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tan(x)とチェザロの総和法
- tan(x)をフーリエ展開するとtan(x)~2(sin(2x)-sin(4x)+sin(6x)-sin(8x)+…)
- チェザロの総和をとればtan(x)に近づく
- 右辺のチェザロ総和は区間(-π/2,π/2)でtan(x)に収束する
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grothendieck さん,siegmund です. お久しぶりです. grothendieck さん相手に自信ありの回答も難しいですが... (A) 右辺はx=0のときを除いてtan(x)に収束しない (B) 右辺のチェザロ総和は区間(-π/2,π/2)でtan(x)に(一様でない)収束をする。 (1) 2(sin(2x)-sin(4x)+sin(6x)-sin(8x)+…) は三角級数ですから,有限項の和が比較的簡単な形にまとまりますので なんとかなりそうです. (2) Σ {r=1 → n} (-1)^r sin(ry) = (-1)^n {sin[(2n+1)y/2] / [2cos(y/2)]} - (1/2)tan(y/2) ですから, (3) S(n) ≡ Σ {r=1 → n} 2 (-1)^(r+1) sin(2rx) = (-1)^(n+1) {sin[(2n+1)x] / cos(x)} + tan(x) になります. (3)の右辺第1項が「おつり」ですが, x を固定すると n を大きくしても振動するだけで, 「おつり」はゼロに行きません(x=0 は除く). したがって,(A)は示せました. チェザロ総和は部分和の相加平均 (4) C(n) = (1/n) Σ{r=1 → n} S(n) を考えるわけですが, (3)の右辺第2項の tan(x) は n 個加えて 1/n にするのですから そのまま tan(x) で残ります. 「おつり」の方の相加平均は, x を固定したとき,sin 型の振動項の和の 1/n ですから n→∞ でゼロに行くのはほぼ明らかでしょう. すなわち (5) C(n) - tan(x) =0 (as n → ∞) ただし,x を固定して「おつり」をある正数より小さくしたいとしたときに, 必要な項数 n は x → π/2 につれていくらでも大きくなります. 分母に cos(x) がありますから. したがって,一様収束ではありません. これで,(B)も示せました. もっときちんとやるなら, 「おつり」の部分が再び三角級数の形をしていますので, (2)のもう少し一般の形が (2') Σ {r=1 → n} (-1)^r sin[a+(r-1)y] = sin[a+(n-1)(y+π)/2] sin[n(y+π)/2] / cos(y/2) であることを使えばよいでしょう. 私の記憶では,アーベル総和はチェザロ総和よりも強い, ということだったと思います(あんまり自信がありません). すなわち,チェザロ総和可能な級数はすべてアーベル総和可能で, しかもその和が等しい, さらに,アーベル総和可能だがチェザロ総和可能ではないものが 存在する. しかし,我ながら議論が粗いですね~. 数学科の答案だったら赤点確実ですな. ミスタイプや間違いがなければいいけれど.
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- siegmund
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siegmund です. しばらくして見直したら,やっぱり粗すぎますね. 筋は合っていると思いますが. > 「おつり」の方の相加平均は, > x を固定したとき,sin 型の振動項の和の 1/n ですから > n→∞ でゼロに行くのはほぼ明らかでしょう. 本当は,O(n) より弱いことを言わないといけませんね. 例えば,x=π/2 だと (-1)^(m+1) sin[(2m+1)x] の和は O(n) になりますから そういう事態が起きないことを本当は言わないといけない. (もちろん,x=π/2 は今の問題の範囲外ですが). やっぱり,(2')を使う方が無難で明快すか. もちろん,sin 型振動の性質から, 周期が合っていないかぎり(つまり x=π/2 などでない限り) 和が O(1) であることは示せるでしょう. > ただし,x を固定して「おつり」をある正数より小さくしたいとしたときに, > 必要な項数 n は x → π/2 につれていくらでも大きくなります. 「おつり」【の絶対値】 としないといけませんね. ついでに 2(sin(2x)-sin(4x)+sin(6x)-sin(8x)+…) で x=π/2 と置くとゼロになります. これは「区間の継ぎ目」のところの (1/2({tan(π/2) + tan(-π/2)} を lim {x→π/2}(1/2) {tan(x)+tan(-x)} と思ったということでしょうかね.
お礼
ご回答ありがとうございます。tan(x)のフーリエ展開は、 (1)滑らかな関数との積分を考えれば振動が積分に寄与しなくなる (2)チェザロの総和法という「収束因子」を入れて収束させることができる という二つの捉え方が可能と思いますが、両者の関係がよく分かりました。
お礼
ご回答ありがとうございます。tan(x)のフーリエ展開を考察している本はあまり見かけませんが教訓的であるように思います。