックス)というのも有って、これは屈折率の違うガラスが何10層も重なっていて、全反射でなく、屈折で、光が中心に集まります。 もう1点金属で全反射を考えた場合、さびによる劣化が心配です。。
お礼
返答有り難うございました。 金属で反射を考えた場合錆び等による劣化が懸念されるということですが,この点については通常どういった対処(金属表面に何らかの処理をする等)をしているのかご存じでしたら教えて下さい。 よろしくお願いします。
- SCNK
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理論的に可能でしょう。金属内部に光は進入できませんから全反射を持ち出すまでもありません。屈折というより反射により伝達することになります。実際に周波数帯はちがいますが、マイクロウェーブで使用される導波管がこれにあたります。 問題点は、最近ではガラスの透過率が向上して空気より透過性が良いということと、そもそもフレキシブルが光ファイバーの利点ですから、その利点を失ってしまうということでしょう。
お礼
返答有り難うございました。クラッド部を金属にした光ファイバーというのはちょっと現実的でないようですね。逆に金属を薄膜にしたら光は反射しないということも考えられるのでしょうか? この分野の参考URLや文献なんかご存じでしたらお願いいたします。
お礼
返答有り難うございました。 反射率が100%でないのは金属表面で反射する際に高周波電流が流れ損失が生じるからなんですね。できれば,この光が金属表面で反射する際に高周波電流が流れる機構をわかりやすく教えて下さい(もしくは参考文献を)! よろしくお願いします。