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正規母集団の標本平均と標本分散の独立性

X_1,…,X_nを正規母集団から取った大きさnの標本とします。 簡単のため、母集団の平均は0、分散は1と仮定します。 このとき標本平均X=(X_1+…+X_n)/nと 標本(不偏)分散s=((X_1-X)^2+…+(X_n-X)^2)/(n-1) を考えます。 Xは平均0、分散1/nの正規分布に、 (n-1)sは自由度n-1のχ^2分布に従うと思いますが、 このXとsの独立性の証明はどうやったらよいのでしょうか? 結合分布の計算にX_i^2が混じるので大変に面倒です。 非芯χ^2分布の特性関数の計算などを使うのでしょうか。 方針は立つものの、あまりに煩雑な計算になりそうで尻込みしています。 簡便な計算法をご存知であれば教えていただきたく思います。 よろしくお願いします。

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  • at9_am
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回答No.2

申し訳ありませんが、行列を使って書きます。あと、ちょっと難しめです。 u, v を正規分布に従う平均0の確率変数(スカラー)とします。この2つが独立である条件は、E[uv]=0 であることはご存じだと思います。 今、x=(x1,x2,...,xn)' を標準正規分布に従う確率変数ベクトルとします。したがって、E[x]=0, E[xx']=I です。また、i=(1,..,1)' とします。すると 平均 X = 1/n i'x 分散 s = 1/(n-1) (x-iX)'(x-iX) と書けることが分かります。ここで x-X = x - 1/n ii'x = (I - 1/n ii')x であり、 (I-1/n ii')'(I-1/n ii') = (I-1/n ii') であることから (n-1)s = x'(I-1/n ii')'(I-1/n ii')x と書くことが出来ます。ここで u=i'x, v=(I-1/n ii')x とおくと、u, v 共に正規分布に従い、 E[uv'] = E[i'xx' (I-1/n ii')'] = i'E[xx'](I-1/n ii')' = i'(I-1/n ii')' = 0 となるため、u, v は独立であることが分かります。 したがって、独立な確率変数から計算された統計量はやはり独立なので、X と s は独立になります。

adinat
質問者

お礼

u,vが多次元正規だから少し心配でしたが、ガウス系だから共分散行列0で独立が出てくるのですね。♯1様の回答を眺めて、何らかの線形変換で独立な正規確率ベクトルuとvがあって、標本平均はuとある定数ベクトルの内積、標本分散はvのノルムという感じになっているんだなあと思いましたが、まさにこの方法でそれが現れているのですね。大変参考になりました。ありがとうございます。

その他の回答 (1)

  • solla
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回答No.1

x=(x1,x2,…,xn)' xi ~ N(μ,σ^2) i.i.d, i=1,2,…,n X=Σxi/n s^2=Σ(xi-X)^2/(n-1) とします。 第1行が(n^(-1/2),…,n^(-1/2))であるような直交変換Gを用いて y=Gxとします。 ただしy=(y1,y2,…,yn)' すると以下が成り立ちます。 (1) y1=√n・X (2) Σyi^2=Σxi^2=Σ(xi-X)^2-nX^2, Σyi^2[i=2 to n]=(n-1)s^2 (3) (y1-√n・μ)^2+Σyi^2[i=2 to n]=Σ(xi-μ)^2 Gは直交変換なのでヤコビアンは1ですから、xiの同時密度関数 C・exp(-Σ(xi-μ)^2/2σ^2) はyiの同時密度関数 C・exp{(-(y1-μ√n)^2-Σyi^2[i=2 to n])/2σ^2} =C・exp{-(y1-μ√n)^2/2σ^2}・Πexp(-yi^2/2σ^2)[i=2 to n] に変換されます((3)より)。したがってy1,…,ynは独立であり、 √n・X=y1 ~ N(√n・μ,σ^2) (n-1)s^2/σ^2=Σyi^2[i=2 to n]/σ^2 ~ χ^2(n-1) となります((1)(2)より)。またXはy1のみ、s^2はy2,…,ynのみの関数ですから互いに独立になります。 (証明おわり)

adinat
質問者

お礼

どうもありがとうございました。実は今日、稲垣先生の数理統計学を借りてきて読んでみてエレガントだなあ、と感心してたのです。こんなうまい方法があるんですね。独立性の証明はいつも結合分布を求めようとばかりしていたので目から鱗でした。

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