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3次方程式の置き方です
α.β.γを解とする3次方程式は (t-α)(t-β)(t-γ) とおけると書いてあったのですが、最高次の係数をなぜ1として良いのかわかりません。 a(t-α)(t-β)(t-γ) = a{t^3 +(α+β+γ)t^2 - (αβ+βγ+γα)t -αβγ} ではないのでしょうか。aがあるのとないのでは変わってくると思うのですが。問題は、 「実数a,b,c,がa<b<c , a+b+c=0 , bc+ca+ab=-3 をみたすとき、不等式 -2<a<-1<b<1<c<2 が成り立つことを示しなさい」という問題です。 よろしくお願いします。
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●そもそも (t-α)(t-β)(t-γ) は方程式ではありません。 (t-α)(t-β)(t-γ)=0 はtに関する3次方程式です。より正確には {t|(t-α)(t-β)(t-γ)=0} とすべきで、これは解の集合 {t|(t-α)(t-β)(t-γ)=0} = {α,β,γ} を表しています。 両辺に0でない任意の係数aを掛け算して a(t-α)(t-β)(t-γ) =0 という方程式にしても同じです。何が同じかというと、 {t|(t-α)(t-β)(t-γ) =0}={t|a(t-α)(t-β)(t-γ) =0} = {α,β,γ} つまり解の集合が同じです。 係数aが0である場合にはこうはいきません。 {t|0(t-α)(t-β)(t-γ) =0} = {t| tは任意の数} だからです。 ●また、 a(t-α)(t-β)(t-γ) = a(t^3 +(α+β+γ)t^2 - (αβ+βγ+γα)t -αβγ) ではありません。 a(t-α)(t-β)(t-γ) = a(t^3 -(α+β+γ)t^2 + (αβ+βγ+γα)t -αβγ) が正解です。 ●「実数a,b,c,がa<b<c , a+b+c=0 , bc+ca+ab=-3 をみたすとき、不等式 -2<a<-1<b<1<c<2 が成り立つことを示しなさい」 を解くのに、恒等式 (t-α)(t-β)(t-γ) = t^3 -(α+β+γ)t^2+(αβ+βγ+γα)t -αβγ を利用するのは旨い方法ですね。 α=a, β=b, γ=c とおけば (t-a)(t-b)(t-c) = t^3 -(a+b+c)t^2 +(bc+ca+ab)t -abc 実数a,b,cに関する条件より、 (t-a)(t-b)(t-c) = t^3-3t-abc 従って、 {a,b,c}={t|(t-a)(t-b)(t-c)=0}={t|t^3-3t-abc=0}={t|t^3-3t=abc} さて、3次曲線 {<t,y>|y=t^3-3t} のグラフを描けば、これが原点<t,y>=<0,0>を通る"N"字形をした曲線であることが分かります。 勝手な数値kを決めて、方程式 {t|t^3-3t=k} を考えると、いつでも実解が3個ある訳ではない。実解が3個あるようなkの値の範囲は {k|-√3<k<√3} に限られています。従って、 ∀a∀b∀c∀k( (a<b<c ∧ -√3<k<√3 ∧{t|t^3-3t=k}={a,b,c})⇒ -2<a<-1<b<1<c<2 ) を示せばよい。要するに√3<k<√3 の範囲でkを動かしたとき3つの解a,b,c(ただしa<b<c)がどれだけ動くかを調べればよい訳です。
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- stomachman
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>「次の等式をみたす、a,b,c,dをすべて求めよ。 > abcd = a+b+c+d 」 「a,b,c,dをすべて求めよ」のa,b,c,dってのは、4個の数字の組です。だから順序対<a,b,c,d> を用いる。この問題の解は無限集合A A={<1,1,2,4>, <1,2,1,4>, ......, <0,0,0,0>, <0,-1,2,-1>, .... } ですけど、 Aの要素<a,b,c,d>をひとつ取って来ると、その項の順番を入れ替えたもの(例えば<b,c,a,d>)もまたAの要素である。 だから P(<a,b,c,d>) = {<a,b,c,d>の順番を入れ替えたもの} という記号を自分で定義して、 A = P(<1,1,2,4>)∪P(<0,-1,-1,2>)∪.... という風に書くのがスマートじゃないでしょうか。 P()は「順番は気にしないけど、要素の重複は認める」という、集合と順序対の中間みたいな概念で、bagと呼ばれます。特に記法は決まっている訳じゃないし、断り無しで使えるようなポピュラーな概念でもない。そこで、ここではP()という記法を定義して使ったわけです。 > 参考書にはちゃんと{ }の性質と理由を説明した上で、{4,2,1,1}と書かれています(受験参考書) そういういい加減な本はゴミ箱へ。 {4,2,1,1}={1,2,4}なんです。 これを認めないと {1,2,3}∪{1,2,4} = {1,1,2,2,3,4} ≠{1,2,3,4} てことになってしまう。これはもう集合じゃありません。 なお、順序対は以下のように集合によって定義されます。 <a,b> = {a,{a,b}} 役に立たない豆知識でした。
お礼
お返事ありがとうございます。すいません、お返事しようと思っていたのですが、忘れてしまっていました。「過去の投稿」の欄を見ていると締め切っていないスレッドがあったので、今気がつきました。本当に遅れてしまってどうもすいませんでした。 >なお、順序対は以下のように集合によって定義されます。 <a,b> = {a,{a,b}} 役に立たない豆知識でした。 いえ、とても興味深い内容で参考になりました。論理記号を正確に理解できるようになったのは、stomachmanさんのおかげです。どうもありがとうございました。
- stomachman
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>{1回目,2回目,3回目} = {3.2.1}とかくと{3.2.1}の集合という意味で、 >これをごちゃ混ぜにした{1,2,3}も数に入れるという意味ですよね。 集合の話ですね。(「数に入れる」ってのは意味が分かりませんが…) {3,1,2} = {1,2,3}, {1,2,3}={1,1,1,1,2,2,2,3,3,3} です。順番は関係ないし、同じものを幾つ並べたって一つと数えます。 順番と個数を問題にするときには、集合ではなく順序対(じゅんじょつい)を使います。 <3,1,2> ≠<1,2,3>, <1,2,3>≠<1,1,1,1,2,2,2,3,3,3> >{t|(t-α)(t-β)(t-γ)=0} という書き方なのですが、これは、t の集合という意味でしょうか。 その通りです。この集合をTとすると ∀t(t∈T ⇔ (t-α)(t-β)(t-γ)=0) が成り立つという意味です。t∈Tとは「tはTの要素である」という命題です。∀と⇔については以下をご覧じ。 >訂正していただいて ここが間違っていると、この問題は解けないんです。3次曲線 {<t,y>|y=t^3+3t} のグラフは単調増加になっていて、N形じゃない。ですから、実解はいつも一つしか存在しない。 >∀の記号と∧の記号がよくわからない 論理式の記号です。簡単に紹介します。(詳しくは記号論理の教科書を探すと良いでしょう。) P, Qを命題(たとえばx>yとかx+y=0とかt∈Tのような、何かyesかnoかで答えられる性質)とするとき ¬ P : Pの否定。つまり「Pではない」が成り立つ。(NOT) ¬Pと書く代わりにPの上に横棒を引く流儀もあります。C言語では!Pと書く。 ¬(x=0) の略記法が x≠0 です。 P ∧ Q : PかつQ。PもQも共に成り立つ。(AND) ∧の代わりに・や&を使ったり、或いは単にPQと書く流儀もあります。C言語では&&と書く。 P ∨ Q : PまたはQ。PかQの少なくとも一方(あるいは両方)が成り立つ。(OR) C言語では||と書く。 P → Q : PならばQ。つまり、 ¬(P∧¬Q)「Pが成り立ってるのにQが成り立たないということはない。」 という意味で、 また ¬P∨Q「Pでないか、またはQである」とも同じ意味です。(IMPLY) →の代わりに⊃を使う流儀もあります。 P ⇔ Q : PとQは同値である。つまり、 PならばQであり、QならばPである(P→Q)∧(Q→P)。と同じ意味で、 PとQは共に成り立つか、共に成り立たないかである(P∧Q)∨(¬P∧¬Q)。 とも同じ。⇔の代わりに≡や=を使う流儀もあります。C言語では==です。 これらの記号は論理演算子と言います。∧は掛け算、∨は足し算、¬ はマイナスの記号によく似た性質を持っています。 ∀と∃は限量子と言って、命題ではなく変数にくっついて、命題の前に並べます。 ∀x P : どんなxについてもPが成り立つ。任意のxについてPである。 ∃x P : Pが成り立つようなxが少なくとも一つ存在する。 それから、普段あまり見掛けないけれど、文章をごちゃごちゃ挟まないで論理式を書くには必要なε記号というのがあります。 εx P : 「Pが成り立つようなx」のことです。(ただし∃x Pである場合にだけ意味を持ちます。) たとえばこんな風に使う。 (εx(|x|=1))∈{-1,0,1} 「絶対値が1であるようなxは集合{-1,0,1}の要素である。」 だから ∀a∀b∀c∀k( (a<b<c ∧ -√3<k<√3 ∧{t|t^3-3t=k}={a,b,c})⇒ -2<a<-1<b<1<c<2 ) の場合、 どんなaについても以下が成り立つ「 どんなbについても以下が成り立つ「 どんなcについても以下が成り立つ「 どんなkについても以下が成り立つ「 (a<b<cであり、かつ、-√3<k<√3 であり、かつ{t|t^3-3t=k}={a,b,c}である) ならば -2<a<-1<b<1<c<2 である。」」」」 と読めます。 略記法として ∀a,b,c,k( (a<b<c ∧ -√3<k<√3 ∧{t|t^3-3t=k}={a,b,c})⇒ -2<a<-1<b<1<c<2 ) ∀a<∀b<∀c ,-√3<∀k<√3 ({t|t^3-3t=k}={a,b,c})⇒ -2<a<-1<b<1<c<2 ) なんてのも使われます。 なお、(a<b<c) てのは (a<b ∧ b<c) の略記法ですね。
お礼
stomachmanさん、お返事していただいてどうもありがとうございます。論理記号をひととおり拾っていただいたみたいでとてもわかりやすかったです。記号論理の教科書を探せば良かったのですね。すいません、少し安易に室温しすぎたかなと反省しております。でも論理の記号は数学言語だからなかなか取っつきにくくていつも頭が痛くなるのですが、文章で御説明いただいたので、自然に親しめるようになりました。それと、再びで申し訳ないのですがひとつになったことがあるので、質問させていただけますか。 >集合の話ですね。(「数に入れる」ってのは意味が分かりませんが…) {3,1,2} = {1,2,3}, {1,2,3}={1,1,1,1,2,2,2,3,3,3} です。順番は関係ないし、同じものを幾つ並べたって一つと数えます。 順番と個数を問題にするときには、集合ではなく順序対(じゅんじょつい)を使います。 <3,1,2> ≠<1,2,3>, <1,2,3>≠<1,1,1,1,2,2,2,3,3,3> 「数に入れる」というのは集合の要素として組み込まれているというような意味合いで使いました。 >順番は関係ないし、同じものを幾つ並べたって一つと数えます。 ここなのですが、順番が関係ないことは理解できるのですが、 「同じものを幾つ並べたって一つと数えます。」のところが先生に教わったのと違うので混乱しています。 例えば以下のような問題があったとします。 「次の等式をみたす、a,b,c,dをすべて求めよ。 abcd = a+b+c+d 」 このa,b,c,dを考えやすくするためにa≦b≦c≦d として解くと、(a,b,c,d)=(1,1,2,4)という答えが出るのですが、これはa≦b≦c≦d としたときの答えで、問題文では、a,b,c,d にそのような条件はないので、本当の答えはa,b,c,d に 4,2,1,1 をわりふったすべてとなると思うのですが、ここで{4,2,1,1}を使って良いのでしょうか。stomachmanさんの解説では、使っては行けないように思えるのですが、参考書にはちゃんと{ }の性質と理由を説明した上で、{4,2,1,1}と書かれています(受験参考書) この場合は、いちいちa,b,c,d に 4,2,1,1 をわりふったすべてを書かないと行けないのでしょうか。 よろしくお願いします。
- himitsu
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方程式である以上、α、β、γを解として(t-α)(t-β)(t-γ)とおいた場合、右辺は必ず0となり、 (t-α)(t-β)(t-γ)=0 となるわけですから、最高次の係数をaとした場合でも、 a(t-α)(t-β)(t-γ)=0 となり、両辺をaで割れば再び同じことになるのでは?
お礼
>方程式である以上、α、β、γを解として(t-α)(t-β)(t-γ)とおいた場合、右辺は必ず0となり、 (t-α)(t-β)(t-γ)=0 となるわけですから、最高次の係数をaとした場合でも、 a(t-α)(t-β)(t-γ)=0 となり、両辺をaで割れば再び同じことになるのでは? なるほど、そうですね!!「3次」方程式と書かれているから、3次の係数は0ではないことは明らかなんですね。喉に引っかかってた小骨がとれたような感じです。お返事どうもありがとうございました。
お礼
>(t-α)(t-β)(t-γ) は方程式ではありません。 そうですね、そこが間違いの元だったように思います。 >(t-α)(t-β)(t-γ)=0 はtに関する3次方程式です。より正確には {t|(t-α)(t-β)(t-γ)=0} とすべきで、これは解の集合 {t|(t-α)(t-β)(t-γ)=0} = {α,β,γ} を表しています。 すいません、本問と関係がないのですが、{1回目,2回目,3回目} = {3.2.1}とかくと{3.2.1}の集合という意味で、これをごちゃ混ぜにした{1,2,3}も数に入れるという意味ですよね。 それと、{t|(t-α)(t-β)(t-γ)=0} という書き方なのですが、これは、t の集合という意味でしょうか。{ t|・・・・} と書かれていて、縦線の左側にある文字tについて注目してくださいという記号でしょうか。 >また、 a(t-α)(t-β)(t-γ) = a(t^3 +(α+β+γ)t^2 - (αβ+βγ+γα)t -αβγ) ではありません。 a(t-α)(t-β)(t-γ) = a(t^3 -(α+β+γ)t^2 + (αβ+βγ+γα)t -αβγ) が正解です。 すいません、マイナスはαβγの方についているのだから、αβγの掛ける回数で、正負を判断しないといけませんね。訂正していただいてありがとうございます。 >∀a∀b∀c∀k( (a<b<c ∧ -√3<k<√3 ∧{t|t^3-3t=k}={a,b,c})⇒ -2<a<-1<b<1<c<2 ) を示せばよい。 すいません、∀の記号と∧の記号がよくわからないのですが、教えていただけますでしょうか。よろしくお願いします。