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なぜ戦後日本の造船技術は奪われなかったのか?
太平洋戦争の敗戦を受け、日本の航空技術はことごとくGHQに取り上げられてしまい、為に日本の航空機産業は諸外国に比べ大きく立ち後れた事は周知の事実と思います。 一方、敗戦で大きな打撃を受けましたが、戦艦大和に代表される日本の優れた造船技術は、軍事的脅威という点では航空技術と同等と思われるのに、なぜか規制されたという話を聞きません。 これは当時どのような判断があったのでしょうか? それとも、航空技術は単に軍事的側面からのみ規制されたわけではない、ということなのでしょうか? 戦後政治にお詳しい方、ご教示下さい。 (できれば参考サイトもお願いします)
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後ほど、航空機の歴史に詳しい方からお答えがあると思いますので、取り合えず造船に関して一言。 まず、日本は戦前には世界第三位の海運王国でした。 統計によると開戦一年前である1940年の時点で、保有総トン数は貨物船と油槽船を併せ562万トン (2337隻)、 1945年の終戦までの5年間の新船建造 (国内外を併せ) は3293万トン (1226隻) だったのですが、終戦時の日本国の保有総トン数は、この合計の僅か5%、221万トンにとどまりました。 つまり保有船舶の95%を戦争で失うという、日本海運は正に壊滅状態に陥りました。 一方、当時のGHQの方針として 「日本国の再生」 というスローガンもあったため、まず産業設備や社会インフラの復旧が急がれました。 そのためには石油、石炭、鉄鉱石など多くの工業原料の確保・輸入が最優先されました。 それには、まず船舶が必要ですよね。 日本は島国ですので、海運業が復旧しないと1トンの石油も、一粒の鉄鉱石も手に入れる事はできません。 そこでGHQは造船業界の復旧に重きをおいたように考えられます。 もし航空機製造と同じように、日本の造船業界までも規制をかけた場合、日本の復旧を図るためには、連合国側は自国の船舶を日本向けに用船に出さざるを得ず、ただでさえ疲弊した自国海運業界にとっても、とても無理な相談だったと思います。 アメリカもヨーロッパ戦線で、結構、商船を失っていますからね。 一方、今では国際線・国内線とも日本の航空業界は発展していますが、当時は、民間航空業界なんて今ほど必要とされる時代ではなく、ある意味 「造船と違って、航空機製造は軍事目的に直結」 とされる時代だったように思います。 それも大きいように思われます。 だって、北海道や沖縄に渡るのにも船で行くのが当たり前の時代だったですから、民間人が飛行機に乗るなんて普通は一生涯無かったでしょうからね。
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- mmky
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参考に 規制されなかったわけではないですね。 戦後造っていたのは商船やタンカーばかりですね。原子力船や原潜などはないですね。原子力船1隻ためしに造ったけどだめで北のほうで博物館になっているようですね。つまり造船技術は大和の時代からそんなに変ってないということでしょうね。まともな空母1隻造ってみると実力がわかりますが反対が多くてだめですから、本当の実力は不明ですね。
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回答、ありがとうございます。 原子力船「むつ」ですね。今はどうしているのでしょうか・・・冷静に考えると、何のために造ったのでしょうか。実用には程遠い代物でしたが・・・^^; 空母は確かにその時代の海軍力を表す指標のようなもので、今の日本にないのがかえって不思議なくらいです。 いい空母は造れると思いますけどね。
- triton231
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まったく詳しくない素人ですが、興味のある話題でしたので…。 おそらくアメリカはハワイ沖奇襲などで戦艦アリゾナがゼロ戦に やられたのを見て、それまでの戦争の常識であった「巨砲巨艦 主義」を捨て、空母主体の「航空機戦略」に戦術転換したから ではないでしょうか?(私の勝手な推測ですが) それと、もしかしたら、アメリカは日本が島国で海洋国家である ことから、造船技術等が生活に必要とみて規制をかけなかった のかも知れませんね。
お礼
回答、ありがとうございます。 なるほど、船舶の軍事的価値が薄れてきた事も大きかったのでしょうね。 その後のボーイング社やマクダネル・ダグラス社の隆盛を見ると、アメリカの国内産業保護の為でもあったのかな?と勘ぐりたくなります。 それぐらいの脅威であったのかと思うと、戦争に負けはしましたがけっこう航空技術的にはいい勝負だったのではと思わざるを得ません。
お礼
データまで交えた丁寧なご回答、ありがとうございます。 ひええ、95%の損失ですか。初めて知りましたがこりゃボロ負けですね^^; 逆に考えれば、よくそこから息を吹き返したなあと、改めて当時の日本の底力の強さを思い知らされます。 海軍出身の○曽根元首相が、やたら「シーレーン防衛」を唱えていたことを思い出します。 結局のところ、先の大戦で日本が負けたのは、この点を(好むと好まざるにかかわらず)ないがしろにしてしまったからなのではないのでしょうか? おそらく今後も、海洋国家である日本はこの点を無視することは出来ないのでしょうね。