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民主主義の国家であれば共和制でしょうか
質問のタイトルを言い換えて、更に突っ込めば「日本は共和制・共和国と言ってもよいのでしょうか?」です。そもそも君主のようなモノがいる日本国は、民主主義かどうかも実は怪しいのでしょうか(日本は完全な民主主義ではないと考えている著作者も過去にいたような気がします)。民主主義に共和制が内包されるとは限らないと考えられますか。
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Democracyの訳語としての「民主主義」ですが、あくまでも体制概念(cracy)であって、資本主義・自由主義・社会主義などの主義(ism)ではありません。ですので「民主制」という方が的確であり、民主主義は誤訳とする考えもあります。 つまり「民主制」は「君主制」・「寡頭制」・「貴族制」・「共和制」などと同様に、主権者がだれであるかという概念・制度です。ですから日本国を含め大ブリテン及び北部アイルランド連合王国(イギリス)・ノルウェー王国・タイ王国・ルクセンブルグ大公国・カナダ・オーストラリアなどの大多数の君主国は、その政治が自由主義であり、いわゆる民主的であっても、厳密な意味では「民主制」ではなく「立憲君主制」です。もちろん、社会主義・共産主義であっても民主制はありますし、また実質独裁政治国家であっても形式上の民主制は成り立ちます。 それと西欧的な意味での参政権や思想信条の自由などが保証されている政治状態を、“民主的”と表現するため、“民主主義(民主制)”と混同されるのでしょう。しかし国家体制が民主制であることとと、そこに国民の自由や権利・福祉が保証されているか否かは別問題です。ですので民主的という言葉は、「自由主義」に近いニュアンスだと思います。 民主制と民主的の意味が混同されていることによって生じる、混乱だと思います。
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- fuzakeruna
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ノルウェーもデンマークもスウェーデンも議会制民主主義発祥の地イギリスも立憲君主国ですね。 フセイン政権下のイラクやタリバン時代のアフガニスタン、今のスーダンは共和制ですね。 民主主義に共和制が内包されるとは限らないでしょう 論点は民主主義が共和制に内包されるかというよりも日本が共和制かあるいは立憲君主国であるかということですね。 日本国憲法では天皇は元首とは明記されてませんからよくモメるようです。 特殊な形態の立憲君主国と分類するのが普通ではないでしょうか
お礼
ありがとうございます。 日本の場合は、いろいろ面倒がおきるので定められておらず、あやふやながらも立憲君主国、くらいの認識が適切ということなのでしょうか。 人権問題などもありますが、時代と共に立憲君主制という方向は、変わらないと思いますが、そういう"ややこしい国"に生きるって事は、いろいろ勉強になる材料が豊富にあり、面白いことだと思いました。 みなさまの回答が厄介な部分を、別々の視点から捉えられたので、よく理解できました。ありがとうございました。
- north073
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いろいろとややこしい論点もありますので、図書館などで専門の事典をご覧になるのがよろしいかと思います。 ●日本は共和国か否か。 共和制とする論者もあります。 政府は、公選によって選ばれた元首が存在するのが共和制であるとして、その意味で日本は共和制ではないと解しています。この場合、「主権者が誰であるか」を問題にしているわけではないということに注意する必要があります。 ●デモクラシーと君主制 立憲君主制は、君主の権限を憲法により厳しく制約することにより、この両者を両立させるものです。 デモクラシーに共和制が内包されるとは限りません。 ●完全な民主主義 「完全な民主主義」の阻害要因として何があると考えているかによって、意味が変わってきます。考えられることとしては、実質的な官僚支配などがありますが、このような議論であれば、共和制、君主制などの国家形態に関する議論とはあまりかかわりはありません。
お礼
ありがとうございます。 立憲君主制の(自由主義)民主主義もある、 ということで、疑問は解けました。 完全な民主主義は、直接民主主義なのかと思いましたが、何を前提にするかによって捉え方が変わるということですね。(完全な)民主主義=理想の政治形態か、という問いもあると思いますし。
- nebura71
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結論から言えば、日本は共和国というには「ややこしすぎ」です。 政治方法は立憲君主制、且つ、民主制であるのですから、世界的常識から言えば「帝国」と呼称すべきものです。 (現に、タイは「タイ王国」ですしイギリスは「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」です。他にも例は多いです。) 共和国(共和制)とは、一部の人間ではなく、市民の総意によって政治が行われる形態のことです。 ただし、その「市民」というのが、「構成員全員」であるかどうかが問題でして、例えば「共和制ローマ」のように「共和制」であっても、「奴隷には参政権が無い」ということもアリです。 民主制というのは、共和制の一形態で、「構成員全員」が「市民」である場合です。 以上から、世界常識と政治学的側面から言えば、日本は「共和国といってもよいし、帝国といってもよい、民主国家」です。 唯一の問題は、敗戦によって「旧・大日本帝国」が「悪玉」に祭り上げられた上に消滅させられてしまったため、いまさら「帝国」と呼ぶのが「大人の事情で差しさわりがある」ということでしょうか・・・。 なお、「完全な民主主義」とか「完全な共産主義」という概念は、非常に難しいものです。 確かに、理想論としてのそれらは存在しますが、現実問題としてそのような体制にお目にかかったことは、「スイス」のような特殊な国を除いては、自分はありません。 例えば、「完全な民主主義」の例として、「アメリカ合衆国」を挙げる人がよくいらっしゃいますが、それは過大評価というものでしょう。 理由は簡単で、現在のような巨大な国家体制になってしまうと、何らかのテクノロジーによるブレイクスルーが無い限り、「直接民主制」を実施することが不可能だからです。 こんなところでどうでしょう?
お礼
ありがとうございます。 天皇が元首か否か定められているかによって、共和制か君主制か分かれる、ということですね。直接民主主義が完全な民主主義で、それはスイスにあてはまるということですが、後ほど調べてみます。
お礼
ありがとうございます。 訳語により理解が深まりました。民主制・共和制ともに、自由な雰囲気をもっているとは限らないという認識が大切なんですね。概念や制度の基底が、法によって位置付けられているか否か、ってことなんでしょうか。