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キリスト教とイスラーム教
キリスト教とイスラーム教は、 同じルーツであるにも関わらず、 なぜ相容れることができないのでしょうか? そしてなぜアメリカとイラクは戦うのですか? 全く異なるキリスト教と仏教においては、 こんなに強くいがみ合うことはありません。 例えば、(一応)仏教徒の私たち日本人は、 釈迦の誕生日は知りませんが、 キリストの誕生日は知っています。 そして日本中でクリスマスを楽しみます。 キリスト教と仏教は仲良く(?)できますよね。 なぜ、こんなにもキリスト教とイスラム教は いがみあい喧嘩ばかりしているのでしょうか?
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まず最初に確認しておかなければならないのは、イラク戦争は政治的な現象であって、宗教的な現象ではない、ということです。イラク戦争をはじめたアメリカにとって、フセイン政権を打倒することは、アメリカを中心とした世界秩序の強化やイスラーム系テロ組織への見せしめなどの効果を狙ったもののように思えます。また、アメリカのイラク占領に反対するテロ組織やイスラーム世界でわき起こる反米運動は、欧米の政治的支配や文化的なヘゲモニーによって自らの文化的アイデンティティが危機に陥っていると考える人々が起こしているものです。テロリストやそれ以外の反米運動かたちの多くが、自らの活動において「イスラーム」を口にするのは、第一に彼らが特に文化的及び政治的な意味における「イスラーム」を、自らのアイデンティティの中核として捉えているからであり、第二に「イスラーム」の名の下で自らの活動を行うことで、イスラーム教徒(ムスリム)に対して正統性やアピール力を有すると考えているからです。 このようなわけで、イラク戦争であれ、テロリズムであれ、中東における反米運動であれ、いずれも政治的現象であり、イスラームはそれを正統化したり、イスラーム教徒を動員したりするときに用いられるイデオロギーである、ということです。 そもそもにおいて、キリスト教とイスラム教が「相容れない」宗教である、というのは、どのような意味なのか、について、きちんと考える必要があります。両者はともに、それぞれが他と区別されるための宗教的原理を有しています。キリスト教の特徴をよく示す代表的な宗教的原理の一つに、「三位一体説」があります。これはご存知のように、神とその子(キリスト)と精霊は一つである、という考え方です。イスラム教徒はよくこの点を突いて、キリスト教は一神教として完全ではない、として批判します。これに対して、イスラム教の原理の種差的な特徴の一つとして、「モーゼやキリストは神から啓示を受けた預言者の一人であるが、いずれも信徒たちが彼らの啓示を誤って解釈したために、誤った宗教となった。これに対して、イスラム教の預言者ムハンマドは、神の啓示を受けた最後の預言者であり、もっとも完璧な宗教である」というような信仰を有しています。キリスト教とイスラム教のそれぞれの違いは、その限りで相容れないといい得るかもしれませんし、そのことが元で宗教論争が起こることもあるでしょう(例えば欧米のキリスト教徒が中東に行くと、イスラム教徒に「なんで三位一体なんか信じてるんだ」と議論をふっかけられるなど)。しかし、この「違い」が戦争や政治的不和に直接つながるほど、戦争や政治的闘争という現象は単純なものではありません。 ところで、日本人はクリスマスをキリスト教徒でもないのに祝ったり、欧米の文物を受け入れていることなどを根拠に、日本人の宗教的・文化的寛容を主張し、翻ってイスラム教徒は不寛容だ、というような意見がありますが、それは必ずしも正しくありません。日本人が寛容かどうかは置いておくとして、私が知る限り、イスラム教徒であるイラン人は、どこを起源としたものであろうと新し物好きですし、特に日本製やアメリカ製の電化製品は大好きで、ヨーロッパの香水やらブランド物も好きですし、ピザもハンバーガーも好きですし、「アデランス」と銘打ったカツラも人気がありますし、欧米の音楽も好きですし、可能ならばアメリカやフランス、ドイツに移住したいと考えている人間も多いです。というようなわけで、イスラム教徒は文化的に自らに属していないものを受け入れたがらない、というのは全くのウソですし、欧米嫌いというのもウソです(ただし、アメリカの外交的・政治的態度に対しては批判的な人は多いです)。で、「肝心の」クリスマスですが、イランではクリスマスにはクリスマス・ツリーが飾られ、その他のいかにもクリスマスという飾りも飾られます。これはイランにアルメニア人などのキリスト教徒が相当数存在するからでもありますが、おそらくはイラン人のヨーロッパ好きに多く起因すると思います。ちなみに、イラン以外の中東諸国でクリスマスが行われているのかどうか知りませんが、イラクにもキリスト教徒がいますし、エジプトは人口の10パーセントくらいがキリスト教徒、レバノンは3~4割?がキリスト教徒、シリアにも相当数います(どれくらいいるかの正確な割合は確認していないので分かりません。あしからず)
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- lucidity
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キリスト教とイスラム教について言うと、対立すること自体同じ前提を持った身内同士の争いなんですよ。仲がいい証拠。例えば、う~んと「キリスト教と畳ってなんでいがみあってるんですか」だと意味不明ですよね。 だから、いがみ合っているというよりもじゃれているだけで、時にお互い極めて攻撃的になるからいがみ合っているように見えるだけでしょう。
- betagamma
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第二次世界大戦末期にアメリカが日本に原爆を落としたのは、 ・ドイツが先に降伏してしまったから(5月) ・アメリカが沖縄だけで大きな損失を被り、アメリカ兵を犠牲にせずに日本を降伏させる方法として、原爆の方が有効だと考えたから だと思います。そもそも、第二次世界大戦でアメリカは戦争したくてしたわけじゃないですし。沖縄でこれだけ損害を受けたのだから、本土を掌握したらどれだけ大きな損害になるのだろう、と思ったのでしょう。 原爆で降伏するなら、原爆の方が自国の兵を失わずにすみ、楽だったのでしょう。
- tiltilmitil
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>キリスト教と仏教は仲良く(?)できますよね。 第2次世界大戦末期、原爆が落とされたのがドイツではなく日本であったのは日本がキリスト教国ではなかったから、という説もありますね。
- bracho
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この一点についてのみですが。 >そして日本中でクリスマスを楽しみます。 >キリスト教と仏教は仲良く(?)できますよね。 日本人の宗教観というのはとても多様で、 あらゆる物に神が宿るという考え方で来ているのです。 八百万(やおよろず)と聞いたことありますよね? 1つの家の中でも台所、便所、お米、様々な所に 神様はいて、それぞれを大事にしてきたわけです。 かなり大雑把に言うと、そんな沢山の神様が いるからこそ、信仰する対象が多くなり、その結果、 「まぁ、色んなカミサンがおるよね」となり、 他者が信仰する神様に対して、寛容になってきたそうです。 しかも人々は次々新しい神様を想像し、創造してきた。 キリスト教などの一神教は「自分←→絶対神」 なので、自分の崇める宗教以外の神は「邪教」 となってしまう。 クリスマス云々と以前に、生誕してお宮参りをし、 死んだらお寺に入るというのも、本来から言えば おかしいのです。「神(神道)」と「仏(仏教)」 を同時に信仰している事になりますから。 でもそれが普通。 それができるからこそ、一神教の信仰を持つ人々の 事は我々に理解しにくい。 昔、私は、日本人のこの宗教観がきらいでしたが、 宗教対立の火種が政治に利用されている昨今では とても重要な、良い信仰のしかただとある種 誇りに思いますよ。 かなり大雑把な回答で申し訳ありません。
- yuhkoh
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勘違いされてはいけません。教義が異なるといっても、一般の信者はそんなことあずかり知るところではないからです。 冷戦の崩壊によりイデオロギーによる縛りがなくなったことで、こんどは民族意識が強くなりました。そして自分たちをまとめる一つの手段として宗教があります。ですから主となる原因は民族が違うことによる対立であって、宗教教義による対立ではありません。とかく戦争の原因は複雑な要素が入り乱れているので、何か一つだけが原因だと考えるのは危険ですよ。 (なぜならばそのような考えは、現在の状況が悪いのは○○のせいだ、それを叩けバラ色の未来が待っている… という考えでどれだけ失敗してきましたかね) 日本で宗教が共存できているのも、民族間の対立が深刻でないからです。 また、今回のイラク戦争を宗教対立であると煽っているのはテロリスト側です。 http://mltr.e-city.tv/faq01b.html#00145
>キリスト教とイスラーム教は、同じルーツであるにも関わらず、なぜ相容れることができないのでしょうか? イスラム教は「ユダヤ教のヤハウェもキリスト教のイエスも同じ神だが、実はそれらは名を変え場所を変え現れたアラーであり、アラーこそ最後の神だ!」って、後から来ていいとこ取りみたいな、キリスト教からすると著作権の侵害に近い問題が根にあるのではないでしょうか。ルーツが同じなのでイスラム教はユダヤ・キリスト教との相互の結婚も認めている仲ではあります。そしてコーランは旧約・新約聖書のベースの上に「アラーの教えに背く者には罰を、地獄行き~」というような節をくどいくらい加えていて、コーランの教えどおり清く生きたか?これこそを重要思想としているのですが、この教えを悟り違えた一部の分派がアラーのためなら血の争いも辞さないという過激派となっています。表向きはささやかだった微妙な宗教の違いの中でアルカイダやフセイン政権などのアラブ諸国の問題が濃厚になり、他国の戦争や石油と聞くとすぐに介入したがるアメリカがドンパチやらかし誤爆も多発したため、一部ではアメリカ人→キリスト教でも悪い、アメリカと仲良し→悪い、イスラム教→良し でもコーランは読めない→アウト みたいな、いわば政治と宗教のごった煮に近い今日までの問題にも発展しているのだと思います。ルーツが同じだからこそ、逆にまったく違う名前の宗教二つが溶け合うことが難しいのではないのでしょうか。 >なぜアメリカとイラクは戦うのですか? 他の方が言ったように、アメリカがフセインの独裁政権を終わらせようとした結果です。実際は911でアルカイダに攻撃されたアメリカが、なかなかビンラディンを捕まえられないうえ、報復による誤爆で民間人なども犠牲にしてしまったために、「これではやばいな、軍隊の士気は落ちているし、国民の不安や憤りからなんとか活気を取り戻さねば・・・」と思ったかどうかは定かではないですが、ブッシュは恰好の人物を思い出し「アルカイダはフセインと繋がっている。大量破壊兵器を持っている」と大嘘をついて自国民を騙し、標的をフセインに移して戦争を起こしたという流れです。フセイン政権が倒れたこと自体は良かったのかもしれませんが、その後でその嘘やイラク人捕虜の虐待が表面化して今の泥沼化にも繋がっていますね。 >キリスト教と仏教は仲良く(?)できますよね。 というよりは、日本は多神教ですし、信仰心が薄かったり、無宗教という人がほとんどです。だから仲良くというよりは宗教争いという意識が少なく、クリスマスも「キリストの誕生日」という前に「ツリー&ケーキ」みたいな海外から来た冬の一大パーティーイベント感覚でしかないような。こんなに宗教に関しておおらかな国はどこの国を探しても日本くらいですが、逆に宗教に対する問題意識がないとか無知とも取れないでもないです。 あくまで自分的な解釈です・・・(^^;)
- betagamma
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>キリスト教とイスラーム教は、 同じルーツであるにも関わらず、 なぜ相容れることができないのでしょうか? 同じルーツだから、でしょう。 同じルーツなので、お互いの聖地も同じだったり近かったりするので、奪いあいになるのではないですか?エルサレムは、旧約聖書に出てくるのでユダヤ教・キリスト教・イスラーム教の三つの聖地になっていますし。 仏教などの他のルーツの宗教の聖地は、何千キロも離れた場所にあるので、聖地の奪い合いなどにはならず、棲み分けができるのでしょう。もちろん、棲み分けをするのに多くの犠牲が歴史的には払われましたが。インドとパキスタンがいい例です。 アメリカがイラクを攻撃したのは、アメリカの主張によれば対テロリズム戦争で、宗教戦争ではありません。宗教戦争であれば、他のイスラム国に対しても攻撃しないといけないはずです。 テロリスト側としては、この戦争を宗教戦争にしたいのです。そうすれば、イラクだけでなく、イスラム全体を見方につけることができますから。ブッシュ政権のバックグラウンドがキリスト教原理主義であることを考えると、宗教戦争としての側面もないわけではありません。 宗教戦争にしてしまうと、収集がつかなくなるので、アメリカはやっきになって「対テロ戦争」を宣伝し、イスラムを敵に回さず、フセイン政権だけを敵に回すようにしています。 あと、イスラム教の方がキリスト教よりずっと後にできたので、イスラム教の聖典コーランには、キリスト教について色々書かれています。基本的には、「同じルーツの同類」との見方のようですが、その辺も影響しているのではないでしょうか?
- utaufune
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1の方の回答がちょっと気になりましたので、 キリスト教が 殺すな と言っている・・とありましたが、歴史的には、宗教を利用して戦いはじめているのはキリスト教国側です。 教え的には、イスラムはイエスを否定しません。教えとして懐が深いのはイスラムの方です。 ・・まあ、「宗教」ですから、宗派、個々人の解釈次第で、「正解」と誰が言えるのかはわかりませんけれど・・。 相談の問題については、掲示板など短い話で終われる話でもないと思うので、宗教関係の本の一冊でも読むのがいいと思うのですが・・。 日本人も神道を利用しキリスト教国と戦いましたね。 今の日本は、いい悪いと評価する気はないですが、宗教感覚は崩れています。「仏教国だから仲良くできてる」わけじゃないと思うのですが。
- flyaway
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ちょっとまってください。アメリカとイラクが戦っているのは、宗教の問題ではありません。政治問題です。イスラム教とキリスト教が戦っているわけではなく、アメリカがイラクのフセイン政権を終わらせようとした結果です。 もちろん、宗教をめぐる戦争もあります。たとえばパレスチナなどで起きている争いは宗教が原因ですが、それらは二つの宗教(又は宗派)が同じ場所を聖地としており、その土地をめぐっての戦いがエスカレートしたものと思えます。ですが、アメリカとイラクの問題は宗教とは全く無関係です。 >イスラム教は聖戦(ジ・ハード)と言って戦う事は尊い事だという考えですから。 確かにそういった考えもありますが、全てのイスラム教徒が「戦う事は尊い事」と思っているわけではありません。私の友達にイスラム教徒が何人もいますが、彼らは「そういう考え方するのは、少数の過激派テロリストだけ。一緒にされるのはとても迷惑だ。」と言います。アメリカでは政治問題と宗教問題を混乱させ、「イスラム教徒はみんな敵だ」と思い込んでる人たちが大勢います。とても危険な、悲しい考えだと思います。ほとんどのイスラム教徒は、私たちと同じだけ暴力や争いを嫌い、テロリストの行動を批判しています。
- ac-sakura
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教えが正反対だからでしょう。 キリスト教、仏教は「戦うな」「殺すな」と言っているのに対して、 イスラム教は聖戦(ジ・ハード)と言って戦う事は尊い事だという考えですから。