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為替先物と原油先物のフォワードカーブの違いについて
こんにちは。 為替先物と原油先物のフォワードカーブの違いについて質問します、為替先物は、ドル円ですと日米金利差に従って、バックワーデーションしていますが、原油先物はたとえば今年の12月まで高くなって、その後低下していくようなフォワードカーブになっています。コンビニエンスイールドという概念があるのはわかりますが、なぜ、単純なコンタンゴやバックワーデーションにならず、12月だけ高くなったようなフォワードカーブになるのでしょうか? 先物の価格には、市況の予想は織り込まれないと聞いています。また需給のゆがみがあってもすぐ解消されると聞いているのですが、原油だけ12月だけたかくなるようなゆがみが解消されないのは、原油の現物の需要が、為替に比べて小さいからでしょうか?それとも他の要因でそうなっているのでしょうか?
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非常に回答の困難な質問ですが・・・ 極論すると、両市場の性質の差が原因だと思います。 為替先物: 取引規模が大きく理論値が両通貨の金利差で計算できる市場です。 従って参加者の全員が長期先物の修練ポイントを理論として共有でき、 世界中の市場で裁定が瞬時に働きます。 原油先物: これに対して、簡単に言うと原油市場は各限月の売り買いの需給 バランスが決定権を握ります。 基準とすべき理論値が存在しないからです。 この市場は、コモディティーとしては巨大ですが、通常の金融市場に 比べると市場参加者が限られており、理論値で計算できる長期先物の 修練ポイントは非常に不透明です。 従来は長期先物の修練ポイントは、非OPECが油田を新規開発する 場合の原油生産コストとされ、WTI原油で20ドル前後のレベル でした。それ以上に原油価格が上昇すれば原油生産者は油田を開発し、 そのコストレベルに油価が修練されるというのは、理論としては成り 立っており、原油価格はこの20ドルを支点として、期近の需給が タイトな場合は期近高=バックワーデーション=、逆の場合は期先高 =コンタンゴ=を形成してきました。 基本的には、98年などの暴落時期を除いては、フォワードカーブは バックワーデーションの期間が長いのですが、この理由は長くなる ので割愛。 ところが、昨今、世界的な石油需要の伸びに、油田開発や精製設備拡張 の投資が間に合わない状況が明らかになってくると、長期的に石油燃料を 購入し続ける必要のある需要家=極端な例は、代替燃料のない航空会社= などが長期的な買いヘッジを行いこれが、期先を期近に近いレベルにまで 引き上げてしまいました。 また、超期先ものが上昇し始めたのを見た、年金ファンドなどの長期資金 運用者たちもこの市場に資金を投入しはじめましたが、彼らの戦略は 「トレンドの買い」であって、一旦購入すると、日々の上下には反応せず 長期保有がメインです。なかなか売りには回りません。 従って、昨今の期先需給は、実需家からも投機家からも、買いニーズは あるが売りニーズは少ないというのが現状です。 60ドルを超える原油価格ってのは、プロの連中でも誰も経験のない 世界なので、このレベルは、バックやコンタンゴというフォワードカーブ を語る状況ではないのですが、それでも、9月物より12月物が高値を つけるのは、一つは9月ものは現物市場では手当てが可能でありパニック 買いをは発生していないこと、もう一つは12月は冬場の真っ盛りであり 北半球の需要地で厳冬になれば需要増加が見込めるためでしょう。
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- Chuck_GOO
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No.1のものです、コメント有難うございました。 為替と原油の商品特性の最大の違いは”有限性の有無”です。 為替はほぼ有限性が無い(卑近な譬えをすると、お札はいくらでも刷れる/お札の実印刷数に関わらず電子的な取引はいくらでも起こり得る)のに対し、 原油は、サプライサイドでも有限ですし、デマンドサイドも有限、またここに季節要因やら産油国の思惑やらが重なってくると、市況・需給も織り込んだ先物価格の形成にならざるを得ないかと思います。。。 もしよろしければ、他の商品先物についても調べられたらいかがでしょうか? 産出国に偏りが無いものはそう市況・需給に影響されないかもしれませんが、偏りがあるもので、なおかつ需要サイドで季節要因なども働くものだと、原油と似たような傾向が出るかもしれませんよ。。。 経済学の知識も援用しつつ考えてみると、いろいろな解が考えられ得るように思います。。。
- Chuck_GOO
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下記のレポート(UFJ総研)が正に参考になるのではないでしょうか? もしよければこのバックナンバーなど通読されると、フォワードカーブの時系列的変化とその要因仮説が見えてくるかもしれません。。。
お礼
原油のレポートですが、大変参考になりました。 レポートでは、原油の先物は、市況と需給を織り込むことが書かれていました。 ですが、一方為替の先物は、需給はともかく、市況は織り込まないと聞いています。この矛盾はどうしたら解決できるでしょうと言うのがこの質問の中心なので、まだ続ける必要があるかと思います。
お礼
どうもご返答有難うございました。 為替の先物は市況を織り込まず、商品の先物は市況を織り込むことが良くわかりました。有難うございます。