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会計学の財務諸表、税法の財務諸表、商法の財務諸表
こんばんは。お世話になります。 今、簿記の本を読んでいるんですが、簿記で学ぶ一般的?な簿記検定試験に出るような財務諸表、税法の財務諸表、商法上の財務諸表と色々本のなかに書いてあるのですが、それぞれどのような役割を果たしているのでしょうか? 僕が推測したところ税法の財務諸表は税金を納めるために必要で、商法の財務諸表は銀行などからお金を借りるときに必要で、簿記試験にでてくる財務諸表は全く想像がつきません。 これら3つは実務上、全部作成する必要があるのでしょうか?3つとも、企業では作成しているのでしょうか? 分る方、教えて下さい。よろしくお願いします。
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ご質問について回答するためには、まずそれぞれについての関係、違いを理解していただくのが早いかと思います。 (簿記、商法、証取法、の財務諸表) これらの財務諸表の元となるものは、過去から帳簿上に行なってきた会計仕訳です。なので、どの財務諸表の損益計算書でも同じ当期純利益が計算されます。 三者の違いは、財務諸表をどのように表示するかです。 証取法の財務諸表は、財務諸表等規則にその表示方法が厳密に規定され、財務諸表の中に貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書、利益処分計算書、附属明細表を含んでいます。 証取法の財務諸表は、有価証券報告書などに含まれるもので、上場企業などが作成すればよいものです。 商法の財務諸表は、商法施行規則にその表示方法が大まかに規定されてます。商法上は、計算書類(貸借対照表、損益計算書、営業報告書、利益処分案)及び附属明細書となりますが、一般社会で言われている「財務諸表」とか「決算書」は、この商法上の計算書類のみ、もしくは計算書類及び附属明細書をさしていることがほとんどです。 商法では、すべての会社に対してこれらを作成することを義務付けています。銀行が商法の財務諸表を要求するのは、かならず作成しているはずのものだから(?)です。 簿記の財務諸表は、特に決まりはないはずです。会社内部での管理資料として作成するB/S、P/Lなども簿記の財務諸表の1形態かもしれません。作成も任意です。 (上記財務諸表と税法(法人税法)の財務諸表) 税法の財務諸表というのは、何を指してますか? 法人税の申告書に添付する決算書のことですか?それは上記の商法上の財務諸表です。 それとも法人税法に定められた処理方法に基づいて作成された財務諸表のことですか?それについては以下に書いて見ました。 会計上の費用と収益の概念と税法上の費用(損金)と収益(益金)の概念は異なっているため、会計上の税引前当期利益と税務上の課税所得は違います。 損益の概念が異なれば当然資産負債の概念も異なっており、それらを貸借対照表、損益計算書のカタチで表示すれば、別会社のものと思えるくらい違うものが出来上がります。 しかし、税法上の財務諸表は概念上のもので、実際は作成しません。税務上一番重要なのは、税額計算のための課税所得の金額であり、法定書類である商法上の財務諸表における当期純利益から損益の概念が異なっている部分の修正・調整をしてやれば課税所得が計算されます。この修正・調整を行なっているのが申告書であり、会社はこれを作成する義務があります。なので税法上の財務諸表は作成する必要のないものになります。 とダラダラ書いてしまいました。
その他の回答 (1)
基本的に作成しているのは、商法上の計算書類等(個々の企業のB/S、P/L、営業報告書、利益処分案or損失処理案、付属明細書)と、証券取引法の財務諸表(個々の企業と企業集団のB/S、P/L、キャッシュフロー計算書、利益処分案or損失処理案、付属明細表)です。 税法の財務諸表を作成するのは聞いたことがないです。質問者様のおっしゃるとおりだと思いますが、税金を納めるときは申告書を書くので、現在通常は作成しないと思います(昔は作成していたのかもしれませんが)。 簿記検定試験に~というのは詳細な科目で作成する検定試験で出題されるP/LやB/Sを指しているのではないのでしょうか。商法や証券取引法で作成する書類は、詳細な科目ではなく細かいのはその他でまとめて表示するので。 検定試験に~は、会社での管理会計用に使用するのが中心で、それを基にして商法(株主総会提出用)や証券取引法(監査法人から監査証明をもらい、内閣総理大臣や証券取引所に提出される)の財務諸表を作成するのが基本だと思います。
お礼
どうもありがとうございます。 税法の財務諸表は、作成しないんですね。申告書で役割を果たしてしまうと。僕自身、色々な財務諸表をつくるのは、大変だなと思っていたので、大変納得いたしました。 検定試験の財務諸表は試験用の財務諸表みたいな感じですかね。それを商法、証券取引法にうまく合わせたのがそれぞれの財務諸表ということですね。 仕訳をずっとやっていれば、それ1つで色々な財務諸表が作れるということも今回わかりました。 今回は、大変勉強になりました。ありがとうございました
お礼
どうもありがとうございます。 証券取引法の財務諸表は株式上場会社が作成、商法の財務諸表はすべての会社が作成、法人税法の財務諸表は法人税を作成する上で役に立つけど別に作る必要はなく法人税の益金・損金などは申告書で修正すれば良い、と大変よく分りました。あと内部管理で財務諸表が作られるというのもわかりました。 僕が一番疑問に思っていたのは、法人税を収める際、(法人)税法の財務諸表が別に必要なのかな?と思っていたので、そこのところが大変分りやすく書いていただいたので、すごく嬉しいです。 また、それぞれの財務諸表の役割、作成義務なども詳しく分りました。大変感謝しております。 見ず知らずの私にこんなに親切に教えていただきありがとうございました。本当に良く分りました。