- 締切済み
遮断導波管のところで電波を全反射させる力がどこで働くのか判りません
伝搬導波管と直径の小さめの遮断導波管を接続したとき、電波は接続面あたりで全反射します。直径が約半波長より小さい導波管は断面内のkベクトルが真空中のk(0)ベクトルよりすでに大きく前方(z方向)にはエバネセント波しか存在しないと解説されています。 私の質問はここからです。半径aを持つ円形の導波管の途中(z=0)まで誘電率と透磁率を同時に持つ架空の物質をぎっしり入れます。ここで簡単のため比透磁率=比誘電率とします。この値は十分大きく電磁波は伝搬可能です。また電界と磁界の比(特性界インピーダンス)は真空の377オームに近くなるでしょう。物質が入っていない導波管は遮断条件を満たしているとします。(重要なことは導波管の径はz依存性を持たないことです。) (1)接続面でモード変換が起きないため電気的なインピーダンスの不連続問題としてこの問題は解けると思うのですが自明のごとく答えは位相はシフトしますが全エネルギーは反射します。ここまでは正しいでしょうか。 (2)この問題を力学として捉えた場合、金属導波管内壁の法線ベクトルはz軸に垂直であるためエネルギーと運動量を持つ電磁波に-z方向の力を与えることは出来ません。システムのどの部分(場所)が回れ右の力を与えるのでしょうか。 だいぶ考えたのですがわかりません。エネルギーが遮断導波管にぶつかるのですから必ずどこかに押し戻す力が発生すると思いますが解りません。ご教授お願いします。また良い教科書があればご推薦頂ければ勉強したいと思います。よろしくお願いします。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
みんなの回答
- masudaya
- ベストアンサー率47% (250/524)
材料の特性がわからないので,(1)は回答のしようがないと思いますが... (1)の場合,接続面の定義が不明確です.というか,問題の座標系の設定が明確になっていません. たぶん,xy平面で切ったときに半径aの導波管が垂直に交差し,これがz軸方向に伸びている状況なのだと思いますが,どうにでも取れるような表現ですね. 上のような場合,たぶん伝播のインピーダンスは整合しているので,空間=>物質方向での電装の場合,そのまま電波は伝播するのではないかと思います.誘電体内では波長が短縮しますし,伝播路上でインピーダンスの不整合はないし,特に反射の条件はないと思えるからです.逆に物質=>空間では波長によって反射されると思います.空間の導波管でのカットオフ周波数以下は反射されることでしょう. (2)#1の方と同じでこれは力学ではありません. それだけではなんですので,電磁波のエネルギーの流れはポインティングベクトルで表されます.反射している状況でのポインティングベクトルを計算されてみてはいかがでしょうか.インピーダンスの不整合による電力の反射は,直流の場合で考えると,信号源と負荷のどちらで電力消費しているかというような問題となります.なので反射というより,どこで電力消費しているかという話に近いと思います.
力学として捉えることが、そもそも間違いでしょう。
補足
簡単明瞭なお答えありがとうございました。この疑問が解けたからといって何かが変わるわけではありませんが、電気力学という分野もあり、電気と物質に働く力の関係を明らかにしていく分野だと思っています。’そもそも’というところをご専門家として高所からもう少しご教授いただければと思います。よろしくお願いします。
補足
ご回答ありがとうございました。感謝申し上げます。系の説明をどのようにでも取れる表現であると言うご指摘を受けました。後で自分で質問を読み直してそのとおりであると実感しました。スミマセン。まず伝送モードですが回転対象のモードであるTE01モードとします。これは電界が導波管断面内で丸く閉じるモードであり軸方向成分はありません。磁界はこの円状の電界を縦断面内で閉じるように系方向成分と軸方向成分が存在します。誘電率、透磁字率はそれぞれ5とします。周波数は仮に1GHzとします。 これで材料内部での波長は6cm、材料の外部での波長は30cmとなります。導波管の直径を5cmにすれば材料が充填された導波管は伝搬導波路を構成し、充填されていない導波管は遮断導波路条件を満たすことになります。言い換えればこの二つの導波管の接続面付近で全反射が生じると考えています。二つの導波管の位置関係は接続したときz軸に沿った一本の真っ直ぐな導波管に見えます。決して垂直な位置関係ではありません。分かりにくくてスミマセン。 導波管を構成する金属に不連続がないためどちらの部分でも(TE01モード)であり高次モードや回転方向に節のある回転非対称モードは接続面で発生しません。このようにモードが一つで動作するためインピーダンスのみで反射係数が議論できると考えています。伝搬部分の特性インピーダンスはマイクロ波損失が無いとすれば実数となります。 接続面で遮断導波管を見ると磁気エネルギーが比較的多くインピーダンスはプラスの純虚数となります。従って完全反射になると考えています。 (2)については#1の方と同じご意見とのことですが、私もそう思いながらも一つの現象(波の反射)を別の視点(力学的視点)から考察することには意味があると考えあえて質問させていただきました。理由は電磁波はエネルギーも運動量も併せ持つからです。 ポインティングベクトルは計算しました。エネルギーの動きは把握できますが反射に伴う力を計算する方法がわかりませんでした。直流の例でご説明いただきましたことは理解できますが、これはハッキリ高周波電磁波の接続面における反射現象であると思います。押し戻す力を発生する足場が何かを考えています。説明が分かりにくくて申し訳ありません。再度ご意見頂ければ幸いです。