エミッタ接地増幅回路のバイアスのかけかたについて
ギター用のプリアンプを雑誌参考に作成しました。
回路は順調に動作するのですが実体配線図を見て感覚で作り上げたため、その回路がどう意味するのか基礎から分析してみようと思い「トランジスタ回路の設計」を読みながら回路図とにらめっこを続けています。
そのアンプはトランジスタ1石のエミッタ接地回路です。
だいたいは理解ができたのですが、タイトルのバイアスの部分のみどう考えても計算が合いません。このアンプについてご意見お伺いしたいと思います。
バイアス部分は電流帰還バイアス回路?だと思います。
条件としては
・+9Vの電源
・使用トランジスタは2SD794A
スペック表によると絶対最大定格、仕様は
品名: 2SD794A
材料: Si
種類: npn
コレクタ損失 (Pc): 10W
コレクタ·ベース間電圧 (Ucb): 70V
コレクタ·エミッタ間電圧 (Uce): 60V
エミッタ·ベース間電圧 (Ueb): 5V
コレクタ電流(直流) (Ic): 3A
接合部温度 (Tj): 150°C
利得帯域幅積 (ft): 45MHz
出力容量 (Cc), Pf: 40
直流電流増幅率 (hfe): 100MIN
メーカー: NEC
です。
・75倍増幅
です。
回路はinから2.2μのコンデンサーを通ったのち、バイアスを決める抵抗二カ所…電源側が470kΩ、アースに落ちている方が220kΩで分圧?されたのちトランジスタのベースに入ります。増幅度を決める抵抗2カ所ですが、コレクタ抵抗750Ω、エミッタ抵抗は1kΩと10Ω
の並列になっています。コレクタから出た信号は6.8μのコンデンサーを通った後outします。
増幅度に関する750÷9.9≒75 なのはわかりました。
よくわかっていない部分が以下のあたりです。
エミッタ電流の動作点をどうするのか(最良の動作点もあるでしょうが、どう設計されているかわからないので、とりあえず最大定格以下ですよね)→エミッタ抵抗の電圧降下をどう決めるのか(トランジスタの本では1V以上必要だから仮に2Vとします、となっていますが…)→エミッタ抵抗の電圧降下が決まれば、計算ができるはずですよね。
雑誌の回路がどのようにその辺をきめているのか記載がないので、仮定しながら逆算していくと、どうもその抵抗値一番近い計算としては下記になります。
エミッタ抵抗の電圧降下を仮に2Vすると
エミッタ電圧=2V ベースエミッタ間電圧=0.6V
上記によりベース電圧=9V-2.6V=6.4V
今回のトランジスタはhfe=100minとあるので(100以下ということでしょうか?)
1÷hfe=1÷100=0.01mA ベースに流れる電流を無視するためには10倍以上流れれば良いため0.1mAとする。(本の解説をみながらあてはめています)
基本通りだと6.4V÷0.1mA=64kΩ …しかし実際は470kΩ
これを実現するには6.4V÷XmA=470kΩ X=0.01mAになってしまいます…
細かいこと考えずに0.01mAでいいのであれば
6.4V÷0.01mA=470kΩ
2.6V÷0.01mA=260kΩ(目標に220kΩに近い)
と計算は成り立つのですが…
このアンプは途中までは綺麗に増幅され、最大付近から少し歪むような設計になっているようです。ギター用だとそもそも基本に忠実に値を決めていないのかもしれませんが、この回路をきっかけに自由にアンプ設計できるようになりたいのでこの場合のバイアスの基本に忠実な掛け方と、この設計記事の意図を読み取りたいのです。
誤解もあるかもしれませんが、アドバイスよろしくお願いします。