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【(イスリオテの) ユダの福音書】 (史上最大のミステリー)

御承知の通り、 (新約)聖書の中で福音書(イエスの言行を報告 するという形式をとった文書) というイエスの生涯を扱ったものには 新約聖書の序章にあたる 「マタイ福音書」「マルコ福音書」 「ルカ福音書」「ヨハネ 福音書」 というイエスについての異なる(しかも それぞれにおいて矛盾している)4つの物語 がありますが、  【ワシントン4月6日共同通信】よりますと (「異端の書」として破棄されたとされる) 新たな「福音書」とされる (タダイのユダではなく) 【(イスリオテの) ユダの福音書】 の写本を解読したと発表したそうですが、 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060407-00000301-yom-soci http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20060407i301.htm  ****更には放射線炭素による年代測定で (今から1700年前の)約3、4世紀の本物の 写本と鑑定されたから大問題。 とすると、 翻訳書の一部は 「キリストは、自分を人間の肉体から 解放する手助けを、教えの本当の意味を 理解していたユダに頼んだ」と訳される そうなのですが、 もし仮にこの翻訳をベースにすると  これまで培ってきたキリスト教&新約聖書 の根幹を揺るがすことにもなりかねないので、 何ゆえ安易に解読発表が 認められたのか不思議でなりません。 おそらくイタリアのローマ教会等、世界各国の 様々な所から 今後、抗議&圧力がかかるであろうと予想 できるような気が致しますが、 「史学」と「宗教」とがまさしく激しく対立 した場面ともとれ心にものすごい葛藤を 感じます。  更には「表現の自由」と 「宗教的プライバシー権(とも言える)」 激しい対立とも とれなくもありません。  皆さんはどうお考えになりますか? 率直な感想をお聞かせ頂けましたら幸いです。

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  • pyon1956
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回答No.1

>自分を人間の肉体から解放する手助けを というような思想だと、概ねグノーシスか、それに近い流れですね。 歴史的事実としてのイエス、というのは後のキリスト教が描いたものより遥かに人間的であったとは思いますが、このような現世否定の思想は持っていなかったと思います。少なくとも最古の福音書であるマルコなどを読む限り、どこにもそのような思想は見当たりません。 逆に、グノーシス系の流れにおいてはよくある考え方なので、そのバリエーションの一つとして捉えられるぐらいのところでしょう。(2世紀に異端とされた、といいますが、そもそもこれが実際に過去の文献にある「ユダの福音書」とおなじものであるか、という問題もありますが) また、他の福音書も建前は「使徒ないし使徒の直弟子」が書いたとされていますが、学問的にはそんなことはありえないのは周知の事です。そういう意味ではこの文書とて「ユダが書いた」という体裁をとっているがユダが書いた物でないのは明らかなので、2世紀頃に誰かが「ユダの霊の導き」を感じて書いた物なのだと思います。 それと、「異端とされた」というのも少々問題ありで、当時まだカトリックの教義そのものがまだ確立していません。また「異端」「正統」を問わずいずれもローマ帝国に弾圧されていたので、どちらかによる他方の弾圧みたいなのはありません。とはいえ激しい論争と追及はありました。そういう中で排除されていったものの一つなのでしょう。無論3~4世紀の写本であるというのが本当なら貴重な史料には違いないでしょう。何せ新約の写本でも2~3世紀のものは断片が残っているだけで、まとまった写本としては4世紀以降のものしかないのですから。(最も古い断片についてはわかりません。死海写本のなかにある、という説もありますが(7Q5。事実とすればマルコ福音書の最古・1世紀の写本の断片)あまりに小さい断片なので確定するのは乱暴でしょう) いずれにせよこのようなものは珍しいものではありません。実際、クリスチャンである学者で、このあたりの研究をしている人も結構居ます。 グノーシスについては「トマス福音書」が有名です。ほかのいわゆる偽典についても「新約偽典・外典」といいうような形で発行されています。 これらについては http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/X/026107+.html http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%9E%E3%83%87%E3%82%A3%E5%86%99%E6%9C%AC http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E7%A6%8F%E9%9F%B3%E6%9B%B8 また新約外典(偽典)については、教文館のものがありますが入手は困難かもしれません。 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9920090298 手頃なものとしては注がないのでわかりにくいですが、 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061975978/249-7932277-6597123 これらを研究し、また翻訳しているのもまっとうな聖書学者(そうでない人も含むがほとんどはクリスチャン)です。 といいうようなわけで新たに「ユダの福音書」が発見され、翻訳されたなら貴重な史料がふえるわけですが、キリスト教そのものはほとんど揺らがないでしょう。遥か昔に異端として排除された文書が問題になる事はありません。(無論どこにも原理主義者はいるので全く問題が起こらないとは言えませんが、その程度の異端文書なら既に研究もされ、発行もされています) この翻訳からあらたにキリスト教を出発させることなどありえないので(それを言えば現在の聖書だって矛盾に満ちています)、ご心配なさるような事はないでしょう。

miyanowaki
質問者

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周辺知識が不足していると マスコミ報道についつい踊らされてしまう 所でした。  詳細且つ的確な回答、心から感謝致します。

その他の回答 (2)

  • nacam
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回答No.3

基本的に、為典、外典のたぐいの文章ですから、問題となりえないでしょうね。 新約聖書外典の福音書として、ペテロ福音書、ヤコブ福音書、トマス福音書、ニコデモ福音書、ヘブル人福音書などがあります。 イスラム教と違って、こういった文書を完全破棄しなかったり、本気で解読しようとする事は、良い事だとは思います。

miyanowaki
質問者

お礼

周辺知識が不足していると マスコミ報道についつい踊らされてしまう 所でした。  有益な情報、心から感謝致します。

  • hhituji
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回答No.2

miyanowaki様、心配するには及びません。 世間では非常にセンセーショナルな報道をされましたが、専門家や、聖職者は、この件についての本質的な解釈を良く知っています。  新約聖書学や、考古学の分野においてはこの件は、本質的なキリスト像に影響を及ぼすと考えている人はほとんどいません。  死海文書でも同じことが言えますが、この時代の新発見といっても、4つの正典福音書以上に詳しく正確にこの時代を記した資料というのは見つかる可能性がほとんどありません。もし、資料が見つかって、大変話題になっても、内容的には福音書の記述と一致していたり、実はたいしたことなかったり、裏付け調査を進めるうちに、福音書の記述を裏付ける証拠が続々出てきたりするということの繰り返しです。  この件についてはすでに質問が出ていたので、私が回答したものがあります。参考にURLを載せておきます。ぜひとも読んでみてください。

参考URL:
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=2079008
miyanowaki
質問者

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