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請負(民法632)について
民法632条「請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」とありますが、この「仕事を完成する」の定義についての質問です。 「仕事の完成とは、依頼側が仕事の完成をきちんと確認できなければ成立しない」との指摘を受けました。 例えば、建設請負であれば、依頼者が寸法から材質等々事細かに決めるので、建設が完了した後でも、それが依頼どおりなされているか確認できるので、請負契約を結ぶことが可能。 一方、調査票の集計業務や翻訳作業は、依頼者は成果物がこちらの依頼どおりに作られたか確認できない。(集計した数値が正しいかどうか、訳された内容が正確かどうかは、依頼側が確認できないことが多い)よって、仕事の完成を確認できないので、請負契約ではなく、委任・準委任の契約を結ぶべきだ。 この理屈は正しいのでしょうか? また、このようなことを勉強するためには、どのような書籍を読めばよろしいでしょうか?
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請負とか委任・雇用 とかは、基本的に試験前に試験に出そうな事項だけまとめて覚えればいい という感じで、時間をかけて勉強すべき領域ではない と思いますが… >そもそも、労務供給契約を結ぶ際、契約の内容によって請負や委任(準委任)に当てはめることが本当に必要なのでしょうか? 通常、法律学で議論されるのは、「契約を結んだ後」で、当初想定していなかった事態(途中でやめたい とか 損害が生じたとか)が生じたときに、どのような基準で処理するか ですね。 契約内容の確定の基準は、(強行規定に反するものは不可ですが) (1)合意(契約・特約) (2)慣習 91 (3)任意規定 (4)条理 という順であり、民法の契約各論の多くは任意規定ですね。 契約等で定めていなかった事態で、慣習がない~立証できない ときに、典型契約のどれに近いかを考えて、任意規定としての各論(典型契約等)の規定を適用~準用する ということになります。 「契約締結の際」にあてはめを考える なら、 例えば、契約書のタイトルとして …請負契約 とあれば、同様に想定外の事態において、契約(特約)・慣習 でも基準がみあたらないときに、原則として(例えば混合契約だと反証できないかぎり)民法の請負契約の規定を適用する ということになるでしょうか… >当事者間で適切な権利義務の契約形態を選べばよいのではないか 契約書があるなら無名契約でよい という意味でしょうか? といっても、あらゆる詳細な事態についてのとりきめは難しい 例えば 報酬支払は 後払いか 何と同時履行か やむをえぬ事由で履行できなくなったとき、誰が責任を負担するか 受任者が死亡したら相続人が責任を負うのか これを決めるため、どの典型契約に近いかを考える必要はあると思います。
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社会通念上、完成と判断できる状態のことをいうのではないでしょうか? 完成後の精度の問題はまた異なる次元の話ではないでしょうか? 集計や翻訳は通常は委託することになると思いますが、これが何契約なのかははっきりしないですね~。。。
お礼
>社会通念上、完成と判断できる状態のことをいうのではないでしょうか? 完成後の精度の問題はまた異なる次元の話ではないでしょうか? やはり、そうですよね。有斐閣の参考書等を読んでも全く書いてなかったので、そもそも問題にならないことなのでしょうね。 >集計や翻訳は通常は委託することになると思いますが、これが何契約なのかははっきりしないですね~。。。 私の考えでは、それぞれ成果物を提出を義務付けていれば「請負」があたると考えております。 私の設問で「依頼者が完成を確認できなければ、請負契約は結べない。」と提示していますが、この点を問題にするならば、委任契約であっても、こちらの指示通りの作業をしているかは確認できないことになります。 だとすれば、依頼人としては危険負担をすることのない、請負のほうが妥当のような気がするのですが・・・
そもそもマイナーな分野ですし、少なくとも私は聞いたことのない話です。 もちろん契約自由の原則で、どのような形態の契約を結ぶことも(原則)自由で、あえて民法の典型契約にあてはまる契約を結ばなければならないというものではない(結果・履行が確認できない契約でも可(有効)) ということが前提で… 普通議論されるのは、ある契約が、請負なのか委任なのか を解釈する際の判断基準・区別の基準としては、 請負 は、法律行為または事務の完成を目的とする。 委任 は、法律行為または事務を委託するにすぎない。 という学説があったりしますね。(ただ、あまり議論されていない問題で定説というものはないように思いますが) しかし、ご質問は、契約を結ぶにあたって、請負・委任準委任 どちらの契約形態が適切か という社会的・実務的な問題 か あるいは、純粋に理論の遊び としての問題ですね。こんなことを議論している本なんてあるのでしょうか?? >「仕事の完成とは、依頼側が仕事の完成をきちんと確認できなければ成立しない」との指摘を受けました。 確認できなければ「仕事の完成」にならない という主張でしょうか? なぜそのような理屈が主張されるのか根拠がわかりません。(条文??? 判例?) >調査票の集計業務や翻訳作業は、依頼者は成果物がこちらの依頼どおりに作られたか確認できない。(集計した数値が正しいかどうか、訳された内容が正確かどうかは、依頼側が確認できないことが多い) 確認しようと思えば確認できるようにも思えますが…
お礼
素早い回答ありがとうございます。 有斐閣の「新版 注釈民法」や「民法 契約各論」を読んでも、この件については何も説明がなかったので、質問を投稿させていただきました。 再質問になりますが、そもそも、労務供給契約を結ぶ際、契約の内容によって請負や委任(準委任)に当てはめることが本当に必要なのでしょうか? 私の認識としては、請負・委任それぞれにおいて、依頼をする側、依頼をされる側の権利義務が異なっているので、当事者間で適切な権利義務の契約形態を選べばよいのではないか、と考えているのですが・・・
お礼
またまた、素早い回答ありがとうございます。 >契約等で定めていなかった事態で、慣習がない~立証できないときに、典型契約のどれに近いかを考えて、任意規定としての各論(典型契約等)の規定を適用~準用するということになります。 なるほど、契約自由の原則から言えば、各種契約を無理やり典型契約に当てはめる必要はない、ということですね。ただし、様々な権利義務を決めるためにも、どの典型契約が近いかぐらいは考えておく必要があるという理解でよろしいでしょうか。 大変参考になりました。どうもありがとうございます