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構文の解説をお願いしたいのですが
こんばんは。お世話になっています。 伊藤和夫『英文解釈教室 改訂版』から質問をさせて下さい。 The very bigness of America has an importance in the formation of its tradition which it is not easy to overestimate. It creates the belief that America is different, is somehow exceptional, that there is reserved for its citizens another destiny from that which is to befall the Old World. 著者は、二段落目の:...that there is reserved for its citizens another destiny from...の部分の説明で、"there is reserved の主語は、for its citizens を飛ばした後の another destiny だ"と書いています。 ただ、there V S構文のVの部分に受動態が使われている形など見たことがないので、この説明が正しいのかどうかいまいち確信が持てません(もちろんきっと正しいのでしょうが)。またこの部分を there V S構文を使うことで何か意味の違いはあるのでしょうか?個人的には another destiny which... is reserved for its citizens.とでもすれば良いのにと思うのですが・・。 もしよろしければ、この部文の説明をもっと詳しくしていただけたらとても助かります。うまく質問できずにすいません。
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とても興味深いご質問です。自信があるわけではありませんが、moisturelotionさんの疑問に沿って私の考えをまとめてみました。 (A) 「there V S構文のVの部分に受動態が使われている形など見たことがないので、この説明が正しいのかどうかいまいち確信が持てません」 ⇒ 私の手元にはいわゆる旧版の『英文解釈教室』しかありませんが、その該当箇所(p.184)にはp.90を参照せよ、とありましたのでそこを見ましたら以下の文がありました。 (1) There was now revealed to us the gulf between his generation and mine. (彼の世代と私の世代とのへだたりが、いまやわれわれには明らかになった。) いわゆるthere構文にも2種類あるようで、これはいわゆる「提示のthere構文」といわれるものだと思います。これは「存在のthere構文」と同様、文全体として新情報を伝えるのが普通ですが、実際の現れ方には違いがあるようです。 例えば、後者(存在文)では定的なものは原則として主語になれないのに対して、前者(提示文)では主語が定的なものであってもよいようです。そういえば(1)の文も主語gulfには定性を示すtheがついていますね。 また、基本的な語順に関しても、 後者(存在文)が (2) There is a small child in front of his car. (*There is in front of his car a small child.) のように主語の後に副詞修飾語句がくるのに対し、 前者(提示文)では逆に (3) There stepped out in front of his car a small child. (?*There stepped out a small child in front of his car.) (?*は「非文、もしくはその疑いあり」の意味) のように主語が副詞修飾語句よりも後ろに現れるようです。 ですから、同じように受動態が絡む文でも高校生でもよくご存知のThere is some sugar left in the jar.(砂糖が少しそのびんに残っている。)は「存在のthere構文」であるのに対して、(1)の文は「提示のthere構文」というわけです。 (以上は福地肇著『談話の構造』大修館書店発行、pp.106-110、及び中島平三編『最新・英語構文事典』同書店発行、pp.91-92を参考にしました。) (B) 「この部分を there V S構文を使うことで何か意味の違いはあるのでしょうか?個人的には another destiny which... is reserved for its citizens.とでもすれば良いのにと思うのですが・・」 ⇒ 英語の文では情報の出し方として、いきなり新情報であるanother destinyを頭にもってきて文を始めるのを避ける傾向があるわけです。そこで、クッションとして「ほらそこに」(there)という気持ちでanother destinyを導き入れるための導入句There is を文頭に置くわけです。最初に既知[旧]情報をもってきて、聞き手にやさしい情報の出し方をするための工夫の一つと言えましょう。この点は(A)で述べた「存在のthere構文」と同じです。 (C) #2さんの回答の最初の部分に関してなんですが、私も最初another destiny from that which is to befall the Old Worldのdestiny のあとにdifferentあたりが落ちているのかな、と思いましたが、『ウィズダム英和辞典』のanotherの項の形容詞の2を見るとこのままで「…と違った~」という意味が出るようですよ。 以上ですが、専門家の方の回答を私も待ちたいと思います。
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- lanwtwis
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[1] 問題を、there V S構文一般ではなく、there V S構文に過去分詞がかかわる場合に限定して [2] 大修館英語語法大事典v.1 pp.1066-1077でなされている説明(と私が理解したもの)について、単なる情報を提供します。 [3] ごく基本的な例文で考えてみると(他の回答との例文の共有は、読み手・質問者さんにとっては便利だと思うので、#3さんの例文を拝借させてください) 以下の4つとも可能。 (1)[Some sugar] is <left> {in the jar}. (2)There is [some sugar] <left> {in the jar}. (3)There is <left> [some sugar] {in the jar}. (4)There is <left> {in the jar} [some sugar]. 問題の箇所は、質問者さんがおっしゃるように、プリミティブには another destiny is reserved for its citizens. で、構文は Some sugar is left in the jar. とまったく同じなので、同様に以下4つが可能。 (1)[another destiny] is <reserved> {for its citizens}. (2)there is [another destiny] <reserved> {for its citizens}. (3)there is <reserved> [another destiny] {for its citizens}. (4)there is <reserved> {for its citizens}[another destiny]. >there V S構文のVの部分に受動態が使われている形など見たことがない (1)(2)は既知でしょうから、そこから(3)(4)(Vの部分が受動態)へと書き換えられると考えることになるのでしょう。 問題の箇所は(4)の構文をとっているということになります。 >何か意味の違いはあるのでしょうか? (1)と(2)(3)(4)の違い ア (1)では、意味の重点が主語とbe+分詞に配分されていて、表現として平板と感じられるのに対して、 (2)(3)(4)では、 thereは存在を表す表現形式を作るための単なる形式語で、具体的意味を持たず(存在のthere)、次のbeとともに主語を導くはたらきをするだけなので、 意味の重点が主語にあると感じられ、主語が際立つ。 イ (2)(3)(4)で主語が文頭でなく後から現れるのは、(1)に比べて、聞き手に余裕を与え、唐突さを感じさせない効果がある。 (#3さんの(B)と同旨。というより、存在のthereを完全に無色透明なものとせずに、本来の意味のなごりから説明しているところが、英語の実態により則していて(現実的・具体的)、わかりやすく、優れているような……) ウ とくに(2)では主語+分詞のかたちによって、分詞が主語に密接して主語をより鮮明に叙述し、 また文全体がリズミカルに整えられる。 (エ (3)(4)は自然の勢いとしてbeと過去分詞が直接つながったもので、またbe +過去分詞は自動詞的な意味をもつ、との説明があるようですが(p1078)、 be +過去分詞を自動詞的意味に解するのは(1)においても妥当するのではないか、との疑問を感じました。is left = remainsなど。) オ (4)で主語を文尾におくのは、主語を強調するためか、または主語に修飾語句などが付いて長いときにバランスをとるため。 したがって (4)There is <left> {in the jar} [some sugar].では、 some sugarを強調するためと理解すべきでしょうが、 (4)there is <reserved> {for its citizens}[another destiny]. は、実際は there is <reserved> {for its citizens} [another destiny from that which is to befall the Old World]. なので、 長い主語がバランスの必要から後置されたものと理解すべきでしょう。 かりに (1)のかたち [another destiny from that which is to befall the Old World] is <reserved> {for its citizens} (2)のかたち there is [another destiny from that which is to befall the Old World]<reserved> {for its citizens} (3)のかたち there is <reserved> [another destiny from that which is to befall the Old World]{for its citizens} を作ってみると、 どれも、主語が長過ぎて、バランスが悪く、照応が不明瞭な悪文であることがわかります。 問題の箇所の構文は、このような幣を避けるよう意図されたものと考えることができるのではないでしょうか。 -------------------------------------------------- 研究社 新英和大辞典 I want another book than [from] this. -------------------------------------------------- ご質問に直接関連のない傍論ですが #3さん(A)の例文 There was now revealed to us the gulf between his generation and mine. でgulfにtheがついている問題。 (ご質問の文は、another destinyと不定のものが主語になっており、また意味からしても、there isは純然と存在のthereと理解されるので、この点でとくに問題はないと考えられます) 2通りの解釈の可能性 (1)Thereは指示副詞で、引用部分の前に出ている場所(類似のもの)を指している(この場合Thereには強勢がおかれる)と考える余地もないとはいえないのではないか。 There=意見の対立があらわになった論点、というように。 この論点において・を通じて、世代間のギャップがあきらかになった、など。 とすれば、thereとtheは矛盾しない(私見)。 (2)Thereは存在構文だが、the gulfのtheは、既出のものを指すまたは対話者間ですでに話題にあがっているものを指すtheではなく、それ以外の関係として名詞を限定するもの。すなわち、theがついているが、文脈内では初出の扱いなので、存在のthereと矛盾しない。 ここでは、between his generation and mineの句によって限定されるがゆえのthe(事典p1073)(#6さんと同旨)。 -------------------------------------------------- 英語語法大事典の基本的信頼性を疑うものではありませんが、 ところどころに古さを感じさせるところがあるということもいなめないと思っています。 この点、たとえば#3さんの示してくださったような、事典でカバーしきれていないようなタイプの記述は、貴重に感じられます。 多謝。
お礼
lanwtwisさんどうもありがとうございます。 there V Sと一言に言っても、様々な書き方が可能なのですね。例文を豊富に出して下さったのでそれがよくわかります。 英語は「頭でっかちの文」を嫌ったり、「結論部分(動詞の部分)を早く言いたがる」言葉だと習いました。それを考えれば、たしかに another destiny which.... is reserved for its citizens. は文法的には正しいかもしれませんが、見てくれはよくないですよね。
there+受動態については,#3さんのおっしゃるとおりです。一応,ジーニアスに載っていた例文を追加しておきましょう。 There was held a splendid banquet. 豪華な宴会が催された There is expected to be an announcement about the proposed building next week. 計画中の建物についての発表が来週あると思う ただ,存在文では定冠詞付きの名詞がこないというのは言い過ぎです。名詞句自体が新情報であればいいので,たとえば,お示しの文の場合, There was now revealed to us the gulf between his generation and mine. (彼の世代と私の世代とのへだたりが、いまやわれわれには明らかになった。 the gulf は between によって修飾されたことから生じたもので, There is the possiblity that he will win.彼が勝つ可能性はある。 There is the problem of race in America. アメリカには人種という問題がある。 というのはよく見かける構文です。 さて,another ですが,皆さんはこの単語に目を奪われているようですが,これは an+other ですよね。other であれば,「~とは別の」の「~」の部分にどういう前置詞がつかわれるか,辞書をごらんになれば分かると思います。 other colors than [from] that ただし,from を使うのはかなり古風です。ご質問の文はかなり硬い文体ですので構わないでしょうが,英作文では使わない方がいいでしょう。
お礼
Nsuikaさんどうもありがとうございます。 there V S 構文に関して僕の学校の先生は、「there構文は初めて出てくる名詞しか来ない」と説明なさっていました。そのため「初めての名詞には(それが可算の単数であれば) a/an をつけるのだから the のつく名詞は来ないのかな?」と勝手に思っていたのです。でも、Nusuikaさんのおっしゃるように初めての名詞でも説明がかかっていれば the がついていてもおかしくありませんよね。なるほど。
- fwkk8769
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#4さんへ: 『ウィズダム英和』には 「《…と》違った《than, from》(different)」という説明と「My brother bought another car than mine.兄は僕と(車種の)違う車を買った」 という例文があるのみです。 しかし、小西友七編『英語基本形容詞・副詞辞典』(研究社出版、p.142)によれば、another…には「追加」に重点がおかれるものと今回のように…の種類や属性の「違い」にむしろ重点が置かれるものがあるようで、さらに「この意では比較の意が表され、比較の対象はthanやfromで表される」としており、次の例文を挙げています。 Another car than [from] mine was used. 私のではない車が使われた。 なお、引用された原点は”The American Heritage Dictionary of the English Language”(1969)だそうです。
お礼
fwkk8769さん再びありがとうございます。 比較の対象が than や from で表される、という部分にとても興味を覚えました。考えてみれば、different も意味は「異なる」ですが、「~と異なる」とすればこれも一種の比較ですよね。
- tasogare32
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No.3の方の(C)に関してですが、私も実はdifferentあたりが脱落しているのではないかと思ったのです。そうでないとなるとanotherの問題になりますが、「~と異なった」という意味でのanother X from~という表現は浅学にして見た憶えがないのです。ウィズダムにはそのような例文がありましたでしょうか。
お礼
tasogare32さんどうもありがとうございます。 『英文解釈教室 改訂版』によりますと、another には「別の」という意味があり、それと相性の良い前置詞が from と than だそうです。形容詞の different と同じなのではないでしょうか。
- tasogare32
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二段落目のthat there is reserved for its citizens another destiny from that which ~の部分にもしかして単語1語脱落していませんか。私には文意に少々理解しかねるところがあるのですが・・ それはとにかくthere is~の構文でbe動詞の代わりにseem, happen, stand, live, come などが続くことがあるということはご承知だとして。 「英文法解説」(江川泰一郎)には「thereの主語扱いには次のような受動態の構文にも見られる」として。 With his honesty there was mingled an unfortunate blindness to reality. という例文が記載されています。
お礼
tasogare32さんどうもありがとうございます。 there V S構文で受動態が使われるのですか・・。ロイヤル英文法には載ってない用法ですね。今まで知りませんでした(もちろんまだ高校生の僕が「見たこともない」を理由として挙げるには早過ぎる感もありますが)。 単語の脱落は何度も読み返してみましたが、すべて揃っております。もちろんテキストそのものから(初めから)抜けていたという可能性もないことはないと思います。
- パんだ パンだ(@Josquin)
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この文のthereは There is a pen on the desk. のような意味を持たない形式主語のthereではなく、「その場所で」という意味を持っている副詞のthereではないでしょうか。 つまり、 Another destiny is reserved for its citizens there. ということ。
お礼
Josquinさんどうもありがとうございます。 たしかに there を単なる副詞として捉えれば、主語が長いので倒置という見方も可能ですね。
お礼
fwkk8769さんどうもありがとうございます。 there VS構文には二種類あるのですね。二つに分かれていることで、どれがどれだとごちゃごちゃにならずわかりやすいです。 新情報と旧情報という用語もはじめて聞きましたが、なるほどとても興味深いです。確かに I met a girl on the street yesterday. The girl was a friend of my daughter's. ではなく I met a girl on the street yesterday. A friend of my daughter's was the girl.だと主語が唐突に出てきた感じがしますものね。勉強になります。